« 番外編 響ホールフェスティヴァル2016「メリーウィドウ」(前編) | Main | 楽しい楽譜を垣間見ました »

June 28, 2016

番外編 響ホールフェスティヴァル2016「メリーウィドウ」(後編)

Img_2016_06_1884

6月26日から27日にかけて、ココログのサーバーでトラブルが発生した関係で、記事を分割掲載することにしました。

昨日に引き続いて北九州市・響ホールフェスティヴァル2016「メリーウィドウ」の後編をお伝えしましょう。

コンサート形式なので、一幕終了と同時に二幕へ入ります。ストーリーテラーのクロモウとツェータ男爵が登場して、二幕の設定(答礼のためハンナが主催したガーデンパーティが開催される)を説明します。

想定の説明後、いきなりハンナのアリア「ヴァリアの歌」です。何しろダンサーが参加していないため、ダンス部分は全て省略せざるを得ません。

歌い終わったハンナが“ダニロに祖国を思い出してもらいたいので、歌いました”と言うため、ハンナがダニロに気があると思うツェータ男爵とクロモウ。

やってきたダニロに、“ハンナが君に気があるようだ”と言いますが、ダニロは取り合いません。本来は、ここでハンナとダニロの「恋のさや当て」が展開され、1回目の「唇は語らずとも」になるのですが、お話を単純化するため、これはカット。

そして、「女、女、女のマーチ」になります。人数が少ないので、どうするのかと思っていたら、ソリスト2名と俳優2名に、男声合唱団5名も参戦し、賑やかな展開に。

この時、室内合奏団の男性メンバーが立ち上がって一緒の歌う場面がありました。男性が少ないための自虐ネタといったところでしょうか。気持ちは良くわかります。

Img_2016_06_1894

そして、ヴァランシェンヌとカミーユ・ド・ロシヨンが登場し、デュエットの後、舞台後ろの東屋へ入ります。それを見ていたクロモウは、ウロウロするばかり。

そこへ、ツェータ男爵がやってくるので、クロモウがハンナのところへ行き、ヴァランシェンヌと交代してもらいます。この部分、ニェーグシュの役をクロモウが演じている訳です。

東屋からカミーユ・ド・ロシヨンとハンナが一緒に出てきて、びっくりする展開はオリジナルどおり。ただし、今回は、ここでカミーユ・ド・ロシヨンが「バラのつぼみが‥」を歌う演出になっていました。

そして、ダニロが「昔、王子が‥」と「マキシムへ行こう」を歌い舞台袖へ。残ったハンナとヴァランシェンヌが重唱をして、二幕はフィナーレとなります。二幕は25分ほど。

さて、このメンバーだと問題になるのは、三幕のマキシム風パーティの場面。三幕は、いきなり「天国と地獄のギャロップ」の演奏が始まりました。

一般のお客さまは何が始まったのかわからない展開ですが、そこにクロモウとオルガ、ツェータ男爵が登場し、三幕の説明をはじめます。

Img_2016_06_1882

クロモウとオルガ曰く“ここはハンナ主催のパーティの二次会、三次会のようなイメージで、踊り子が多数出演する華やかな場面です。が、今回は無理なので、お客さまは頭の中で派手に妄想してください”。そして、再び「天国と地獄のギャロップ」の演奏へ。

考えましたね。ここまで開き直ると、不自然さは感じません。Feriは、てっきり、「グリゼットの歌」くらいはヴァランシェンヌに歌わせると思ったのですが‥

そして、「天国と地獄のギャロップ」が終わると、ストーリーテラーの面々が、“イァー、素晴らしい踊りでしたねぇ”というコメントを述べて、雰囲気を盛り上げます。

ストーリーテラーのクロモウが登場して、ハンナとダニロが話をしているという設定を説明し、「唇は語らずとも」のデュエットになりました。

そこへ、皆が集まってきて、ダニロが“ハンナはカミーユ・ド・ロシヨンと結婚しないことになった”と告げ、ヴァランシェンヌの浮気を疑ったツェータ男爵がハンナに求婚するのは定番の演出。

