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February 05, 2016

ÖBBがドイツ内の夜行列車運行に参入か

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昨晩(2月4日)は、恒例のオペラ座舞踏会(Opernball)が盛大に行われました。例によって国立歌劇場周辺は交通規制が行われてバスなどの運行にも影響が出ました。

テレビの中継も始まったので、若干、加筆。今年は第60回ということで、例年以上に注目されているようです。例によって、有名人の同伴者やファッションに注目が集まっています。

また、何か面白いエピソードがあれば、後日、ご紹介します。

さて、今日は「ÖBBの夜行列車にまつわる話題」をお届けしましょう。

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日本では、3月に北海道新幹線が新函館北斗駅まで開業するのに合わせて、夜行寝台列車「カシオペア」や夜行急行「はまなす」が廃止になることが話題になっていると思います。

「カシオペア」は実質、観光列車ですが、「はまなす」に数少ない実用的な列車として、鉄道ファンや旅行ファンからも親しまれていたと思います。

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実は、ご存じの方も多いと思いますが、2016年12月のダイヤ改正で、DB(ドイツ鉄道)の子会社が運行する夜行列車シティナイトラインが廃止されることになりました。

2016年1月の時点で、シティナイトラインは、ルートマップのように、、5路線10区間で運行されていますが、総て廃止となります。

廃止の理由は、他の交通期間との競争が激化して、採算が合わなくなってきているためだそうです。

実際、ヨーロッパではLCCの拡大、低価格を売り物にした夜行バスの普及といった移動手段の多様化により、シティナイトラインを利用するお客さまが減っているようです。いずこも同じ‥という感じがしますね。

寝台車を主体としたシティナイトラインは、専用の客車を使うため、昼間は車両基地で待機せざるを得ず(遊ばせておく)、運用効率が悪い点も鉄道会社としてはネックになっているのでしょう。

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ただ、ヨーロッパの場合、列車の速度と運行距離の関係から、日本よりも夜行列車の利便性が高いのも事実です。

日本では、実用的な夜行列車は「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」くらいですが、こちらでは航空機の最終便前後(22時頃)に出発して、翌日9時前に目的地に到着するというダイヤが組まれています。

そのため、週末に自宅に戻るような単身赴任のビジネスパーソンには、自宅の滞在時間を長く設定するため、人気があるそうです。また、観光客の方も日中を効率的に使うことができるので、便利なのも事実です。

もう一つのポイントは、中規模な都市が分散しており、都市間移動のニーズが高いことも関係していると思います。

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なお、DBでは、シティナイトライン廃止後、ICEを使用した夜行列車の運転を検討していると言われていますが、如何せん、ICEは昼行特急用車両ですから、夜行列車に使った場合、快適性は大幅に下がります。

正直、夜行バスと変わらないので、値段の面で不利になることは明白です。ちょうどJRが運行している「ムーンライト」みたいな感じですね。

ところが、そんな中、興味深いニュースが入ってきました。これは「ÖBBがシティナイトラインの廃止を受けて、夜行列車市場への参入を計画している」というものです。

にわかに信じられない話ですが、現在、ヨーロッパの鉄道は、その多くが上下分割方式で民営化されています。そのため、運行会社が他国で自由に列車を運行することが可能になっています(いわゆるオープンアクセス)。

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オーストリアでも西鉄道を走っているWestBahnの例がありますが、あのような形での運行が可能なのです。

ドイツでも、地方路線に関しては、運行を別会社が行っているところも多く、やる気になれば夜行列車の運行も可能です。

ÖBBでは、現在、新型寝台車を20両発注しており、2017年頃には旧型車両との置き換えが計画されています。

また、日本の開放式B寝台車に相当する簡易寝台車Liegewagen(リーゲンヴァーゲン、4~6人用の共同部屋)に関しても、ベッドごとにパーテーションを設けるなど、よりプライベートを重視した新しいデザインが検討されているそうです。

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ただ、2016年2月の時点では、具体的な計画は明らかになっていないので、実現するかどうかは、はっきりしません。

現在、ÖBBは夜行列車(Nachtreisezug)を「EuroNight」(略称EN)という名称で運行されています。

ドイツ方面は、Wien-Hamburg Altona間(EN490、EN491)と、Wien-Köln-Düsseldorf間(EN420、EN421)の2列車です。

料金はSchlafwagenのSingleが139Euro~、DoubleEuro~、Liegewagenが4-Bett仕様が69Euro~などとなっています。

ちなみに、EN490は、Wien Hbf20時39分発、Hamburg Dammtor7時57分着。EN491は、Hamburg Dammtor20時45分発、Wien Hbf8時16分着となっており、非常に効率的な移動ができるダイヤです。

