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May 16, 2016

フォルクスオーパー来日公演「Die Csárdásfürstin」(チャールダーシュの女王)セカンドクルー編

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今日もフォルクスオーパーの来日公演レポートをお届けします。

2日目の「Die Csárdásfürstin」ですが、すでにリリースされているように主要なソリストが交代しました。いわゆるセカンドクルー編です。

日本公演で「Die Csárdásfürstin」は、都合3公演なので、セカンドクルーの出番は15日の1回だけ。Feriは、当初から1回だけなので、気合いが入るだろうと予測しました。

指揮は、初日に続いてRudolf Biblさん。主なキャストは、以下のとおりです。

-Leopold Maria(レオポルト・マリア侯爵):Wolfgang Hübschさん

-Anhilte(アンヒルテ):Maria Happelさん

-Edwin Ronald(エドウィン・ロナルト):Szabolcs Bricknerさん

-Anastasia(アナスタシア、シュタージ):Mara Mastalirさん

-Eugen Baron Rohnsdorff(オイゲン・ローンスドルフ男爵):Karl-Michael Ebnerさん

-Boni(ボニ・カンチャヌ伯爵):Michael Havlicekさん

-Ferenc von Kerekes Feri Bácsi(フェレンツ・フォン・ケレケス、フェリ・バチ):Kurt Schreibmayerさん
-Sylva Varescu(シルヴァ・ヴァレスク):Ursula Pfitznerさん

-Siggi Gross(シギ・グロス):Boris Ederさん

-Sándor von Kiss(公証人シャンドール・フォン・キッシュ):Daniel Ohlenschlägerさん

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さて、演奏は前日、同様すばらしいものでした。オーケストラピットを下げている分、広い劇場にもかかわらず、素晴らしい音色を聴かせてくれました。大満足。

演出は、初日と同じですが、3幕の「ヤイ、ママン」に関しては、予想どおりリフレインのハンガリー語バージョンは省略し、英語・日本語版とダンスだけのバージョンが2回でした。

フェリ・バチのKurt Schreibmayerさんのお歳を考えると、4回のリフレインは厳しかったと思います。が、その仕上がりは大満足でした。

それでは、歌手の仕上がり具合をご紹介しましょう。

まず、シルヴァのUrsula Pfitznerさんですが、アンサンブルのプライドをかけた見事な仕上がりでした。

もちろん、歌単独でみればキャリアが豊富なAndrea Rostさんの方が良かったところもあります。しかし、1幕の最後、エドウィンに裏切られてボニとアメリカに旅立つ場面。「女性には悪魔が宿っている」というコーラスの場面。感情を前面に出した鬼の形相は見事でした。

そして、2幕のフィナーレ。パーティーの席上で身分を明かし、レオポルト・マリア公爵やアンヒルテの前で、啖呵を切る場面も感情の起伏が激しいハンガリー女性の役を見事に演じていました。歌、お芝居、踊りともにバランスがとれており、非常に見事な仕上がりだったですね。

なお、当初、もう一人のシルヴァにはAstrid Kesslerさんの起用が予定されていたのですが、日本側からの要望でAndrea Rostさんに変わったという噂があります。

アンサンブルのUrsula Pfitznerさんは、1回だけの出演なので、気合いが入っていたのがひしひしと感じました。

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お相手のエドウィンはSzabolcs Bricknerさんでしたが、こちらも見事な仕上がりでした。Carsten Süssさんが、比較的堂々とした感じであるのに対し、Szabolcs Bricknerさんは「良家のボンボン」という雰囲気があり、役柄に合っていたいと思います。

芯の強い女性シルヴァから見ると、母性本能をくすぐるタイプではないでしょうか。

ボニ・カンチャヌ伯爵のMichael Havlicekさんは、ウィーンで観たときも感じましたが、やんちゃな青年貴族にピッタリ。歌、踊り、お芝居ともに申し分ない仕上がりでした。

もちろん、主役を張ることができるMarco Di Sapiaさんに比べると、歌が弱化劣る部分はありますが、アナスタシアのMara Mastalirさんとのコンビも絶妙で、全体的に観ると満足の行く仕上がりでした。

アナスタシアのMara Mastalirさんは、可愛らしい感じの方で、Feri好み。初日のBeate Ritterさんも素晴らしかったですが、かわいらしさでMara Mastalirさんの勝ち(単純にFeriの好みです)。

