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May 04, 2016

フォルクスオーパー「Der Bettelstudent」プレミアレポート(その3)

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日本ではゴールデンウィークの後半戦の突入したと思います。こちらは5月1日のメーデーを挟んでささやかな連休ですが‥ 今頃、ウィーンを満喫している方も多いのではないでしょうか。

さて、凝りもせず、「乞食学生」プレミアレポート最終回をお届けします。

今回、気になったのは演奏。これはオーケストラの仕上がり云々ではなく、指揮者のWolfram-Maria Märtigさんの指示がよくないようです。

例えば、非常にスローなテンポから、一気にハイテンポに移るような部分があり、正直、オーケストラがついて行けないような場面も‥

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オーケストラはいい音を出していただけに、指揮者の見識を疑います。この人ですがオペレッタをあまり振っていないようで、造形が深くないのかも知れません。

オーケストラメンバーも、演奏しづらくて苦労しているような感じでした。

なお、この作品は、音楽のバラエティが少ないのが特長です。同じようなメロディが続きます。ただ、オペレッタですが、聴かせるアリアが多いので、オペラのような感じもします。

さて、歌手陣ですが、ノヴァルスカ伯爵夫人パルマティカのElisabeth Flechlさん、ラウラのAnja-Nina Bahrmannさん、ブロニスヴァのMara Mastalirさんは、素晴らしい仕上がりでした。

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Elisabeth Flechlさんは、気品溢れる貴族夫人の役でありながら、ユーモアのセンスを兼ね備えており、こういった役にはピッタリですね。

ラウラのAnja-Nina Bahrmannさんは、歌、お芝居共に申し分ありません。適役と言えるでしょう。はまり役と言っても過言ではありません。

ブロニスヴァのMara Mastalirさんも、妹らしい甘えたところが見事。こちらも良い味を出していました。とにかく女性陣3人の仕上がりがよかったので、この点に関しては、素晴らしい舞台になりました。

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男性陣では、タイトルロールの乞食学生シモン・リマノヴィッツのLucian Krasznecさんと、ヤン・ヤニッキのAlexander Pinderakさんがポイントです。

お二人とも、歌、お芝居共にまずまずの仕上がりでしたが、全体的なレベルを見ると女性陣の方が格上という感じでしたね。

ちなみにLucian Krasznecさんは、2010年にメルビッシュの「ロシアの皇太子」でタイトルロールを務めていますが、フォルクスオーパーは今回がハウスデビュー。今後に期待しましょう。

Alexander Pinderakさんは、過去に「こうもり」のアルフレード、「メリーウィドウ」のカミュ・ド・ロション、「チャールダーシュの女王」のエドウィン、「白馬亭にて」のジードラーなどに起用されていますので、安定感はありました。まぁ、合格点と言ってもよいでしょう。

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オルレンドルフ大佐のMartin Winklerさんは、ベテランらしい見事な歌と演技でした。舞台が締まりますね。ちなみに今シーズン、体調不良で出番がなかったMorten Frank Larsenさんもキャスティングされています。こちらも見物だと思います。

看守長エンテリッヒは、最近、出番が増えているBoris Ederさん。彼は演技が上手なので、良いキャスティングと言えるでしょう。ただ、今回は、若干、抑え気味のお芝居でした。

全体的にコーラスやバレエも充実しており、オペレッタらしい仕上がりになっていました。

プレミアで、ブーイングが出るかどうかも鍵ですが、今回は出ませんでしたね。

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ただ、興味深い出来事だったのは、何回も行われたカーテンコールで、緞帳が下がってから、主要な歌手が登場。ところが、制作陣が出てきたところで、お客さまの多くが帰り支度。

当初、その後、制作陣が主要な歌手を引っ張って、再度のカーテンコールを考えていたフシがあったのですが、タイミングを逸してしまい、そこでおしまいになってしまいました。

このお客さまの反応は、「無言のブーイング」なのかもしれませんが、全員が、好意的に受けとめている訳ではなさそうです。やはり「パイレーツ・オブ・カリビアン」+「ワンピース」の世界は、オペレッタファンのウィーン子にとっては、刺激が強すぎたのかもしれません。

ちなみに、最近、フォルクスオーパーでプレミアが行われる場合、ロビーに過去の作品などが紹介されることが多いのですが、今回は、なぜかありませんでした。Feriは、過去の上演履歴などが楽しみだったので、ちょっと残念。

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2002/03シーズンに行われた演出は、無かったことにしたかったのかもしれません。少なくとも、あの演出よりは、今回の方が格段によい仕上がりでした。

ちなみに、2002/03シーズンの公演では、シモンにSebastian Reinthallerさん、ヤンにMorten Frank Larsenさんが、起用されていました。正直、男性陣は今回のプレミアよりも良かったのですがね‥

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また、フォルクスオーパーの場合、プレミアでは「お土産」が提供されることがありますが、今回はスポンサーがつかなかったのか、ありませんでした。

さて、恒例の新聞評ですが、「Die Presse.com」では、「Comic-Gags und ein Pirat in Polen」(コミックギャグとポーランドの海賊)というタイトルで紹介しています。誰でも考えることは同じですが、比較的、好意的に受けとめられているようでした。

「乞食学生」は、2016/17シーズンのレパートリーとして上演されますので、オペレッタファンの皆さまは、是非、ご覧になってください。期待を決して裏切らないと思います。

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