« ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaaを訪ねて(前編) | Main | ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaa 続編 »

June 15, 2016

ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaaを訪ねて(後編)

Sn00638

Img_2016_04_1164

昨日、EURO2016でオーストリアはハンガリーと対戦しましたが、残念ながら0-2でハンガリーに敗れてしまいました。初戦の負けは痛いですね。今後の活躍に期待しましょう。

さて、今日は昨日に引き続き「ウィーンの大規模住宅団地 Wohnpark ALTERLAA」をご紹介します。

裾が広がった独特の形状を誇るアパートですが、遠くから見て気になっていたのは、「下層階の緑」です。

実際に近くに行ってみると、裾が広がっている部分には、ベランダに巨大なプランターが設置されており、ここが緑化されていることがわかりました。

少なくとも、通常のアパートにあるベランダとは仕様が異なり、「公園の一部」といった趣です。

Img_2016_04_1166

そのため、人工的な構造物なのですが、半分は緑に覆われているような感じがします。緑を大切にするウィーンらしい工夫と言えるでしょうか。

実は裾が広がっている以上に、この「緑」がポイントなのかもしれません。ただ、建物自体は巨大なので、近くに行くと、その高さに圧倒されます。

さて、このアパートで、もう一つの特長は、公共住宅でありながら、建設時、屋上にプールが開設されたことです。珍しい施設なので、このプールもよく紹介されるようです。

屋上プール(Dachschwimmbäder)は、何と7箇所。しかも、それに加えて屋内プールも7箇所に設置されています。

Img_2016_04_1179

この手の施設は、経年によって廃止されるケースが多いのですが、この団地では、現在でも案内が出ていたのでプールは健在なようです。3枚目の写真は、下から見上げたものですが、屋上プールのフェンスが見えると思います。

余談になりますが、Feriの先輩に建築専門家がいるのですが、その人に言わせると、日本では高層建築の場合、上層階に巨大なプールをはじめとする重量物を配置するというデザインは考えられないそうです。

確かに地震が多い日本では、高層建築の屋上に巨大なプールを設置すれば、トップヘビーになりますから、色々と問題が発生しそうです。

Dachschwimmbader01

最近、海外では高層ホテルの屋上にプールを設ける例が増えていますが、さすがにアパートの屋上にプールという例は少ないような気がします。

このプールを実際に見学したかったのですが、Feriが訪問した時期は営業開始前であったこと、基本的に住民用の施設であることから、建物内の見学は断念しました。という訳でプールの写真は借り物です。

Img_2016_04_1176

この他のスポーツ関連施設としては、屋内テニスコート(2箇所)、バドミントンコート(1箇所、4面)、スポーツ施設(3箇所)、サウナ(21箇所)、サンルーム(6箇所)などが設置されています。

右の写真は、団地の中心部に設置されているウィーン市営の屋内スポーツアリーナ(SPORTHALLE)です。

これに加えて、子供用に遊び場も屋外、屋内に多数、設置されています。

先ほどもご紹介しましたが、日本の住宅団地よりも公共スペースを広くとっており、中央にモダンなデザインのカトリック教会やスポーツ施設、幼稚園などがあります。

Img_2016_04_1180

こちらでは、小さな町では、中心部に教会があるのが一般的なので、そういった様式を模したのでしょう。

もっとも、今後は、カトリック教会の相対的な地位が低下すると、こういった様式も生まれなくなるかもしれません。

ところで、日本の場合、高度成長期に建設した住宅団地は少子高齢化の影響で、寂れてしまっているところが多いと聞いていますが、ここは小さな子供さんも多く、活気に溢れていました。

Img_2016_04_1167

多摩ニュータウンが1971年頃から入居が始まっているので、Block Aは、それより少し遅い完成です。

実際、団地内の公園を歩いていると、高齢者の方を見かけることもありましたので、高齢者比率は上がっていると思いますが、幼稚園の活況ぶりを見ると比較的、世代交代がうまくいっていることは間違いなさそうです。

