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October 31, 2016

ウィーンの新型路面電車「FLEXITY」の製造開始

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10月最後の話題は「ウィーンの新型路面電車」をお伝えしましょう。

Wiener Linienでは、ULFに変わる新型路面電車を2015年、Bombardierに発注しましたが、ウィーンの同社工場(22区にあります)で、製造が開始されました。

また、それに合わせて車両のデザインや仕様も公開されましたので、その概要をご紹介しましょう。

まず、名称ですがBombardierの標準型路面電車「FLEXITY」シリーズを継承しており、写真のようなデザインに決まりました。Bombardier社内では「Bombardier FLEXITY 2」というシリーズのようです。

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鉄道ファンの方はご存じかと思いますが、BombardierのFLEXITYシリーズは、ベルリン、マルセイユ、ブラックプール、バーゼル、アントワープ、バルセロナ、ミラノ、インスブルックなどヨーロッパの各都市でも採用されている人気の高い低床式路面電車です。

こちらでは、メーカーの標準仕様をベースに、各地の事情に合わせてカスタマイズする方式が一般的なので、今回も、この方式が採用されました。

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車体のデザインや塗装は異なりますが、仕様としてはGrazのType 650erよく似ています。なお、GrazのものはFLEXITY Outlookというタイプです。

Wiener Linienが導入するタイプは5連節ですが、ULFが連接部分に車輪を取り付けているのに対し、「FLEXITY」は1車体目、3車体目、5車体目に台車が取り付けられています(1編成3台車)。

ただし、低床式にするため、左右の車軸でつながっておらず、独立懸架方式となっています。

そのため、連接部分はULFよりも広くなっていますが、車輪が客室にはみ出すため、この部分にはクロスシートが設置されています。

ULFは、進行方向に固定されたシートでしたが、FLEXITYは車輪をカバーする関係で、進行方向とは反対側を向いたシートが設置されます。シートがあるため、車輪が車内にはみ出しているのはわかりません。

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ところで、ULFのネックは連接部分の通路幅が狭いことでした。そのため、場合によってはベビーカーや車いすでの移動が困難な場合がありました。その点、FLEXITYは連接部分が広いので、車内での移動は楽になるようです。

また、車輪が客室にはみ出している関係で、出入り口も全車に取り付けることはできず、台車がある3車体目には出入り口がありません。その代わり、2車体目と4車体目には、出入り口が2箇所設置されています。

Wiener Linienが導入するFLEXITYは、全長34メートル、全幅2.4メートルで、定員は211名。車いす用のスペースが2つ設けられる他、ベビーカー用スペースも8つに増えることになりました。

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ULFは独特の構造で超低床式を実現しましたが、FLEXITYは車体中央に台車を設置しているにもかかわらず、床面高さは215mmとなっています。

そのため、実際の運用に際しては、ULFと遜色がないと思われます。逆に駆動部分の構造が複雑でない分、メンテナンスが楽なのかも知れません。

運転台は最近流行の液晶を多用したグラスコクピットで、タッチスクリーンが採用されることになりました。

運転に関しては、ULFと同じく運転席左側にあるコントロールスティックで行う方式です。運転性能ですが、最高速度は70km/h、68‰の勾配に対応しています。

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車内には旅客用案内システムや監視カメラが設置される他、LED照明が全面的に採用されることになりました。また、当初からエアコンを装備します。

車内のカラーリングは、ULFや新しい連節バスとほぼ同じになっています。

最初のFLEXITYが完成するのは2018年で、2026年までに119編成が配備されることになっています。また、Wiener Linienでは、Bombardierと156編成のオプション契約を締結しており、将来、Wiener Linienの主力路面電車になる可能性があります。

さて、鉄道ファンには気になるナンバーですが、今回発表されたイラストには301と明記されました(それまでの完成予想イラストには車番は入っていませんでした)。

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ULFが601から始まっているので、仮にオプション分が導入された場合でも、500番台までの番号で対応可能です。考えましたね。

日本でしたら、一気に1000番台にするケースが多いような気がしますが、三桁に抑えたいのは、何か事情があるのかもしれません。

さて、FLEXITYは2018年に路線投入が行われる予定になっていますが、実際には、各種テストを行うため、それよりも早く登場することでしょう。

もしかすると2017年のTramway Tagに、先行量産型となる301号がデビューするかもしれませんね。

なお、今回のイラスト(写真)は、Grazのものを除いて、いずれもWiener Linienによる公式写真です。

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