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March 08, 2016

2015/16シーズン フォルクスオーパー「Eine Nacht in Venedig(ヴェネチアの一夜)」

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今日は、あまり人気がない(のは困るのですが‥)オペレッタの話題です。

ところで、3月になって日経新聞にフォルクスオーパーの特集が組まれたようですね。友人が教えてくれました。

なお、来日公演の場合、満席になっても、空席が出ても、フォルクスオーパー側は困りませんから、ご安心を。

さて、今日は「フォルクスオーパーのオペレッタ レパートリー公演 ヴェネチアの一夜」(Eine Nacht in Venegig)の様子をお伝えしましょう。

2013/14シーズンにプルミエが行われた「ヴェネチアの一夜」。今シーズンが3シーズン目です。

これは明確に決まっている訳でもなく、かつ正式な情報を得ている訳ではありませんが、Feriの経験則では、「フォルクスオーパーの場合、オペレッタの新作は最高3シーズンまでが多い」という原則があります。

ということは、今までのパターンだと、来シーズン「Eine Nacht in Venegig」は外される可能性が高いと思われます。もちろん、外れて欲しくないのは山々ですが‥

という訳で、「上演しなくなる前に観る」という大原則を踏まえて、観に行ってきました。

ちなみに、2013/14シーズンからの通算上演回数は20回ほど。この上演回数も一つの目安です。

ところで、「ヴェネチアの一夜」と言えば、昨年のメルビッシュが印象的でした。珍妙な現代演出で落胆したことを考えると、正統派に近いフォルクスオーパーのプロダクションは安心して観ることができます。

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指揮は、来日も予定されている、おなじみのAlfred Eschwéさん。主なキャストは、以下の通りです。

-ウルビノ公爵(Guido, Herzog von Urbino):Vincent Schirrmacherさん

-ヴェネチア元老院議員デラクア(Bartolomeo Delacqua, Senator von Venedig):Wolfgang Hübschさん

-ヴェネチア元老院議員バルバルッチョ(Stefano Barbaruccio, Senator von Venedig):Gernot Krannerさん

-ヴェネチア元老院議員ジョルジオ・テスタッチョ(Giorgio Testaccio, Senator von Venedig):Franz Suhradaさん

-バルバラ(Barbara, Delacquas Frau):Juliette Khalilさん

-バルバルッチョの妻アグリコラ(Agricola, Barbaruccios Frau):Sulie Girardiさん

-テツタッチョの妻コンスタンシア(Constantia, Testaccios Frau): Susanne Litschauerさん

-アンニーナ(Annina, Fischerstochter):Beate Ritterさん

-理髪師カラメッロ(Caramello, des Herzogs Leibbarbier):Jörg Schneiderさん

-パスタ料理人パパコーダ(Pappacoda, Makkaronikoch):Christian Drescherさん

-チボレッタ(Ciboletta, Köchin bei Delacqua):Elisabeth Schwarzさん

-エンリコ・ピセッリ(Enrico Piselli, Delacquas Neffe):Martin Fischerauerさん

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Feriは、前回2014年9月に観たのですが、当時、ブログでもご紹介したとおり、最悪の出来でした。

2014年9月と出演者を比べると、カラメッロがGarrie Davislimさんからプルミエ組のJörg Schneiderさんに、ウルビノ侯爵がThomas PaulさんからVincent Schirrmacherさんに、それぞれ戻ったので、一安心。

このほか、アンニーナがMara MastalirさんからBeate Ritterさんに、バルバラがManuela LeonhartsbergerさんからJuliette Khalilさん、チボレッタがClaudia GoeblさんからElisabeth Schwarzさんに、パパコーダがRoman MartinさんからMichael Havlicekさんに交代しています。

なお、2月から3月にかけて、オペレッタ作品が続くため、キャスティングに苦労している様子がわかります。

演出は2013/14シーズンと同じなので、なかなか楽しめるプロダクションです。舞台や衣装もきれいなのが良いですね。

ところで、映画版が下敷きになっている「Der Kongress tanzt」と比べると、楽曲の構成、メロディの美しさ、台詞と楽曲の組み合わせなど、どれをとっても異次元に見えてしまいました(当たり前ですが‥)。

改めてヨハン・シュトラウスⅡ世が偉大な作曲家、オペレッタ作家であることを痛感した一夜した。

ファーストシーズンでは、ウルビノ公爵が「青いサングラス」をかけていましたが、2014/15シーズンからサングラスはなし。

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今シーズンも、このスタイルです。Feri、個人としては「青いサングラス」をかけた方が、怪人ぶりが強調されていて気にいっていたのですが‥ ちなみにプログラムの写真はファーストシーズンのものなので、サングラスをかけています。今では貴重な姿。

