« アパートの上を旅客機が飛行中 | Main | U5・U2建設に伴う地質調査が始まりました »

March 30, 2016

サービスの生産性‥雑感

Img_2016_02_0487

今日は「オーストリアと日本の違い」についての私見です。

よく、日経新聞などを読むと「日本のサービス業は生産性が低い」という記事を見かけます。

製造業などと比べると、サービス産業の生産性は必ずしも高くはなく、小売業、飲食業、宿泊業などの業種では、アメリカの水準の5割から6割程度にとどまっているというデーターもあるようです。

ただ、こちらで日常生活をしていると、正直、「日本人だったらイライラする」という場面に、よく出くわします。

例えば、スーパーマーケット。Feriがよく利用するアパート近くのスーパーマーケットは、中型店舗です。通常、レジに入っているチェッカーさんは1名です。

Img_2016_02_0495

混雑が激しくなってくると、コールが入って1名加わりますが、それ以上、チェッカーさんが入るのは例外中の例外(実際、要員がいないみたいです)。

ちなみにPOS対応のレジスターは一般的なものが2基、商品点数が少ないお客さま向けのものが3基ありますが、稼働する時間帯は限られているようです。

従業員さんの配置を見ていると、ベーカリーと総菜、精肉は一つのコーナーに集約されているため、通常2名体制で回しているようです。その他、品出し要員が2名~3名程度いるようです。

Img_2015_02_0545

つまり、日中は5名程度で店を回していることになります。そのため、会計には時間がかかるのが普通で、必ず行列ができます。

しかも、日本のスーパーマーケットのように商品をPOSレジでスキャンしてから、バスケットに入れ替えるのではなく、お客さまがベルトコンベアーに流した商品をスキャンして、移動させるだけですから、手間も掛かりません。

商品のスキャンが終わって会計が済んでも、お客さまが自分のバッグなどに入れ終わるまで、商品が置き場に残ったままなので、次の会計に移りにくい‥

それも問題ですが、実際には、会計が終わったお客さまが自分のバッグなどに商品を入れている途中から、次のお客さまへの対応が始まります。 

当たり前ですが、日本のようにご年配のお客さまに対して、従業員さんが商品の入ったバスケットをテーブルまで運んでくれるということは皆無です。

Img_2014_08_5436

レジ袋は使わないのが基本なので、確認作業も不要。何しろ袋が必要な人は、自分で商品と一緒にレジに出す訳ですから、合理的です。

もちろん、スマイルで対応する店員さんは、ごく少数(さすがに皆無とは言えませんが‥)。日本人から見ると、いかにも面倒くさそうに仕事をしています。

さらに日本の中型スーパーマーケットでは当たり前になっている警備員もいません。

その分、こちらのスーパーマーケットは、必ず店内が一方通行になっており、商品を購入しないお客さまが入りにくい仕掛けになっています。この方式は、窃盗防止に一定の効果はあるのでしょう。

Img_2014_03_1024

最も最近では、それだけでは盗難防止が難しいようで、高額な商品にはICタグを付けて、無断で持ち出すとアラームが鳴る仕組みが導入されています。

3枚目の写真では、レジと通路の間にセンサーが設置されているのが見えると思います。

極めつけは、買い物用のカートをお客さまが自分で片づけるざるをえない仕組み。なにしろ硬貨をデポジットしないとカートが使えない訳ですから、カートを、どこかに放置する、店外に持ち出すケースは非常に少ないようです(これも皆無ではありません)。

郊外のスーパーマーケットなどでは、自家用車の商品を積むため、駐車場までカートを持っていきますが、その後は、カートのプールに返却しています。

デポジット方式を採用しているため、カートを整理する要員も不要です。

Img_2014_08_5589

そう考えると、結構、お客さまにお店の業務を手伝ってもらっているような感じがしますね。これならば生産性は上がります。

また、日本のコンビニエンスストアは、通常、2名体制で運営しているところが多いそうですが、それでも商品をちゃんとレジ袋にていねいに入れてくれます。

重いものは下、冷たいものと温かいものは袋を分ける‥レジ袋使用の有無を確認する、釣り銭は必ず両手で渡すなどなど、短時間での接客ですが、非常に気を遣っていることがわかります。

