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December 11, 2016

「Die Zirkusprinzessin」(サーカス妃殿下)Premiereレポート(2)

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オペレッタにご興味のない皆さまは、時期が時期だけに“ウィーンは、今、どんな感じ?”といったことが気になっていらっしゃるかもしれません。

そこで、本編に入る前に、ちょっとだけご紹介。

12月10日の土曜日は、晴天に恵まれ、気温も日中10度程度まで上がったこともあり、そぞろ歩きには絶好の日になりました。

マスコミによると、市内は、今シーズン最高の人出になったそうです。今年からスケートリンクが併設された市庁舎前のクリスマス市の詳細は、後日、ご紹介しますが、電飾が大きく変わりました。

従来、クリスマス市の入り口にはリースを模した巨大なモニュメントが設置されていたのですが、通行の妨げになるためか、今シーズンから写真のようはゲートに変更。しかし、これが正解であったことは、写真ご覧になるとわかると思います。

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何しろヒュッテが多数のお客さまで隠れてしまうほどですから‥

また、土曜日は恒例のクリスマストラムに加えて、Mannerの貸し切り電車、一般の貸し切り電車(車内でパーティをやっているグループも見かけました)などがリンクを走っており、こちらも大変な賑わいでした。

今日は昨日に引き続き「Die Zirkusprinzessin」(サーカス妃殿下)Premiereレポート、第2回をお伝えしましょう。今日は第1幕の「サーカス会場の場面」が終わり、暗転で2幕前半に入るところから‥

○第2幕

第2幕は、オリジナルでは「6週間後、セルギウス公の館での舞踏会」という設定らしいのですが、今回はセルギウス公が主催した「狩猟の会」という設定。そのため、ロシアのアウトドアです。

まず、セルギウス公一行が銃を持って狩猟に出発する場面から始まります。ところで、今回の演出では、節目で記念撮影をする場面が沢山出てきます。当然、ここでも記念撮影。左の写真が、その場面です。

そこへ、フェードラやミスターXこと偽ロコソフ公がやってきます。二人とも屋外での狩猟に備えて白いコートを着ています。

舞台装置、特に大道具は大きく変わっていませんが、白樺を模した柱が上から降り、背景が森林に変わるため「館の前庭」といった雰囲気が出ています。

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フェードラが狩猟を通じて、次第に偽ロコソフ公に惚れ込んでいきます。我が意を得たりとほくそ笑むセルギウス公。

そこで、セルギウス公は、副官に、ロシア皇帝からの偽手紙をフェードラに渡すように指示を出すのでした。

休憩前は、ミスターXとセルギウス公、狩猟に参加するメンバーが加わって迫力ある合唱が披露されます。カールマンの作品らしい非常に印象に残るメロディです。

2幕の途中ですが、ここで休憩となります。ちなみに、ここまでの上演時間は1時間15分です。テンポが良いため、短く感じました。

○第2幕後半
休憩後は第2幕の後半から始まります。

オリジナルと異なり、2幕の前半では登場しなかったトニとマーベルが、遅れて狩猟会場へやってきます。他の参加者が、白い防寒用コートを着ているのに、トニはなぜか、舞踏会にでも参加するような正装をしています。

優男のトニは、猟銃を撃つのは得意ではないようです。そこへ、アムール虎が出現。二人はビビりまくります。

が、偶然、トニが撃った銃が虎に命中。彼女の前で良いところを見せていきあがるトニ。二人のやり取りにもご注目ください。

場面は館のサロンに変わります。と言っても、吊し物と照明で雰囲気を変えている訳ですが‥

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サロンにはトニが仕留めた虎が、すでに剥製と敷物になって飾られています(そんなに早く剥製にできないだろうという突っ込みは野暮)。なぜか虎の頭は非常に大きくオブジェ風です。

すでに、副官からロシア皇帝の偽手紙を受け取っているフェードラは、この内容についてセルギウス公に相談を持ちかけます。

偽の手紙には“彼女の再婚相手が既に決められた”と記されていたのです。憤慨しているフェードラに対して、セルギウス公は、“今日中に結婚相手を決めて皇帝に既成事実を突きつけるべきだ”と勧めるのでした。

フェードラが結婚相手として選んだのは、ミスターXこと偽ロコソフ公。

セルギウス公達がサロンを去り、偽ロコソフ公がやってきます。フェードラは、偽ロコソフ公に結婚を申し出ます。

しかし、ミスターXは、その事実を知って、偽りの身分による結婚に対し、良心の呵責を感じるのでした。

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しかし、フェードラを心から愛しているので、流れに任せ二人は美しいデュエット「Mein Darling」を歌います。ここは後半最初の聴きどころです。

一方、トニも、この機会を利用してマーベルと結婚することに決めます。セルギウス公は、オーストリア貴族の子息がサーカスの娘と結婚することに驚きますが、トニの希望を受け入れ、二組の結婚式が執り行われることに。

結婚式の前にトニがマーベルに結婚を申し込む場面があり、踊りながら歌う楽しいデュエットが披露されます。

虎の剥製と敷物がなくなり、館内の礼拝堂に場面転換。ここで二組の結婚式が恙なく執り行われます。この場面は合唱団も加わって、荘厳な感じが出ています。

結婚式の後、結婚披露パーティに移りますが、ここでバレエ団によるロシア風ダンスが披露されます。ここが唯一、ロシアの雰囲気が強調されている場面でしょうか。左の写真が、結婚披露パーティで上演されるロシア風ダンスの場面です。

