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October 28, 2015

National-feiertag2015 Bundesheer60Jahre

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毎年、恒例のNational-feiertag(ナショナルデー、建国記念日)の行事が10月23日から26日までHeldenplatzで開催されました。

オーストリアは、ナチス・ドイツ軍に併合されて敗戦を味わい、10年間、連合国軍(米英ロ仏)4カ国の占領時代を経て、レオボルト・フィグル外相が、ベルヴェデーレ宮殿内で「オーストリア イスト フライ(オーストリアが自由に)」という有名な宣言の後、1955年10月26日、再び独立国(永世中立国)となりました。オーストリアでは、この日を記念して、10月26日がNational-feiertagとなっています。

今年はオーストリア連邦軍誕生60周年に当たるため、盛大に行われましたが、Heldenplatzで開催での開催は、今年が最後になる可能性があります。

というのは国会議事堂の老朽化が進み、本格的な改修工事を実施するため、国会の機能を一部、Heldenplatz周辺に移転させる計画があるためです。

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まだ、詳細は明らかになっていませんが、外から見ると立派な国会議事堂も、内部はかなり痛んでいるそうです。ちなみに26日は、午後から国会議事堂が一般公開されましたが、かなりの人が集まったそうです。

National-feiertag2015の中心行事は、26日に行われる新兵忠誠誓約式ですが、それまでの期間は、Heldenplatzに連邦軍の装備、活動内容などが展示され、多くの人で賑わいます。

このところ、秋雨が続いていたウィーンですが25日からは天候が回復し、絶好の行楽日和になりました。

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日本と同じ、敗戦国ながら、建国記念日にウィーンの中心で大規模な軍事関連の展示が行われるはたいしたものです。

日本でも、この時期、自衛隊の観閲式が行われますが、今は、ほとんど基地内の閉鎖されたエリアで行われ、一般の国民が目にするチャンスはほとんどありません。

差し詰め日本ならば、皇居前広場で自衛隊の観閲式や装備展示が行われるようなものですから‥

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現在、オーストリア連邦軍は陸軍と空軍からなっていますが、展示されるヘリコプターは数日前に直接、Heldenplatzに着陸しています。

これは各種テントなどの展示施設を先に設置してしまうと、ヘリコプターが着陸する際のダウンウォッシュで危険なため、最初に搬入したものです。先週の中頃、早朝にやってきたようです。

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このほか、航空機関連では、現役を引退したSaab Draken戦闘機、ユーロファイターのモックアップが展示されていました。

基本的に陸軍中心のオーストリア連邦軍なので、陸軍の装備展示は充実しています。今回も主力戦車のレオポルトⅡ、マルダー歩兵戦闘車、装甲車(PANDUR)、戦車回収車、装甲兵員輸送車、自走砲M-109などが展示されていましたが、日本よりもオープンなので、ほとんどの車両は乗り放題、さわり放題。

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当然、機関銃をはじめとする銃器もさわり放題。写真をご覧になるとおわかりのように、子供さんが楽しそうに狙撃銃を触っています。

日本ならば市民団体という左寄りグループからクレームが続出するような状態ですが、中道政権であるオーストリアでは、徴兵制も健在で、国防は重要なテーマなのでしょう。反対運動の姿は見かけませんでした。

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当たり前ですが、地元新聞などのマスコミが批判することはありません。

今年は、連邦軍創立60周年記念ということで、軍事史博物館で保管している戦車や火砲、装甲車、ヘリコプターなどが展示されていました。

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25日は、13時前から、装甲車、装甲兵員輸送車、マルダー歩兵戦闘車、主力戦車レオポルトⅡ、戦車回収車、自走砲などのデモンストレーションが行われました。これは、当然、大人気。

日本の場合、駐屯地や練習場意外で自衛隊の兵器がデモンストレーションを行うことは希ですが、オーストリアは当然のように、派手なデモンストレーションを実施。当然、お客さまが沢山あつまって、大人気です。

今回は、60周年ということで、特別に軍事史博物館に保存されているM60の動態展示が行われた。自衛隊で引退した戦車などを動態保存しているという話を聞いたことがありませんが、さすが「文化の国」は違います。

