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February 22, 2016

フォルクスオーパー「Der Kongress Tanzt」(会議は踊る)プルミエレポート(中)

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2月20日の深夜から21日の午前中にかけて、ウィーンはちょっと荒れ模様でした。雨が降ったほか、強い風が吹き荒れました。冷たい風ではないので、日本で言うところの「春一番」といったところでしょうか。

今日は、昨日に引き続き、「Der Kongress Tanzt」(会議は踊る)プルミエレポートをお届けしましょう。ただし、完全ネタバレですので、ご容赦ください。少しでも皆さまに興味をもっていただき、フォルクスオーパーに足を運んでいただきたい‥という「私設応援団」の想いです。

お話はほぼ映画に近い展開になっているようです。それでは、「あらすじ」に沿って、内容をご紹介しましょう。

○第一幕
通常のオペレッタではないので、序曲や前奏曲はありません。そこで、作品で使われる楽曲のメドレーがスタートします。その際、オーケストラピットがジャッキアップされるという演出です。緞帳には「Der Kongress tanzt」のLPレコードが描かれています。そして、前奏曲が演奏されると、しっかり回り出します(Feriの想定内でしたが‥)。

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最初の場は、娯楽委員会の部屋です。

ウィーン会議のかたわら、宰相メッテルニヒは娯楽委員会を招集します。メンバーは市長、財務大臣、熟年侯爵夫人、センセーションの大好きな伯爵夫人です。

いつもワインを手放さない市長は、開催地になったウィーンの重要な役割を喜ぶのですが、財務大臣は膨大な会議の費用を嘆いています。

侯爵夫人は行進曲や礼砲に神経をすり減らす日々。一方の伯爵夫人は、ヨーロッパ中の王侯貴族に関するうわさ話に夢中です。

ちなみに、この市長、現市長のホイブルさんを年層させる風貌です。

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ここで、さっそくメッテルニヒの居室に場面転換。

宰相メッテルニヒはベッドで朝食をとりながら、会議室や召使の部屋の会話を盗聴しています。

秘書のペピが会議に参加している各国代表の郵便物を持ってくるのですが、メッテルニヒは透視装置を使って、開封せず内容をチェック。策略家らしい一面が強調されています。ちなみに左が、透視装置を使って手紙を盗み読んでいるメッテルニヒ。

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その1通からメッテルニヒは、ザクセン・ヴュルテンブルク国王が、手袋屋の愛らしい娘クリステルから花束を贈られたことを知ります。

ちなみにザクセン国王は既に、こうした宣伝用のプレゼントを受け取った6人目の代表なのです。

ここで、メッテルニヒは、クリステルの手紙を使ってロシア皇帝アレクサンドルを懐柔しょうと考えるのでした。

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場面は、クリステルが務める手袋屋に転換します。

クリステルが同僚と仕事をしていると、さっそく手紙に誘われたザクセン国王が来店。店員やクリステルにちょっかいを出します。

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タイミング良くペピがやってきて、ザクセン国王を会議の場へ追い返します。ペピはクリステルに心を寄せていますが、彼女はペピに全く関心がありません。

彼女は仕事熱心なので、ロシア皇帝アレクサンドルI世がウィーンに到着した礼砲を聞いて、宣伝を兼ねた花束を皇帝の馬車に投げ込むため、店を後にします。

残ったペピはクリステルの行動が心配でたまりません。ここでペピが自分の気持ちを歌うところが聴きどころでしょうか。

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ウィーンに到着したロシア皇帝の居室に場面転換します。

屈強なボディーガードが2人ついています。ロシア皇帝アレクサンドルと副官ビビコフが話をしている時、ペピがメッテルニヒの代理としてやってきます。

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その際、クリステルが馬車に投げ込み損ねた花束を持参するのですが、警戒心の強いロシア側は、花束に爆弾を隠してあると疑いた大騒動に‥

ペピはボディーガードに拘束されて、部屋の外に連れ出されてしまいます。しかし、その花束の中にクリステルからの手紙を見つけるアレクサンドル。ウィーン娘に興味津々です。

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アレクサンドルは、副官ビビコフに舞踏会は替え玉のウラルスキーに出席するように指示を出し、自分はペピの手袋屋に行くのでした。

副官ビビコフは、替え玉ウラルスキーを呼んで、指示を出しますが、胃が痛むようなプレッシャーを受けているようです(実際、胃薬を飲んでいます。我が儘な上司に仕える中間管理職の悲哀はいずこも同じ‥)。