そこで、ハンナから“再婚すると無一文になる”という爆弾発言が出て、すぐに求婚を撤回するツェータ男爵。逆にダニロが求婚するという展開は、オリジナルどおりです。

Img_2016_06_1879

ヴァランシェンヌの浮気疑惑も、扇子に書かれていた「貞淑な人妻」の文言で、解消するのも定番の展開。最後は、参加者全員で「女、女、女のマーチ」を合唱してお開きとなりました。

なお、一般の皆さんに楽しんでもらうため、台詞はもちろん、歌詞も全て日本語でした。正直、日本語の歌詞では歌いにくそうでしたね。

実際、Feriもウィーンで、森野さんがドイツ語で「唇は語らずとも」を歌っている場面を見たことがありますが、日本語だと言葉がはっきりしなかったかもしれません。

また、台詞の部分があるため、出演者の皆さんはワイヤレスマイクを付けていました。

正直、この演出で「いじらしい恋の駆け引き」がお客さまに伝わるかどうかというと、微妙なところですが、オペレッタを初めて見るお客さまや子供さんが多かったことなどを考えると、このくらい単純化した上で、時間を凝縮せざるを得なかっただろうと思います。

オペレッタに詳しいと、変なこだわりが出てきますが、今回、演出を担当された泊さんは、劇団を主宰している方で、必ずしもオペレッタに造詣が深い方ではないので、ある意味、割り切ることができたのでしょう。後日、うかがった話では、初めてのオペレッタ演出だったそうです。

Img_2016_06_1877

ところで、今は日本でも不倫ネタが世間を騒がせているので、そういった話題が入るかと思っていたのですが、その辺は入らなかったようです。まぁ、日本らしいと言えば日本らしいですが‥

また、プログラムについても、通常の「あらすじ」を紹介するパターンではなく、写真のように人物相関図を挟み込み、ストーリーテラーのガイディングで、お客さまにお話の展開をわかってもらおうという工夫が良かったと思います。

さて、上演終了後、タイトルロールを演じた森野由みさんから、メールで情報を頂きましたが、出演者の皆さんがお忙し上に、お住まいになっているところ離れていることもあり、稽古の時間が十分とれなかったそうです。

何でもゲネプロは、本番当日の午前中に行ったそうです。そのため、本来、ゲネプロ終了後、演奏も含めて、調整を行う時間が十分とれずに、本番に入ってしまったようです。

また、ご本人も、日本語での歌詞にはかなり苦労したようで、お客さまに言葉がちゃんと伝わったかどうかを気にされていました。

実際、当日、観賞したファンクラブメンバーの方のお話でも、言葉がわからなかった部分もあったそうです。

Img_2016_06_1880

ちなみに、オーストリアで上演する場合でも、必ずしもドイツ語の歌詞が、全てのお客さまに生活に伝わっている訳ではなく、雰囲気で楽しんで頂く要素もあるそうです。

余談ですが、現地のドイツ語上演でも、ドイツ語字幕が入ると、意味が良くわかるという声を聴いたことがあります。

オペレッタの場合、台詞は日本語の方が良いのが当然ですが、歌詞はドイツ語版でも問題は無かったかもしれません。

とにかく地方での公演なので、予算の問題もあり、プロの出演者を長時間、拘束することは困難です。そんな中で、できる範囲で、難易度の高いオペレッタに挑戦したのは、評価して良いのではないでしょうか。

20160709

Feriのような「オペレッタにはまっている男」が観たら、がっかりするのかもしれませんが、こういった催しを機会に、日頃、オペラやオペレッタなどを観る機会に恵まれない一般のお客さまに“オペレッタは意外と面白い”と思って頂ければ、今回の企画は成功と考えて良いでしょう。

そういう意味で、関係者の皆さんに敬意を表したいと思います。

なお、森野由みさんは、この後、7月9日に北九州市で開幕する「ソーシャルダンス ユース世界大会」のオープニングセレモニーで、国歌独唱と、北九州市消防音楽隊とジョイントで「花は咲く」を歌う予定になっているそうです。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります delicious

Br_decobanner_201105_b_3

オペレッタ |

« 番外編 響ホールフェスティヴァル2016「メリーウィドウ」(前編) | Main | 楽しい楽譜を垣間見ました »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 番外編 響ホールフェスティヴァル2016「メリーウィドウ」(前編) | Main | 楽しい楽譜を垣間見ました »