洗濯屋さんなどでもサービスの差が顕著な気がします。日本では、洗濯を行う前に衣類が傷んでいる場合、予めお客さまに確認をとる、割れやすいボタンなどはアルミホイルで包む、ポケットの中に忘れ物がないかを確認するといったサービスを行っているところが多いようです。

Img_2005_05_0544

日本では当たり前のサービスですが、こちらは、そんな配慮は皆無。壊れやすいボタンは自分で取り外して持ってくるのが「常識」。

その結果、洗濯に出して、衣類が傷んでしまって、トラブルになったというケースをよく耳にします。

どちらが良いのかは、風土に関連していることなので、何とも言えませんが、日本では数字に表れない「きめ細かいサービス」が要求されていることは間違いないでしょう。しかも、低価格で‥

しかも、商品に付加価値をつけると言っても、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの場合、限界がありますからね‥

日本の場合、いつ頃からはわかりませんが、「安くてきめ細かいサービスが当たり前」という風土になってしまったため、今後も生産性を上げるのは至難の業かもしれません。

Img_2016_02_1597

そう言えばFeriが大好きなホイリゲも、基本的には従業員さんはワインだけサーブと飲み物の会計だけして、食べるものはお客さまが自分でビュフェに買いに行くところが多いので、意外と少人数で回せます。

ちなみにFeriが贔屓にしているホイリゲは3名体制で、ご主人がビュフェを担当。食べるものは、その場で会計ですから、簡単です。

お料理に関しても、事前に仕込んであるものを切り分ける程度のパターンが多いので、厨房要員は原則不要です(実際にはバックヤードで調理しているスタッフが存在するところもありますが‥)。

ご存じのように、こちらでは飲食店のようなところでは、サービスにはチップはつきもの。つまり、良い対応をしてもらった場合、それなりの代価が発生するという文化が根付いていますから‥

それに対して、日本ではチップという習慣もなければ、スマイルは0円に代表されるように「サービスする=無料」という考え方が定着していることも、サービス業の生産性に関係しているような気もします。

ただ、いずれにしても国民性や風土に密着しているテーマなので、データーだけで判断できない問題であることは間違いないでしょう。

なお、今回の写真は、記事の内容と一切関係はありませんので、ご了承ください。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります delicious

Br_decobanner_201105_b_3

日記・コラム・つぶやき |

« アパートの上を旅客機が飛行中 | Main | U5・U2建設に伴う地質調査が始まりました »

Comments

Feriさん

たしかに面倒くさそうにされてます笑。

日本には細かいクレーマーがいますが、こちらはクレーマーは存在しないのでしょうか。

一長一短ですね。

クリーニングは、日本が最高ですね!

Posted by: カナ | March 30, 2016 at 07:50 AM

カナ様、こんにちは。

欧米と日本では勤労観の違いが根底にあると言われていますね。

とくにキリスト教徒の場合、「原罪の代償として働くようになった」(Labor)という考え方もあるようです。

それに対して、日本では働くことは、社会のお役に立つことという考え方が根底にあるいう話もあります。このあたりは、奥が深いテーマなので、この程度にしておきます。

余談ですが、私の友人が日本でコンビニエンスストアの店長をしていますが、退職するパートさんが店長にお礼のプレゼントを持ってきたという話をしていました。このあたりも勤労観の違いが出ているような気がします。

ところで、こちらでもクレームはありますが、言い訳が上手な人が多く、お客さまの方があきらめてしまうケースが多々あるようです。

曰く、「あなたに約束した人は退職して、今は居ない」(実は居ます‥)。

また、契約社会なので、仮に破損が起こった場合、一切の責任を負わないみたいな説明がどこかにあると、それを楯に要求をはねつけるようです。

このあたり、「文化の違い」ですから、日本のように振る舞うと警察沙汰になりかねません(笑)。

こういった「文化の違い」を、ある程度、楽しめないと、生活は厳しいと思います。

Posted by: Feri | March 30, 2016 at 03:17 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« アパートの上を旅客機が飛行中 | Main | U5・U2建設に伴う地質調査が始まりました »