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ちなみに、ここで出てくるウラルスキーは、「牛乳瓶の底」のようなメガネをかけている冴えない男性。バラライカを演奏するようですが、余り上手ではありません。

もちろん、Boris Ederさんが演じています。見事な変身ぶりです。

再び、クリステルが務める手袋店へ。

クリステルは、ロシア皇帝暗殺の容疑で官憲に拘束され、暗殺者として裸の尻に25回鞭打ちの刑を宣告されてしまいます。この官憲ですが、何やら秘密警察を思わせる風貌。

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執行官が鞭を打ち下ろす処刑直前、私服に着替えたアレクサンドルがやってきて、執行官を賄賂で買収し、クリステルを赦免します。いずこの役人も賄賂には弱いものです。

クリステルは、自分を助けてくれたアレクサンドルに好意を抱き、ここで二人が良い雰囲気で踊り出します。二人の間に恋が芽生えた瞬間という訳です。

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場面はホーフブルクの舞踏会へ転換します。

各国の代表が楽しそうに踊っています。衣装が代表国をイメージしているのがご愛敬。

各国代表が、歌いながら踊る場面が見どころです。ソリストの皆さんが、今回はグループで活躍します。

そこへ、自分の替え玉皇帝のウラルスキーが副官ビビコフと一緒にやってきます(Boris Ederさんの一人二役)。

ただ、替え玉なので、最初は本物の代表の中に入っても、おどおどしており、副官ビビコフが替え玉であることがバレないように必死でサポートします。

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一方、メッテルニヒは、ロシア皇帝に政治を忘れさせるため、親しい伯爵夫人を替え皇帝もとへ送り込むのでした(映画では、ここが歌劇場の場面です)。

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伯爵夫人の色仕掛けにメロメロになる替え玉皇帝ウラルスキー(しかし、ウラルスキーとはすごい名前ですね)。何とか副官ビビコフのアドバイスで、ウラルスキーは、この危機を乗り越えます。

場面はクリステルとアレクサンドルがデートをするホイリゲに移ります。

イスとテーブル、そしてワインや食事といった小道具だけですが、何となくFeriが気に入っているホイリゲの雰囲気を再現しています。さすがウィーン。

一般的な「あらすじ」や「解説」では、居酒屋と意訳されていますが、ここはホイリゲという表現以外考えられません。プログラムの「日本語版あらすじ」でも、ちゃんとホイリゲと表現されており、一安心。

同じ頃、郊外のホイリゲでは本物のロシア皇帝アレクサンドルとクリステルが、お忍びでデート中。ホイリゲ歌手が有名な「新しい酒の歌」を歌っています。

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ホイリゲ歌手ですが、わざとやっているのか、実力なのかわかりませんが、「場末のホイリゲで時々見かける素人歌手」のような下手な歌い方でした。後半、ヨーデルが出るのですが、これが何とも‥

しかし、「新しい酒の歌」は、「ただ一度」と並ぶ本作品の主題歌ですから、もうちょっとちゃんと聴かせて欲しかったですね。

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歌手が歌い終わってチップを求めて席を回るのですが、その際、アレクサンドルはロシア金貨を次々とチップとして手渡します。

クリステルは、ロシア金貨にアレクサンドロの顔が刻印されていたことから、デートの相手アレクサンドルが、ロシア皇帝であると悟るのでした。アレクサンドルとクリステルのデュエットが聴きどころです。

ここまでが一幕ですが、通常の「場の転換」と同じく、回り舞台で第二幕へ入ります。

○第二幕
メッテルニヒの私室から始まります。

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翌日、メッテルニヒとペピは、ロシアの宮廷銀行家に宛てた手紙から、手袋屋のクリスティーネ・アントニア・ワインツィンガーに、今後毎月1000グルデンが支給されることを知ります。

メッテルニヒは、ロシア皇帝が色仕掛けにかかった証拠を得て大喜び。しかし、秘書ペピは、伯爵夫人の方が身分の点からもロシア皇帝に相応しいと進言します。

皆さま、おわかりのようにペピはクリステルに思いを寄せているため、アレクサンドルにクリステルを差し出すことに乗り気ではないのです。

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しかし、メッテルニヒはペピの進言に納得。さっそく、ペピが伯爵夫人を呼びに行こうとすると、当の伯爵夫人は、メッテルニヒのベッドの中から現れて、ペピはびっくり仰天。

場面はクリステルの手袋店へ。

クリステルは、店の従業員に、ロシア皇帝とのデートの様子を話します。始めは誰も信用しませんが、ロシア皇帝の副官ビビコフが現れ、“ロシア皇帝アレクサンドルⅠ世が、貴方をお呼びなので、お迎えに来ました”と告げるので、同僚達も納得します。