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また、各部隊のブースでは、部隊の活動内容を、ビデオなどを交えて、紹介していました。オーストリアはPKOに積極的に参加している他、国際緊急援助隊も組織しており、大規模災害の際には、連邦軍が派遣されることもあります。

今回、一通り展示を見学した感想としては、オーストリア連邦軍は、日本の自衛隊よりもバランスがとれた軍隊であるということです。

というのは、日本の場合、ある軍事評論家によると“自衛隊は「火の出るおもちゃ」の調達には熱心だが、隊員の生命を守る装備には関心が薄い"というのです。

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実際、日本の自衛隊には、装甲救急車や装甲車の救急車バージョンは存在しません。通常のトラックタイプか民間の救急車タイプだけ。

これでは、万が一、戦いが発生した場合、隊員の生命を守ることは難しいでしょう。しかし、オーストリア連邦軍は、戦車や装甲車、戦闘機の数は日本よりも少ないかもしれませんが、救急車仕様の装甲車や装甲救急車が多数、配備されているのです。

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当然、現場での医療活動も日本とは比べものにならないくらい、自由に展開できるようです。このあたり、同じ、敗戦国でも考え方が大きく違うと感じました。

ところで、日本では、財務省から横やりが入って、自衛隊が直接グッズを販売できなくなったようですが、ヨーロッパでは、そういったシバリがないため、各部隊が盛大にグッズを販売していました。

何しろスーベニアと表示されていますから‥ グッズですが、部隊のパッチやTシャツ、キーリング、ピンバッチ、ビアマグ、USBメモリー、シュナップスまで、多様な商品を売っていましたね。

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ところで会場で配布されている公式パンフレットにはスポンサーの広告が大々的に入っていました。

日本の場合、各地で行われる自衛隊の基地祭では広告の入ったプログラムを見かけますが、防衛省が主催する公式行事のパンフレットに広告が入っているのは見たことがありません。このあたり、考え方の違いがはっきりしていますね。

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ところで、憲兵隊(MP)も車両や装備を展示していましたが、オートバイは川崎製、パトロールカーは三菱製の4WD車でした。まさか、民生品とは言え、日本の製品がオーストリア連邦軍の装備に採用されているとは思ってもみませんでした(左の写真がMPが導入している日本車)。

このほか、一部の装甲車では、横浜ゴムのタイヤが使われていましたね。実は、日本製の民生品は、意外と各国の軍隊で導入されているそうです。

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26日のナショナルデー当日は、各種の行事が盛りだくさん。まず9時前に特別儀仗隊が音楽隊の先導で入場し、Burgtor前に整列しました。

9時にフィッシャー大統領が国防大臣を引き連れて、「無名戦士の墓」に参拝するため、来場。初めてフィッシャー大統領を間近で見ることができました。ちなみにFeriは、まだ、日本の首相を、これほど間近で見たことはありません。意外と警備が緩いのには、びっくりしました。

また、音楽隊によるオーストリア国歌の吹奏。初めて生で聞くことができました。

続いて、9時30分には首相が「無名戦士の墓」に参拝するため、閣僚と一緒に到着。こちらの方が、SPは多かったですね。

Feriは、所用があったので、首相が退場したタイミングで、会場を後にしましたが、その後、12時から観閲行進などが行われています。

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ところで、こちらで話題になっているのは、26日に開催された新兵忠誠誓約式に、初めてイスラム教指導者(イマーム)のSijamhodzic氏が参加して、演説をしたことです。

これは、新兵の中にイスラム教徒が増えてきたためで、現在、連邦軍には900名のイスラム教徒が在籍しているそうです。これも時代の流れでしょうか。

日本では、オーストリアは平和な国という印象が強いと思います。実際、平和な国ですが、やはり陸続きであることを考えると、防衛力を整備しておかないと他国からの侵略を許すことになってしまいます。

そういう意味で、連邦軍は頼もしい存在と言えるでしょう。

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Comments

Feri さまお久し振りです。10月26日は外相フィーグルのベルベデーレでの国家契約締結とは関係ありません。オーストリアが永世中立を採択した日です。

Posted by: はっぱ | October 31, 2015 at 12:42 AM

はっぱ様

ご指摘、感謝。ちょっと言葉足らずでした。

Posted by: Feri | October 31, 2015 at 07:02 PM

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