実は、今シーズン、最初の舞台は良くなかったという噂を耳にしたので、心配していたのですが、Feriが観た日は、全く問題ありませんでした。

Jörg Schneiderさんが、例によって良い味を出していましたね。カラメッロは、オペレッタでは珍しくアリアを歌う場面があるので、歌唱力も要求されます。同時に演技力も必要。

それだけにJörg Schneiderさんにはピッタリの役だと思います。「こうもり」のアイゼンシュタインも良かったですが、役のはまり方‥という意味では、こちらでしょうか。

正直、彼なくしては、このプロダクションの魅力が半減してしまうと思います。

また、ウルビノ公爵のVincent Schirrmacherさんは例によって、大きな声が売り。ただ、出演回数が多いためか、役のポイントを掴んでおり、女性に目がない公爵を見事に演じきっていました。歌、お芝居共に申し分ありません。

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パパコーダのMichael Havlicekさんも、プルミエ組なので、安心して観ることができました。ユーモラスな演技が印象的です。

バルバラのJuliette Khalilさんは、先日、「こうもり」でイーダを演じたほか、「白馬亭にて」でクレールヒェンに起用されたスプレット。出番は少ないが、良い仕上がりでした。今後、期待される女性オペレッタ歌手の一人でしょう。

チボレッタのElisabeth Schwarzさんは、先日の「伯爵令嬢マリッア」でリーサを演じていたスプレット。こういった役にはピッタリです。

カラメッロのJörg Schneiderさんやウルビノ侯爵のVincent Schirrmacherさんとの息もピッタリ合っていました。Juliette Khalilさんと背格好が似ているので、入れ替わった時も違和感がありません。このキャスティングは良かったですね。

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アンニーナのBeate Ritterさんは、「こうもり」のアデーレや「チャールダーシュの女王」のスタージなどに出演しているスプレット。二幕のコミカルな演技が見事でした。もちろん、歌も申し分ありません。

今回、ソプラノ陣は、全員、スプレットとしての素養を持つオペレッタ歌手だったので、舞台の仕上がりが抜群に良かったですね。

2014/15シーズンに気になった連続上演による「ダレ」はなく、メリハリのきいた舞台に仕上がっていました。

もちろん、三人の元老院デラクアのWolfgang Hübschさん、バルバルッチョのGernot Krannerさん、テスタッチョのFranz Suhradaさんの怪演も見事でした。

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しかし、本作品では、熟年おばさまの怪演が舞台全体を楽しくしてくれます。アグリコラのSulie Girardiさん、コンスタンシアのSusanne Litschauerさんなどの演技が充実しているので、主役が際立つ展開になっています。

実は、Feriはウルビノ公爵、バルバラ、アンニーナ、カラメッロ、パパコーダ、チボレッタが交代している公演も見に行っています(好き者ですねぇ)。

ウルビノ公爵のMehrzad Montazeriさんは、良い味を出しており、歌も含めるとVincent Schirrmacherさんよりも良いかもしれません。実際、カーテンコールでは花束が投げ込まれていました。

カラメッロのAlexander Pinderakさんは、残念ながら声が十分出ておらず、案の定、期待外れ。何しろ、前回がJörg Schneiderさんだったので、その落差が‥

パパコーダのRoman Martinさんは、まずまずの仕上がりで、Christian Drescherさんと比べても、遜色ありませんでした。

バルバラのManuela Leonhartsbergerさんは、2014/15シーズンでも同じ役に起用されています。歌も良く、お芝居もツボを押さえていた感じがしました。なお、前回出演したJuliette Khalilさんと、雰囲気が似ています。

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アンニーナのMara Mastalirさんは「メリーウィドウ」のヴェランシェンヌ、「チャールダーシュの女王」のスタージ、「伯爵令嬢マリッア」のリーザ、「白馬亭にて」のオッティリエなどに出演しているオペレッタ歌手。こちらは、なかなか素晴らしい歌と演技でした。Beate Ritterさんとは、甲乙付けがたい感じですね。

チボレッタのClaudia Goeblさんも2014/15シーズンに続いての登場。チボレッタ以外にも「ヘンゼルとグレーテル」の「霧の精」や「眠りの精」、オペラ「密猟者」のアリスに起用されています。

こちらも良い仕上がりでしたが、個人的には、前回のElisabeth Schwarzさんの方が、良かったような気がします。

という訳で、今シーズンは、カラメッロにJörg Schneiderさんが出演する公演が一押しです

多少、ゴチャゴチャした演出ですが、フォルクスオーパーはヨハン・シュトラウスものの演奏が良いので、レパートリーとして来シーズンも残ることを期待したい作品です。今シーズンの公演は、3月28日までとなっています。


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