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July 20, 2016

「オーストリア国歌」雑感

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今日は「国歌の話題」をお届けしましょう。

先日まで日本で活動をしていた友人の森野由みさんが、7月中旬、ウィーンへ戻ってきました。

彼女が、日本で行った最後の仕事が、北九州市で開催された「世界ダンススポーツ選手権ユース・スタンダード2016」のオープニングセレモニーにおける「国歌独唱」と北九州市消防音楽隊との共演による「花は咲く」でした。

彼女のホームページ(詳しくはこちら)にも、その時の裏話が掲載されているのですが、永年、オーストリアで生活している森野由みさんは、「君が代」を公式の場で歌ったことがほとんどなかったとか‥

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逆に親しみがあるのが、ヨーロッパでは、フットボールをはじめとするスポーツ大会で聴くことができる「こちらの国歌」だそうです。

イァー、気持ちは、よくわかりますね。

ところがオーストリアは、スポーツに関しては、冬はそれなりに強いのですが、フットボールはEuro2016でも予選リーグで敗退したように、今ひとつの実力。そのため、現在のオーストリア国歌をテレビ中継などで聴く機会は余りありません。

逆に、良く耳にするのがドイツ国歌です。現在のドイツ国歌は、ワイマール共和国時代の1922年に国歌とされた「Deutschlandlied」ですが、ご存じのようにメロディはハイドンが作曲したオーストリ帝国国歌「Gott erhalte Franz den Kaiser」(神よ、皇帝フランツを守り給え)と全く一緒です。

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歌詞を変えただけの、言わば「パクリ」ですね。第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国でも、歌詞が修正されただけで、国歌として歌い継がれています。現在は、公式には三番だけが歌われているそうです。

さて、一方のオーストリアですが、現在のオーストリア国歌は、第二次世界大戦後に制定された「Land der Berge, Land am Strome」(「山岳の国、大河の国」)です。作詞はPaula Preradović(パウラ・プレーラドヴィック)ですが、作曲については諸説あります。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲という説もあるのですが、現在ではJohann Baptist Holzer作曲説が有力視されているようです。確かに、モーツァルトらしい旋律はありませんからねぇ‥

現在のオーストリア国歌は、通常、一番のみが歌われますが、ところで、このブログでもお伝えしたことがありますが、男女同権の立場から「偉大な息子たちの故郷」の部分に「娘たち」を加える歌詞の改訂が議会で議論されました。

その結果、2012年1月より「偉大な娘たち、息子たちの故郷」(Heimat großer Töchter und Söhne,)と歌われることになりました。

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色々な事情があって、現在の国歌になったことはわかるのですが、Feri個人としては、オーストリア帝国時代の国歌「Gott erhalte Franz den Kaiser」(神よ、皇帝フランツを守り給え)の方が好きです。

また、これも興味深い話題ですが、ハイドン作曲のメロディは、1802年頃、イギリスやアメリカで賛美歌として採用されました。

日本基督教団の讃美歌では 194番「さかえにみちたる」が、これに該当します(聖歌199番では「輝く姿は」として歌われます)。Feriの父はキリスト教徒だったので、レコードの賛美歌全集を持っていました。その中に、この194番も含まれており、Feriもレコードで聴いて驚いたものです。

当たり前ですが、メロディだけを借用したもので、オリジナルの歌詞はジョン・ニュートンが作詞したものだそうです。賛美歌なので、内容は「神が治める天のエルサレムを称えるもの」になっています。

そのためオーストリアの教会でも、時々、賛美歌の形で旧国歌を聴くことがあります。Feriにとっては、感動的な一瞬です(笑)。

という訳で、最後にYouTubeにアップされていた「Gott erhalte Franz den Kaiser」と「Land der Berge, Land am Strome」をお目にかけましょう。


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