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February 19, 2016

2015/16シーズンフォルクスオーパー「伯爵令嬢マリッツア」

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今日はフォルクスオーパーの「オペレッタの話題」をお伝えしましょう。

2014/15シーズ、シーズンの締めくくり6月に集中公演が行われた「伯爵令嬢マリッツア」ですが、2015/16シーズンは、シーズン中盤の1月から2月にかけて6公演が上演されました。ちなみに2013/14シーズンからの通算上演回数は、3シーズン通してわずか24公演とは‥少ないですねぇ。

2015年6月28日、以来となる「伯爵令嬢マリッツア」を観たくなったのは「オペレッタにはまっている男 Feri」の悲しい性‥という訳で、2月11日と2月15日の最終公演に行ってきました。なぜ、2回観たのか‥それはキャストが大幅に変更になっていたからです。

2月は「伯爵令嬢マリッア」、「こうもり」、「ヴェネチアの一夜」という3演目に加えて、「会議は踊る」のプルミエとオペレッタ上演が多いため、キャストの調整が大変なようで、固定するのが難しいようです。

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それに加えて、風邪が流行っているため、体調不良でカバーが起用されることもあるので、キャストは当日までわかりません。

ところで、今シーズンの「伯爵令嬢マリッツア」では、プルミエ当初からペニチェクを務めてきたRobert Meyerさんが、「会議は踊る」に専念するためか、今シーズンは外れたことが大きなニュースです。

指揮ですが、両日共にGerrit Prießnitzさんでしたが、この方、2007年2月に前演出でも「伯爵令嬢マリッア」を振っています。若手ですが、はつらつとした指揮ぶりが特長です。

さて、両日の主なキャストは、以下のとおりです。

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-伯爵令嬢マリッア(Gräfin Mariza):Ursula Pfitznerさん(11日)、Astrid Kesslerさん(15日)

-ポプレスク公爵(Fürst Populescu):Kurt Schreibmayerさん(11日)、Toni Slamaさん(15日)

-コローマン・ジュパン男爵(Baron Koloman Zsupan):Boris Ederさん(11日)、Thomas Sigwaldさん(15日)

-タシロ・エンドレディ・ヴィッテンブルク伯爵(Graf Tassilo Endrödy-Wittemburg):Carsten Süssさん(11日)、Tilmann Ungerさん(15日)

-リーサ(Lisa, seine Schwester):Anita Götzさん(11日)、Elisabeth Schwarzさん(15日)
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-カール男爵(Karl Stephan Liebenberg):Nicolaus Haggさん

-ボジェナ侯爵夫人(Fürstin Bozena Cuddenstein zu Chlumetz):Helga Papouschekさん

-ペニジェク(Penizek, ihr Kammerdiener):Günter Rainerさん

-チェッコ(Tschekko, Diener Marizas):Michael Gempartさん

-マニャ(Manja, Zigeunerin):Elvira Soukopさん(11日)、Annely Peeboさん(15日)

-Primas:Gregory Robersさん

―謎の少女(Ein Mädchen):Marestella Schachnerさん(子役)

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ご覧のように、11日と15日では主役、準主役を含めて全面的な入れ替えが行われています。当然、2回観たくなるFeri‥(そんな人間は少ないでしょうが‥)。

演出に関しては、基本的に2013/14シーズン、2014/15シーズンと同じです。しかし、3シーズン目というのは鬼門で、4シーズン目はレパートリーから外れる可能性が大。それだけに、今、観ておかないと(以下、自粛)。

この演出は、チェッコと「謎の少女」がストーリーテラーを務めるようになっているのですが、どうもFeriは最後まで違和感がぬぐえませんでした(要するに、必要ないということです)。

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タイトルロールのマリッツアですが、お二人とも2014年のプルミエから起用されているので、全く問題なし。

Ursula Pfitznerさんは、ファーストシーズンはセカンドクルーでしたが、歌、演技、踊り共に安心して観ることができました。

対するプルミエ組のAstrid Kesslerさんは、プルミエ当初は、マリッツアの出演経験がなかったため、こなれていない部分がありましたが、シーズンを重ねることで、キャリアを積み、今では見事な歌、お芝居、踊りを披露してくれるようになりました。

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ただ、Astrid Kesslerさんは、「声がきれいな人」ではない点で、損をしているような気がします。後はお好みで‥ただ、雰囲気はお二人とも、似ていますよね。

タシロのTilmann Ungerさんは、Feriは今回がお初。当初、1月公演限定だったようですが、Carsten Süssさんのカバーで入ったのだから、ある意味、ラッキーです。

Tilmann Ungerさんは、体格も良いので声もよく出ていました。また、お芝居も水準の仕上がりだったと思いますが、主役級のオペレッタ歌手に必要な「華」が弱い感じが‥ 

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また、感情の起伏を前面に出すのが得意ではないような感じがしました(要するに、大人しい感じ)。タシロは、途中で、感情を込めて歌う場面が多いだけにちょっと残念なところです。