このほか、イタリア方面には、以下の4列車が運行されています。
-Wien-Florenz – Rom間(EN235、EN234)
-Wien-Livorno間(N1237、EN1234)
-Wien-Milano Centrale間(EN60235、EN481)
-Wien-Venedig間(EN237、EN236)

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スイス方面には、以下の2列車が運行されています。
-Wien -Zürich間(EN466、EN467)
-Graz-Zürich(EN464、EN465)

オーストリア国内では、以下の2列車が運行されています。
-Wien - Linz - Bludenz - Feldkirch - Dornbirn – Bregenz間(EN246、EN247)
-Graz - Bruck/M. - Leoben - Bludenz – Feldkirch間(EN464、EN465)


さらにÖBBの運行ではありませんが、オーストリアでは以下のような夜行列車も利用できます。

○ポーランド方面:Wien-Warszawa間(PKP運行、EN406、EN407)、Wien-Krakow間(PKP運行、EN50406、EN402)

○ドイツ方面:Budapest-Wien-Berlin間(MAV運行、EN60406、EN60477)、Budapest-Wien-München間(MAV運行、EN462、EN463)

○ロシア方面:Wien-Moskva間(D100、D21/101、RZD運行)

○ルーマニア方面:Wien-Bukarest間(CFR運行、EN347、EN346)

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Feriも、20台の頃は、ドイツ-スイス-オーストリア間の夜行列車をよく利用していました。当時、日中の写真撮影がメインだったため、撮影効率を考えると夜間の移動は非常に魅力的でした。

また、ユーレールパスを利用していたので、比較的空いている1等車を利用できて、滞在費を削減できる点も魅力でした。そのため、夜行列車二泊連続というケースもありました。

友人と2人のことが多かったので、Schlafwagenを利用したこともありましたが、普通の客車でも個室の場合、空いていれば横になれるので、楽でしたね。

ちなみに、当時、Schlafwagenの運用は西側の各国鉄では国際寝台車会社ISG (Internationale Schlafwagen-Gesellschaft、日本ではワゴン・リという名前の方が有名です)に委託しており、国鉄職員とは別の客室乗務員がサービスにあたっていました。朝食もセットになっていたことも懐かしい思い出です。

なお、ISGも国鉄民営化の影響から、2007年頃に定期列車の運行サービスからは撤退しています。

ところで、ÖBBがドイツ内の夜行列車運行を検討中というニュースに接して、思い出したのは、先ほどもご紹介したようにヨーロッパでは国鉄の民営化が上下分割方式で行われたということです。

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上下分割方式になっているため、オープンアクセスが可能で、今まで鉄道に参入していなかった会社も含めて、多様なサービスを提供できる素地がある訳です。

それに対して、日本の場合、貨物鉄道を除いて地域毎に分割民営化されたため、整備新幹線の開業に伴い、在来線が細切れになり、様々な問題が露見しました。

北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの例も、もし上下分割方式であったら、違った運行方式が誕生したかもしれません。

もっとも、なぜ、日本では地域毎の分割民営化になったのかという「大人の事情」は、当時、鉄道関係者に知り合いがいたFeriは知っていますので、やむを得なかったとは思いますが、返す返すも残念です。

ドイツ内でÖBBによる夜行列車の運転が実現すると、従来になかった新しいサービスが実現する訳で、今後の動きに注目したいと思います。


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Comments

うーん、ついにCNL廃止ですか。2014年にコペンハーゲン系統とパリ系統が廃止となった時も驚きましたが、(パリ系統廃止の日の時は偶然にもツアー旅行でパリに居たのですが、まさか廃止になるとは思っていませんでした。廃止になるのなら、最終列車でも見にパリ東駅に行けば良かったです。廃止のニュースを見たのは帰国してからでした。)とうとう全系統廃止とは・・・仮に国内だったら、ICE置き換えで何とかなかもしれない反面、電圧が異なる別の国への場合はどうなるのでしょうか?

その一方で今回のオーストリアÖBBの夜行列車参入の件も驚かされますが、従来の系統を引き継ぐのか、はたまた新系統を作るのか、等々気になる点も多々あります。全く夜行列車の需要が無いとは言えないだけに、果たしてどうなるのでしょうか?

Posted by: おざきとしふみ | February 05, 2016 15:32

おざきとしふみ様

現時点での報道ではÖBBはシティナイトラインの一部を運行する計画のようです。

最も可能性が高いのはオーストリア内を走っている列車だろうと思います。完全にドイツ内の列車については、さすがに総てを継承するだけの体力はなさそうな気がします。

ICEの夜行版ですが、ドイツ国内およびスイス系統に限定されそうな気がします。

Posted by: Feri | February 05, 2016 19:33

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