ここで、かの有名なクリステルのアリア「この世に生まれてただ一度、二度とかえらぬ(美しい思い出、Das gibt's nur einmal, Das kommt nicht wieder)」を歌います。前半の聴きどころですね。

映画では、この場面が誰でも認めるハイライトシーン。

クリステルは大喜びで、店前から馬車に乗り、歌いながらウィーンの街をアレクサンドルの元へ向かいます。その際、街の人達が手を振り、花を馬車に投げ込みクリステルを祝福します(当時、珍しい移動撮影を行っています)。

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Feri、個人としては、ここだけは合唱団を動員して映画版の華やかなパレードを再現して欲しかったのですが、今回は手袋屋の同僚に祝福されるだけという、ちょっと寂しい展開。

一応、バレエ団が馬車で移動する仕草を見せますが、如何せん、派手さが‥ 店を出た後、続きがあるのかと期待させますが、クリステルが店を後にしたところでおしまい‥

クリステルのAnita Götzさんがスプレットの実力を発揮して、バレエ団と踊る場面は入っていますが、圧倒的に人数が少ないため、華やかさが弱く、Feriとしては、不満が残るシーンです。やはり映画と同じく「山場の一つ」にして欲しかったですね。

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ここで、場面は娯楽委員会の部屋に。
市長、財務大臣、熟年侯爵夫人、伯爵夫人などが、ロシア皇帝のラブロマンスの噂話に興じています。

ここで、ロシア皇帝のラブロマンスに触発された熟年侯爵夫人が、財務大臣や市長にアタックを開始。熟年侯爵夫人のアタックにタジタジになる財務大臣や市長。

場面は、ホーフブルクのアレクサンドルの居室に変わります。

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副官ビビコフはクリステルを、アレクサンドルが使用している部屋にクリステルを案内します。そこへ、ペピがやってきて、“君は皇帝の相手にはふさわしくない”と説得しますが、クリステルは相手にしません。逆にペピの話が気に入らないクリステルは、一旦、部屋を出てしまいます。

入れ替わりにアレクサンドルがやってきます。ペピは伯爵夫人からのラブレターを手渡し、今日の夕刻に役借夫人が待っていることを伝えます。実は、この逢い引きの時間は会議に合わせてあるのです。

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アレクサンドルは、これが会議への出席を妨害するメッテルニヒの策略であることに気づき、副官ビビコフに、自分は伯爵夫人との逢い引きはすっぽかし、会議に出席するので、クリステルの相手はウラルスキーにやらせるように指示を出します。

またまた頭の痛いビビコフ。さっそくウラルスキーを呼んで、クリステルに替え玉であることがバレないように、細かい指示を出します。

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何しろ、相手はアレクサンドルを愛しているクリステルですから大変です。ビビコフの指示とは、ロマンチックな雰囲気は演出するが、まともに話をするな‥というものです。話をすると、替え玉なのがわかってしまう‥という訳です。

そこへ、クリステルが戻りますが、ウラルスキー扮する替え玉皇帝と珍妙なやり取りが行われます。

場面は、会議場に変わります。

各国の代表が会議をしていますが、なかなか話がまとまりません。そこへメッテルニヒがさっそうと登場。

メッテルニヒは、ロシア皇帝がクリステルと伯爵夫人の間を掛け持ちしているものと確信しており、ロシア皇帝を除いて重要な決定する魂胆。

この時、背景には領土分割案の地図が何枚か表示されるようになっており、会議の内容がビジュアルでわかるように工夫されています。

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面白いのは、メッテルニヒがプレゼンテーションをはじめると、各国の代表が寝てしまうところ‥ そして、メッテルニヒは、各国代表が、もうろうとしている状態で、決を採ります。

メッテルニヒ主導で話がまとまりかけた時、この日のデートを替え玉ウラルスキーに任せ、伯爵夫人との逢い引きをすっぽかしたアレクサンドルが、会議場に現れ、各国代表に働きかけます。

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ここはアレクサンドルの歌と踊り、各国代表の合唱が見どころです。突然のアレクサンドル登場で、メッテルニヒの陰謀が打ち砕かれてしまいます。自分の思うように会議が進まず、固まるメッテルニヒ。

ちなみに冒頭の写真は、二幕のフィナーレです。

ここで、休憩となります。ちなみに、一幕と二幕で1時間30分でした。三幕と出演者の仕上がりは、明日、お伝えしましょう。


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