11日に観たCarsten Süssさんも、2013/14シーズン当初は、正直なところ「貴族らしい気品」が余り感じられなかったのですが、回数をこなしたこともあり、役のポイントを掴んだような気がします。

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Feriは、現在の演出で、結局、Daniel Prohaskaさんを含めて3人、観ていますが、現時点ではCarsten Süssさんが最も適しているかもしれません。

ポプレスク公爵は、11日がKurt Schreibmayerさん、15日がToni Slamaさんでした。両者ともベテランらしく、お芝居は見事です。

本演出では、ポプレスク公爵は、悪役の色が強くなっているので、その点ではToni Slamaさんの方が顔立ちも含めて、ピッタリかもしれません。

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ただ、個人的には、悪役ながら「憎めない良いおじさん」というイメージがあるKurt Schreibmayerさんの方が、お気に入りです。オペレッタに「真の悪役」は、似合いませんから‥

Elisabeth SchwarzさんのリーザもFeriはお初。フォルクスオーパーのオペレッタでは「こうもり」のアデーレ、イーダ、「チャールダーシュの女王」のアナスタシアなどに起用されています。

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Anita Götzさんと役が重なっていることが多いですね。歌、踊り、お芝居共にバランスがとれていて、なかなか魅せるものがありました。

ただ、個人的には、かわいらしい雰囲気が出ていたAnita Götzさん(右の写真)の方が、役には合っている気がします。もちろん、個人的な好みですが‥

ジュパン男爵は11日が最近、活躍が目立つBoris Ederさん。最終公演はThomas Sigwaldさんでした。

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両者を比べるとThomas Sigwaldさんは、本格的な歌手なので、歌の部分では完全にBoris Ederさんを圧倒しています。

また、彼はお茶目な演技が得意なので、まじめな雰囲気が強いBoris Ederさんよりも、ジュパン男爵には向いているような気がします。

実際、カーテンコールでも、お客さまから盛大な拍手が送られていました。最近、出番が少なくてちょっと心配していたが、今日の仕上がりを観て一安心。

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Boris Ederさんは、お芝居や踊りに関しては素晴らしいものがありますが、どうしても「まじめさ」が出てしまうため、損をしている点があるかもしれません。

最近は活躍が目立つBoris Ederさん。「会議は踊る」では、ロシアのアレクサンドル皇帝への起用が予定されています。

元々、役者出身なので、聞かせる歌は得意ではありませんが、演技力には定評があるので、起用が増えている気がします。

出番は少ないですが、重要なキーパーソンとなっているマニャは、11日がElvira Soukopさん、15日がAnnely Peeboさんでした。

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どちらも甲乙付けがたい仕上がりでしたが、個人的にはAnnely Peeboさんの方が良かった気がします。

ボジェナ侯爵夫人のHelga Papouschekさん、ペニジェクのGünter Rainerさんは、両日とも同じ。お二人とも、お芝居のツボを押さえている重鎮。こういった方が脇を固めると舞台が締まります。

今回、最も注目されたのはペニチェクのGünter Rainerさん。何しろ、今までRobert Meyerさんの属人芸で3幕を引っ張ってきただけに、事実上「三幕の主役」が変わってお客さまの反応がどうか気になるところでした。

演出や振付は、基本的にオリジナルのままです。ただ、Günter Rainerさんは、ひげを蓄えた堂々たる「おじさま」なので、Robert Meyerさんとは雰囲気が異なります。

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ただ、そこは、テレビドラマなどにも出演しているベテランの俳優さんだけに良い味を出していました。この交代は、「メリーウィドウ」のニグシュよりは問題なさそうです。やはり存在感のある人を引っ張ってきただけのことはあります。

総合的に見るとGünter Rainerさんの方が、Robert Meyerさんよりも、癖がなくて良いかもしれません。

最終公演は、出演者のバランスもとれていて、ほぼFeriが期待した水準の仕上がりでした。これが、本当の「最終公演」にならなければ良いのですが…

しかし、このように数シーズンを通して観ることで、オペレッタ歌手の皆さまが成長する姿に接することができるのは、ファン冥利に尽きるものです。

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なお、最終公演というころもあり、指揮者が舞台へ上がってから行われる「タバリンへ行こう」のメロディに合わせて出演者が踊る場面が、賑やかでした。

指揮者のGerrit PrießntzさんがマリッツアのAstrid Kesslerさんと踊っていました。また、Thomas Sigwaldさんが、ノリノリで踊っていたのが印象的でしたね。ちなみに冒頭の写真が、その場面です。楽しい雰囲気が伝われば幸いです。

また、最終公演らしく、ここで客席からも盛大な手拍子が‥こういうお開きは良いものです。

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ところで、気になる「お客さまの入り」ですが、11日はほぼ満席、15日もオペレッタとしては、比較的入っていたような感じです。

