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October 26, 2015

バーデン歌劇場「Das Land des Lächelns」

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今日はしばらくご無沙汰していた「オペレッタの話題」をお届けしましょう。

このところ、質の高いオペレッタを上演して目が離せない存在になっているBaden。2015/16シーズン最初のオペレッタは「Das Land des Lächelns」(微笑みの国)です。

フォルクスオーパー版が、チャイニーズカラーを前面に打ち出した演出であったのに対し、Badenは、どのような感じで仕上げてくるでしょうか。

当日の指揮はFranz Josef Breznikさん。主なキャストは、以下のとおり。

-Lisa(リーザ):Monika Rebholzさん
-Ferdinand Lichtenfels/König Tschang(リヒテンフェルス伯爵):Rupert Bergmannさん
-Gustav(グスタフ):Franz Gürtelschmiedさん
-Prinz Sou-Chong(スー・チョン王子):Matjaž Stopinšek さん
-Mi(ミー):Kerstin Raunigさん、
-Lore/Prinzenbraut:Kerstin Raunigさん
-Fini/Prinzenbraut:Anú Sifkovitsさん
-Franzi/Prinzenbraut:Alice Wagingerさん
-Vally/Prinzenbraut:Christine Paulsさん
-Obereunuch:Robert Kolarさん
-Fu-Li:Robert R. Herzlさん

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最近のBadenは演奏が良くなっていますが、今日も少人数のオーケストラとは思えない素晴らしい仕上がりでした。劇場が小振りなこともプラスに作用しているのでしょう。

演出は比較的オリジナルに忠実ですが、ポイントは、時代設定を現代にして、なおかつPrinz Sou-Chongの母国を「アジアの架空の国」に設定したこと。最近、Badenで多い演出パターンです。

しかし、舞台装置はフォルクスオーパーよりも雰囲気が出ており、合格点。資金が少なくても、」やればできるという感じです。

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基本的に大道具は、一幕から三幕まで同じ枠組みを遣っていますが、吊し物などを上手に活用して、かなり写実的なデザインになっており、ゴージャスな感じに仕上がっていました。一幕はウィーンの邸宅ですが、二階建てになっており、上下を上手に使い分けていました。

Prinz Sou-Chongの母国とオーストリアが、友好関係を結んでいるという想定です。馬術大会でLisaが優勝して、華やかなパーティが行われるのは、定番どおり。そして、Prinz Sou-Chongの母国にLisaが同行していく場面で、一幕が終わります。

暗転で二幕へ。二幕はPrinz Sou-Chongの母国。例によって怪しげなアジア風の民族衣装を身にまとった男女が多数出演。ここも背景が熱帯の森林風になっているので、タイあたりをイメージしているのでしょう。

ただ、服装は変則的な中国風。極端に中国色を出していない分、「架空の国」の雰囲気になっていました。ウィーンから一緒に戻ったMiがテニスルックで登場して、たしなめられる場面も入っていました。

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民族衣装のダンサーによるダンスシーンもふんだんに入っていますが、フォルクスオーパーに比べると、少なめで、好感が持てます。このくらいでちょうど良い感じ。

なお、現代の設定なので、二幕の途中でやってくるGustavも平服です。特殊メイクでお腹が出っ張っているFu-Liが異彩を放つ。正に怪演です。二幕の途中で、休憩となります。

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休憩後は、現地の風習に従った婚礼の場面から始まります。舞台装置は一緒ですが、後ろ側に幕が下がり、宮殿内部になります。中央には定番のドラが‥

現地の花嫁も、それなりの衣装。きれいなデザインで、特定の国を印象づけない工夫がされています。

婚礼の場面で、LisaがPrinz Sou-Chongに詰め寄るシーンも通常通り。ただ、現代なので、警備の兵士は軽機関銃を手にした特殊部隊風のコスチューム。

そして、現地の花嫁と共に、宮殿の一室に幽閉されますが、この舞台装置も雰囲気が出ていて良かったですね。ここで花嫁の入浴シーンが入っていました。

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Miの手助けにより、GustavとLisaは宮殿を脱出しようとしますが、ここでLichtenfelsがウィーンから娘を助け出すためにやってきます。しかし、Gustav、Lisaとともに警備兵に捉えられてしまうのですが、Sou-Chongの命令で3人を開放することに‥

最後は、宮殿のバルコニーに、現地の花嫁とMiを従えてPrinz Sou-Chongが、アリアを歌い上げて幕となります。
架空の国にしているため、不自然さが少なく、良いアイデアだと思います。

今回、歌手で素晴らしかったのは、LisaのMonika Rebholzさん。歌、お芝居共に申し分ありません。特に歌唱力が素晴らしかったですね。

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お相手役のPrinz Sou-ChongのMatjaž Stopinšek さんも、歌、お芝居ともに上手で、母国の風習で板挟みになる「悩める王子の役」を見事に演じていました。このお二人は、本当にすばらしい仕上がりでした。

ちなみにSebastian ReinthallerさんがPrinz Sou-Chongを演じる日もありますが、こちらも注目でしょう。

MiのKerstin Raunigさんは、こちらの人には一番人気。カーテンコールではブラヴァの嵐。歌う場面は少ないのですが、かわいらしい演技が光ります。

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ちなみに、Kerstin Raunigさんはメルビッシュでの「ヴェネチアの一夜」でCibolettaを演じていた人。今後、スプレットとして期待できる人材と言えるでしょう。

GustavのFranz Gürtelschmiedさんは、人気は高かったのですが、Monika RebholzさんやMatjaž Stopinšek さんに比べると、やや存在感が薄い感じがしました。

全体にバランスのとれたキャスティングだと思います。最近は出演者、演奏、演出ともに全体的にレベルが上がっており、フォルクスオーパーよりも良い仕上がりになっている作品も増えてきましたね。

Sebastian Reinthallerさんが芸術監督に就任したことも、大きく影響しているような気がします。今後のBadenに期待しましょう。

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