Img_2016_04_1181

ところで日本の場合、住民の高齢化や空き家の増加に伴って、建設当時に誕生した商店街が事実上、無くなってしまっているケースが増えているという話を耳にします。

しかし、「Wohnpark ALTERLAA」のショッピングセンターKAUFPARK ALTERLAAは健在で、多くの住民が利用していました。

KAUFPARK ALTERLAAは、1979年にオープンした諸ピングモールで、地下鉄駅に隣接する形で造られており、駅とはペデストリアンデッキでつながっています。

ここには、大手スーパーマーケットのBILLAをはじめ、ウィーン市内で良く見かけるチェーン店が多数入っていますが、独立系のお店も営業をしています。

Img_2016_04_1183

また、物販のお店だけではなく、飲食店、クリニックなども入っており、中規模なショッピングモールを形成しています。

ご多分に漏れず、最初はなかったかもしれないASIA BUFFETの飲食店もテナントとして入っていました。ちなみに屋号は「かま」。ひらがなの看板が印象的。いわゆるなんちゃって料理店の一つでしょう。

Img_2016_04_1187

ランチタイムは6.9Euroとお手頃な価格設定でした。恐らく年金生活のお年寄りをメインターゲットにしている可能性はありますね。

面白いのは、中央部に吹き抜けのイベントスペースが設けられていることです。このイベントスペースでは、各種のプロモーションなどが行われているようです。

付近に商店街がないため、住宅団地の入居者にとっては、重要なショッピングエリアになっていることがよくわかりました。

Img_2016_04_1172

今回、「Wohnpark ALTERLAA」を訪問して感じたことは、どのように入居者の世代交代を成功させているのかという点です。もちろん、高齢になった入居者もいらっしゃるとは思います。

Feriが訪れたのは平日の午前中だったのですが、KAUFPARK ALTERLAAの中にあるCaféで、ビアを楽しんでいるご年配の方を比較的多く見かけました。イァー、優雅ですねぇ。

ただ、少なくとも、団地内で見かける人が高齢者ばかりではなく、子育て世代の若い方も大勢生活しているようでした。

Img_2016_04_1185

外国出身者も多く住むウィーンなので、入居者の外国人比率が高まっているのかもしれませんが、少なくともスラム化はしておらず、現役の団地として機能している点は、私たちが日本人も学ぶところが多そうな気がします。

Img_2016_04_1244

日本の場合、東京周辺の大規模団地などの中には、日本人の入居者が減ってしまい、特定国の外国人が増えた結果、生活習慣の違いにより、多くの問題が発生している‥という話を耳にしたことがあります。

少なくとも、「Wohnpark ALTERLAA」に関しては、Feriが見た限りでは、そういったことはなさそうです。

もっとも実際に生活をして、つぶさに団地の実情を観察した訳ではありませんので、実態を正確に把握しているとは言えませんが‥

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_201105_b_3

住まい・インテリア |

« ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaaを訪ねて(前編) | Main | ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaa 続編 »

Comments

Feriさんこんにちは。
団地レポート!待ってました!
日本の感覚でいうとこの手の巨大団地って暗いイメージもあるので、旅行者がフラフラと見学に行くことを諦めたのですが、今とても後悔しています‥!
最後の画像なんて、ウィーンらしい歴史のありそうな建物と、それとは対極にあるコンクリートの巨大ビルが共存していて何とも不思議‥。
画像を見ていてワクワクしました。

Posted by: のんのん | June 15, 2016 21:53

のんのん様

最後の写真は、シュタインホーフ教会にほど近い丘から撮影したものです。

件の団地周辺は、新しく開発したエリアなので、古いデザインの建物は少ないようです。

今回は時間がなかったので、Wohnpark ALTERLAAの中だけの見学でしたが、周辺も気になっています。

Posted by: Feri | June 16, 2016 13:50

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaaを訪ねて(前編) | Main | ウィーンの大規模住宅団地Wohnpark Alt-Erlaa 続編 »