さて、Feriが、楽しみにしていたのは、何と言ってもKurt Schreibmayerさんが起用されたフェリ・バチです。

Feriの期待通り、「若いカップルの幸せを心から願っている優しいおじさま」を見事に演じきっていました。表情が良いのですよね。Sándor Némethさんのフェリ・バチが最高ですが、Kurt Schreibmayerさんも、独自の役作りをしており、別の魅力があります。

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1幕のフィナーレで、エドウィンに裏切られたシルヴァに思いを寄せて、一人、シャンペングラスを床に叩きつける場面は、いつ見ても格好良いですよね。

そして、3幕、ボニが楽団を呼びに行っている時、エドウィンのために自分が身を引く決意をしたシルヴァが、フェリ・バチに“もう、舞台には立たない”と言ったとき、“君の幸せは舞台にある。ほら、舞台に上がって君を考えてごらん。お客さま、特に男性の視線は、君に釘付けだ。舞台の上で、シルヴァは輝く”と、シルヴァとともに遠くを見つめながら語る場面も粋ですよね。こういった粋な台詞が似合うのがKurt Schreibmayerさんでしょう。

「ヤイ、ママン」でも、歌って、ノリノリで踊っていました。お歳ですから、かなり息が上がっていましたが、正に全力投球といった感じでした。

そして、フィナーレ。唯一、一人でシャドーダンスを披露するフェリ・バチ。背が高いだけに、こういう場面でもKurt Schreibmayerさんは存在感がありますね。

しかし、3幕で「ヤイ、ママン」を歌って、踊っているKurt Schreibmayerさんを観たとき、“もしかしたら、Kurt Schreibmayerさんのフェリ・バチを観ることができるのも、これが最後になる火もしれない”と思った瞬間、目頭が熱くなってしまいました。

日本公演の写真はないので、2015年12月、フォルクスオーパーでの「今日のトリオ」をお目にかけましょう。

ご存じのように2016/17シーズンには「Die Csárdásfürstin」は上演されません。2017/18シーズンの動向はわかりませんが、現在の演出が継続される保証はありません。仮に新演出になれば、ご年齢の関係もありKurt Schreibmayerさんが起用される可能性は低いような気がします。

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仮に、今回の日本公演がKurt Schreibmayerさんにとって、最後のフェリ・バチになったとしたら、これを間近で観ることができたFeriは、幸せ者です。

実は、今回、フォルクスオーパーの来日公演で、はじめて最前列を確保することができました。フォルクスオーパーでは、最前列が「指定席状態」なのですが、日本では、招待のお客さまに優先割り当てされることが多く、今まで、会員になっていても4列目くらいでした。

東京文化会館の場合、オーケストラピットが深いため、フォルクスオーパーと異なり、最前列でも演奏中のオーケストラメンバーの顔は見ることができませんが、舞台だけが自分の視界に入ります。ふと、“今、自分はフォルクスオーパーに居るのではないか”という錯覚に陥りました。が、劇場を出ると、当たり前ですが、そこは上野駅でしたが‥(笑)

また、音のズレですが、劇場が大きい分、上層階に行くほど目立つようです。今日は最前列でしたので、比較的ズレが気になりませんでした(皆無ではありませんが‥)。

もちろん、細かいところで気になる点がなかった訳ではありませんが、2回目の「Die Csárdásfürstin」は、近年、希に見る素晴らしい仕上がりだったと思います。

気になるお客さまの入りですが、今日は日曜日だったこともあり、昨日よりは埋まっていたような気がします。


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Comments

Feriさんこんにちは。やっぱり最前列でご覧になっていたんですね(笑)Taroは初日は1階左側サイド、2日目は4階右サイドで満喫しておりました。Feriさんのご感想に全く同感です。2日目の方がお芝居としての完成度というか安定感は全く素晴らしいものだったと思います。過去に書いておられましたが、フォルクスオーパでの響きが文化会館では発散するといったことも当方はほとんど本場での鑑賞経験が希薄なもののなんとなくわかりました。とはいえ、一般の旅行客が短期間でこれだけのキャストでこれだけの演目を鑑賞できることは誠にうれしいことだと思います。(チケット代は本当に○○ですが・・・)フォルクスオーパ最高!!来週と再来週に予定されているこうもりの初日とメリーウィドウの2日目を楽しみにしております。

Posted by: Taro | May 16, 2016 at 07:10 PM

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