確か、15日はsiniorenermだったので、ご年配の方が多かったようです。また、例によってバスでお越しのグループも見られました。

ちなみに、経営陣でもないのに「お客さまの入り」が気になるのは、オペレッタ公演で収益が上がらないと、演目から外されてしまう恐れがあるからです。

「楽しいオペレッタならば、お客さまが入り、収益が確保できる」という図式が成り立たつことが、オペレッタ存続の大前提なので‥

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Comments

Feri さん、こんにちは。

当方も1月に行って来ました。
Feri さんの行かれた15日とほぼ同じキャストでしたが、Zsupán の Boris Eder さん、Manja の Elvira Soukop さんが11日と同じ方でした。

Mariza の Astrid Kessler さんは、かなり良かったですね。Pfitzner さんでは聴いたことがないのですが、この演出には、やはり Kessler さんが合っているように思われます。
Zsupán の Eder さんも、Komm mit nach Varasdin で分身が大勢出て来る処を初め、この演出に欠かせない感じです。

Tassilo は15日と同じ Tilmann Unger さんでしたが、結論から言うと、ちょっと残念でした。
良い男で身長もあって目立ち、演技も良いのですが、歌が駄目です。表現は悪いですが、ちょっと品の無い感じでした。
また、せりふと歌の発声がかなり違っており、せりふから歌への切替えがスムーズではなく、その点でもオペレッタ向きではないようです。
Konzerthaus であったオペレッタ・ガラや、München の Cuvilliéstheater での Wiener Blut(Gärtnerplatztheater の公演)でも聴いてはいましたが、ほとんど印象に残っていません。

Lisa の Elisabeth Schwarz さんも初めてでしたが、Anita Götz さんに似ていて区別がつかないくらいで、なかなかでした。
また、Penižek は、目立ちすぎる Meyer 御大より Günter Rainer さんの方が好印象です。

2014年3月の初日以来、久し振りでしたが、やはり名曲ですね。

Posted by: Steppke | February 21, 2016 at 02:01 AM

Steppkeさま、コメント、ありがとうございます。

Tilmann Unger さんに関しては、出演を重ねたことで若干、良くなっていたかもしれませんが、私も今ひとつという評価でした。

今日以降のエントリーでお伝えしますが「会議は踊る」ではAnita GötzさんとBoris Ederさんの仕上がりが見事でした。


Posted by: Feri | February 21, 2016 at 07:38 AM

帰国便の都合でウィーンに留まっていたので予定通りこのMaritzaは2月15日に聴きました。転んだ場所の確認という言い訳で。ちょっと白基調の都会的というかハンガリーの大平原の農場というMaritzaの舞台のイメージがなかったですね。この点ブダペストはよかったです。ハンガリー語ですが。そして小さな女の子が出て来る劇中劇のような。最後 MaritzaとTasiloの和解の場面。もっとしっとりと大人の雰囲気が欲しかったです。なにかあっさりしすぎ。ガレリアだったのですが途中音が飛んで聞こえ マイク使っているのかと思ってしまいました。

Posted by: NAK | February 24, 2016 at 08:49 PM

NAKさま、コメント、ありがとうございます。

各地でオペレッタをご覧になっているようなので、Volksoperの前演出も、ご覧になっているかと思います。

どちらの演出の方がお好みでしょうか。私は、三幕以外は前演出の方が華やかな場面が多く、気に入っていました。

ただ、ハンガリー色(ご存じのようにブダペストオペレッタ劇場による演出)が強すぎたため、現在の演出に変わったという噂を耳にしたことがあります。

私も最近は疎遠になってしまいましたが、以前はブダペストにも良く足を運んでおりました。

独特の雰囲気があり、カールマンものは上手ですね。

これからも、時々、コメントを頂けると幸いです。

Posted by: Feri | February 25, 2016 at 06:47 PM

偶然このようなページがあることを知ることができたいへんうれしいです。転んだ13日は朝 ブラティスラバを出て シォフォクで知ったウィーン中央墓地のカールマンのお墓を訪ねウィーン市内に入りPeter教会のオルガンを聞きに行ったら平日だけだというのでDoblingerでチャールダッシュとマリッツアの楽譜を買って国立の確かトスカが高かったのでVolksに行く途中で転倒というわけでした。予定ではドイツ スイスで チャールダッシュ 白馬亭 ジャンニスキッキ ルサルカなどまだ10公演もあったのに返す返すも残念です。実は6年前にもMETの幕間中に中の階段で転倒し誰も寝てはならぬが終わるまで必死に我慢し終わったとたんやはり救急搬送されこの時は大手術で全治3か月。しかしオペラ特にオペレッタの魅力には勝てません。
 このページ時々訪問させていただきます。現地の生の情報の提供をよろしくお願いいたします。

Posted by: NAK | February 25, 2016 at 10:01 PM

NAKさま

詳細なお話、ありがとうございます。また、途中でのご帰国、本当に残念であったこと、お察しいたします。

これからもよろしくお願いいたします。

Posted by: Feri | February 26, 2016 at 05:45 PM

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