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October 23, 2015

Seestadtは今‥

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今日はウィーン郊外の新しい街「Seestadtの話題」をお伝えしましょう。

今、ウィーンはアパート不足で家賃が高騰しています。また、街中でも新しい民間アパートの建設が行われている光景を目にします。それだけ「需要がある」ということなのでしょう。

そのような中、ウィーン市内で最後の大規模住宅開発と言われているのがU2の終点Seestadtです。直訳すると「海の街」ですが、別に海や湖に面している訳ではありません。

ただ、人工の湖を中心とした親水公園を取り囲むように街を作るというプランなので、こういった名称がついたようです。

Seestadtは2万人が住む予定の住宅を中心に、オフィスエリアや商業エリアも設定され、新しい職住接近の形を創り上げるプロジェクトです。

住宅は基本的に集合住宅(アパート)なのですが、一部は実際に住む人の意見を反映した仕様で建設されています。

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以前も、このブログでご紹介しましたが、このエリアですが、1809年には、ここでナポレオンとの戦いが繰り広げられたという歴史と伝統のある地域。

その後1912年にはウィーン初の空港となり、ドイツの飛行船ツェッペリンなどが発着しています。ただ、空港としては手狭であったため、その役目をシュベヒャート空港に譲り、1977年に閉鎖されています。

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そして、ウィーンの人口増に対応するため、1992年から都市開発プロジェクトが開始されましたが、大量輸送が可能な公共交通機関がなかったため、U2の延伸までは住宅建設などは進んでいませんでした。

2013年10月にU2がSeestadtまで延伸されましたが、その後、Feriも用事が無いのでご無沙汰。そこで、先日、2年間の変化を確認するため、ちょっと様子を見てきました。

2013年10月の時点では、実際に人が住むアパートは皆無だったのですが、さすがに2年も経過すると立派なアパートが建っており、実際に住民の入居も始まっていました。

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2013年10月の時点では、実際に人が住むアパートは皆無だったのですが、さすがに2年も経過すると立派なアパートが建っており、実際に住民の入居も始まっていました。

また、付近は何もないエリアだったので、住宅だけできても生活はできません。入居に合わせて大手スーパーマーケットSPARやベッカライ、銀行、薬局、書店といった店舗に加えてレストランやカフェ、個人医院なども開業しており、住宅団地としての機能も充実してきました。

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日本の住宅団地では、レストランなどは利用者が少なく、採算が合わないため、出店を控える傾向があるという話を聞いたことがありますが、ウィーンでは、こういった住宅団地でも外食をする人がいらっしゃるようです。さすがにホイリゲはありませんでしたが‥

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興味深いのは、遊具などを備えた子供さんを遊ばせるための施設が大変充実していることです。おそらく子育て世代に的を当てた街づくりなのでしょう。

実際に遊具を備えた公園で、小さな子供さんを遊ばせている光景を目にしました。

当たり前ですが、住宅団地に人が住むようになったため、U2のSeestadt駅利用者も大幅に増えており、Feriが訪問した日も、結構、お客さまの乗降がありました。

このほか、Seestadtのシンボルとなっている湖周辺の整備も進み、親水公園も一部完成しており、周辺を散策する人の姿も増えてきました。

面白いのは、日本の場合、駅前から整備するのに対して、Seestadtは駅からかなり離れたエリアの住宅団地建設から始まっていることです。

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ちなみに現在、入居が始まっているエリアは駅からは徒歩5分以上かかります。そのため、駅前は2年前とほとんど変わらず、広場(というか空き地)になっています。

ただ、2年前には工事現場を見学する展望タワーの向こうには建物はなかったのですが、今では写真のようにきれいなデザインのアパートが建ち並んでいます。

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また、アパートについても画一的なデザインではなく、オーストリアらしく、区画毎にデザインが異なっており、変化に富んだ街並みになっています。そのため新しい住宅団地に観られる無機質な雰囲気はありません。よく考えられていると思います。

このほか、興味深いのは、Seestadt内で利用できるレンタル自転車システムが導入されていることです。

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これは、有料なのですが、住民が予め管理会社に申し込むとICカードが交付されて、これによって街の中にあるスタンドから自由に自転車を借りることができるものです。

通常の自転車に加えて荷物輸送に使える自転車も準備している点です。Wien市内にあるCityBikeは無料ですが、有料にすることで、自転車のレンタルだけでなく、その他のサービスも提供しようという考え方のようです。

Feriが、訪問した時、入居希望者を対象に自転車システムの説明を行っている場面に出くわしましたが、皆さま、興味津々という感じでしたね。

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もちろん、U2の駅には通常の駐輪場もありますが、買い物なので大きな荷物を運ぶための自転車を借りることができるのは、魅力的かもしれません。

このように近代的なシステムが導入されている反面、街の中央にあるHANNAH-ARENDT-PARKという公園前では、市も立っていました。新しい街に、伝統的な市。この組み合わせこそがウィーンらしいところです。

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ただ、2年前には工事現場を見学する展望タワーの向こうには建物はなかったのですが、今では写真のようにきれいなデザインのアパートが建ち並んでいます。

なお、駅を挟んでアパートとは反対側のエリア(南側)に関しては、まだ一部しか建設工事は着手されていない感じです。

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現在の計画では、Seestadtの全体計画が完了するのは15年後の2030年となっています。かなり気の長い計画と言えますが、この計画が完了するとウィーンのアパート不足はかなり解消されることでしょう。

しかし、久しぶりに現地を訪問して、その昔の多摩ニュータウンを思い出しました。歳がわかりますね。とは言っても、日本の住宅団地とはひと味違う街づくり。やはりウィーンらしい開発プロジェクトだと思います。

ところで、SeestadtはSchottentorからはU2で20分ほどです。日本人からすると都心まで地下鉄で20分ほどの場所だと、近いという感覚になりますが、ウィーンはコンパクトな街なので、こちらの方にとっては、周囲が開発中であることも踏まえて、かなり「遠い場所」という感覚なようです。


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街角の話題 |

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Comments

《多摩ニュータウン》親戚が住んでいます🎵
確かに初めて訪れた時は『未来都市』の様でした❗
未だ私も子供だったので、ワクワクした記憶があります😊
自分には何も関係は無いのですが、何故かWienの『都市開発プロジェクト』のこれからも楽しみです😊

Posted by: necchi | October 23, 2015 at 09:25 AM

necchi様

実際にアパートが建ってから初めての訪問でしたが、オーストリアらしい工夫が随所に見られ、住んでいる皆さまも余裕ある敷地でのんびりしているように感じました。

完成まで15年もかかる訳ですが、その間にウィーンを取り巻く事情も変わるでしょうね。

Posted by: Feri | October 23, 2015 at 04:22 PM

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