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July 11, 2016

計画概要が公表されたウィーン地下鉄U5・U2プロジェクト

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週末から「夏の音楽祭」も始まり、次期大統領も決まらないのに、早くも夏休みモードに突入したオーストリア。さすがにオペレッタ国家です。

さて、このブログでも定期的にお届けしているウィーン地下鉄の新路線U5とU2(延長区間)ですが、4月下旬、Wiener Linienから地下設備の3Dイラストを含む、第1期工事区間の計画概要が発表されました。

なかなか興味深い内容なので、今回はWiener Linienが公表した資料を使って、計画概要をご紹介しましょう。

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まず、第一期に建設される区間ですが、U5Frankhplatz-AltesAKH-Rathaus間(同時に現在、U2として運用されているRathaus-Karlsplatz間がU5に編入されます)、U2Schottentor-MatzleinsdorferPlatz間です。

U5とU2はRathausで分岐しますが、実際には、分岐するU2用に新しい駅を建設するため、Schottentor-Rathaus間も新たに建設されることが決まりました。

以前もお伝えしましたが、U5の建設計画よりも、実は優先度が高いのがU2の新路線建設です。

この区間は、Wiener Linienのバス路線でも混雑度が激しい13Aが運行されている区間と一部が重なっているためです。

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3Dイラストを見ると、既存の地下鉄があること、古い建物が建ち並ぶエリアに建設されることなどから、駅設備も含めて、多くの区間で地上への影響が少ないシールド工法が採用されるようです。まるで東京の大江戸線みたいですね。

Feriが最も気になっていたのはU5とU2が分岐するRathausです。4枚目は、Rathaus周辺の様子を示した3Dイラストです。

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これを見るとわかるように、U5は既存のU2の駅を利用することが決まったようです。

一方、U2の方は、現在、U2が使用している駅よりもかなり深い場所に駅を新設することになりました。場所については、現在のRathaus駅と同じですが、新しいU2の駅がルートの関係で、斜めにU5と交差しています。

この深さになると、Schottentorから新しいトンネルを建設しないと、新駅に乗り入れることは困難なことがわかります。

U2の新区間は、NeubaugasseでU3、PilgramgasseでU4とそれぞれ交差するため、この両駅は非常に深い場所に建設されます。

また、興味深いのは、詳細な路線計画図を見ると、U2の新設区間は、単線トンネルを別々に掘削する工法が採用されるようです。

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これは、建設区間の道幅が狭いため、複線トンネルだと地上への影響が大きいためでしょう。という訳で、駅区間以外では、上下線が離れている場所もあるようです。

繁華街であるMariahilfer Straßeと交差する場所に建設されるNeubaugasse駅は、既存の地下鉄であるU3の駅よりも深い場所に建設されます。

ご存じのようにMariahilfer Straßeの地下にあるU3のNeubaugasse駅はプラットホームが上下に建設されています。今回は、さらにその下にU2の駅を作るため、かなり深くなっています。

同時に上下線のトンネルがかなり離れて建設され、その間をシールド構造の乗客用トンネルで結ぶ形になるようです。

Feriの最寄り駅でもあるPilgramgasse駅も当然、U4の駅よりも深い場所に建設されます。

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現在、リニューアル工事中のU4は、この区間はウィーン川の堀割内を走っていますが、U2は、川をアンダーパスする必要があるため、それなりの深さに建設されます。また、ルートの関係で、Pilgramgasseの直下に駅を建設する訳にはいかず、U4とは30度くらいの角度で交差するようです。

そして、Pilgramgasse駅でも上下線が大幅に離れることが決まったようです。イラストを見ると、中央に乗り換えコンコースがありますが、ななり距離が離れているのがわかります。これも既存の建物への影響を抑えるための対策なのかもしれません。

ちなみにイラストでは、手前に単線トンネル仕様の駅が見えますが、反対側のトンネルは、乗り換えコンコースの影に隠れて見えません。

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U2の新区間で、唯一、既存地下鉄やÖBBと接続がない駅がReinprechtsdorfer Straßeです。

そのため、イラストを見るとわかるように、地下の構造も他の駅に比べて非常にシンプルです。また、既存の地下鉄がないため、比較的、地上に近い場所に駅が建設されます。

ただ、それでも、既存の建物への影響を最小限の止めるため、単線シールド工法で建設が採用されています。

第一期工事区間の終点となるMatzleinsdorferPlatz駅ではS Bahnと接続します。

駅はÖBBと直角に交差する形で建設されます。ÖBBの路線は地上を走っているため、路面電車が地下を走っているとは言え、U2の駅は比較的浅い場所に建設が可能なのでしょう。

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こちらも乗換駅ながら、単線シールドトンネルを2本、並行に並べた形になります。余談ですが、この駅の地上には、以前、このブログでご紹介したガラス製の防音壁を備えたアパートがあります。

しかし、3Dイラストを見ると、ほとんどの区間が道路の下ではなく、既存の建物の地下を利用しているようです。ある意味、これはすごいですね。

今後、既存の建物の建て替え工事などの祭、地下を十分活用できない可能性がある訳ですから‥ ただ、日本と異なり、旧市街に近い区では、超高層ビルの建設が制限されているため、大きな問題にはならないのかもしれません。

MatzleinsdorferPlatz駅は、当面、終点となるため、Wienerberg方面に折り返し用に引上げ線が建設されます。

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一方、第一期工事では、実際は一区間しか建設されないU5の新駅Frankhplatz-AltesAKH駅は、AlserStraßeとLangegasse/Spitalgasseが交差する場所に建設されます。

既存の地下鉄も走っていないことから、比較的、浅い場所に駅が建設されそうな気がしますが、実際にはイラストを見るとわかるように、既存の建物下に駅ができるため、それなりの深さにはなっています。

やはり道路が狭いこともあり、単線シールドトンネルを2本、並列で並べた形になります。イラストを見る限りでは、上下線のトンネルは、かなり離れているようです。地上への出口は4箇所、設置されるようです。

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興味深いのは、この区間、既存のU2路線を一部転用しているらしいことです。なお、Frankhplatz-AltesAKH駅については、折り返し用の引上げ線が記載されていません。

運転区間が短いことから、当面は、一つのプラットホームだけを使って運用するのかもしれません。しかし、よく考えてみたらU2はRathaus-Karlsplatz間という時期が長かったので、その再来といった感じでしょうか。

さて、第一期工事ですが、現在、建設区間の地質調査が行われており、2023年には第一期工事が完成する予定になっています。

また、U2の第二期工事MatzleinsdorferPlatz-Wienerberg間は2028年、U3のFrankhplatz-AltesAKH-Elterleinplatz間は2025年の開業が予定されています。

ただ、ウィーンの場合、開業する時期がずれることも多いので、今後の動きには注目した方が良いでしょうね。

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