華やかな雰囲気を盛り上げるには、最高の演出です。セルギウス公は、結婚披露パーティにサーカス団のメンバーも招待しており、ダンスが終わるとメンバーが会場に入ってきます。会場後ろに「ミスターXの垂れ幕」が飾られ、今後の展開を予感させます。

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ここで、新郎のコロソフ公が実はミスターXであることを暴露。皆から“フェードラはサーカス妃殿下だ”とはやし立てられます。

気位の高いフェードラは騙されて大恥をかかされたことに憤慨しますが、ミスターXが実はフェージャ・パリンスキーであることを知って、驚愕します。ちなみに、この切れ方を見ているとマリッツアを連想させます。

フェードラは、フェージャに許しを請いますが、彼は彼女に背を向けて館を出て行くのでした。左の写真がミスターXの素性が明かされ、二人の恋がはかなく消えていく場面です。

幕が下りて、暗転で第3幕に移ります。

○第3幕
2ヵ月後、ウィーンにある「カール大公ホテル」のレストランです。

ご存じのようにカールマンの作品は、3幕になると音楽が極端に少なくなって、お芝居中心の展開になる例が多いのですが、本作品も、そのパターンです。それでも今回の演出では「伯爵令嬢マリッツア」より、聴かせる歌が多いかも知れません。

暗転の途中、緞帳の前でサーカス団のメンバーが箱を開けると、そこにはメイドやボーイの服が入っています。それに着替えたところで、幕が開くという展開です。

サーカス団のメンバーは、レストランの従業員に転職したようですね(笑)。

レストランでは老給仕長(オーバーケルナーですね)のペリカンが仕切っています。ペリカンは、自分の勤続30周年パーティを楽しみにしています。ただ、我が儘なお客さまが多いためか、いらだっています。

レストランの雰囲気がよく出ていますが、ここで注目したいのは、舞台奥で演奏している本物のピアニスト。

カールマンのオペレッタ作品の名曲をメドレーで演奏しています。劇場近くのCafé Weimarを思わせる雰囲気。本作品の後に発表される「シカゴの侯爵夫人」の楽曲も演奏されていました。

「カール大公ホテル」のオーナーでトニの母親カルラ・シュルムベルガーは気性が荒いので有名。そのため、トニはロシア旅行から新妻を連れ帰ったことを、波風を立てずに母親に伝える勇気がありません。そこで、ペリカンに頼み込みます。

トニとペリカンのやり取りはお芝居中心ですが、面白い場面です。また、カルラとペリカンのデュエットは、3幕前半の聴きどころです。

トニはマーベルをカラルに見つからないように、ホテルの16号室にかくまっています。そのため「16号室のお嬢さん」と呼ばれているのです。

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トニは、マーベルがホテル内を出歩かないように、ウィーン名菓(フォルクスオーパーの「あらすじ」にはトルテと書かれています)で手なずけようとするのですが、我慢できずにレストランにやってくるマーベル。

ここで、トニとマーベルが踊りながら歌う楽しいデュエットが3幕の見どころの一つ。

スプレッドとブッフォの本領発揮で、トニがマーベルを振り回す振付があり、盛り上がります。後半はバレエ団のダンサーも加わって派手な踊りを披露します。右の写真が、その場面。お盆の小道具がポイントです。

トニは何とかマーベルを16号室に連れ戻し、ペリカンがおどおどしながらカルラにマーベルの一件を伝えようとします。この場面、ペリカンとトニのお芝居がキーポイント。

が、このやり取りをレストランに戻ってきたマーベルが見ているのでした。トニのあいまいな態度に業を煮やしたマーベルは、カルラに“自分がトニに妻で、サーカスのメンバーだった”と告白。

嫁がサーカス出身と聞いて、卒倒しそうになるカルラですが、ここでオペレッタらしい展開が。何とマーベルは、かつてカルラが恋していたブルクシュターラー少佐の娘であることがわかり、不満は喜びに変わり、二人の結婚を祝福します。

ちなみに右の写真は、嫁がサーカス出身と聞いて、卒倒しそうになるカルラを見ている固まっているマーベル、トニ、ペリカンです。

二人の一件が決着したところへ、フェードラはセルギウス公とともに、カール大公ホテルのレストランを訪れます。

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母親から“貴女はホテルの跡継ぎなのだから、給仕の仕事もしなさい”と厳命されて、渋々仕事をするトニ。何と、最初のお客さまが、自分が苦手なセルギウス公と知って、ビビりまくります。

セルギウス公は、貴族の息子だと思っていたトニが、レストランにいるので、びっくり仰天。“一緒にシャンペンを飲もう”と誘うのですが、カルラの発言で、トニがホテルのオーナーの息子であることを知るのでした。

そこへ、曲馬を披露するためウィーンを訪れたミスターXがレストランにやってきます。席は隣同士。

ここで二人の意地の張り合いが、見どころです。二人とも素直になれないところは「メリーウィドウ」のハンナとダニロのようです。

オリジナルでは、ミスターXがセルギウス公を、席から追い払うように依頼するようですが、本演出では、その場面はなく、セルギウス公は、二人のやり取りを静かに見守っています。

さて、二人の結末は‥ というところで、舞台が暗くなり、一瞬、オープニングのスタニスラフスキー・サーカスの朽ちたサーカス小屋に。

そこに登場するのはスタニスラフスキー団長と守衛。守衛が、“それで、話はどうなったんだ”と団長に詰め寄ると、団長は“当然、二人は結ばれたよ”と言うと、照明が明るくなり、レストランに戻ります。

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フェードラは、今まで自分を支えてくれたセルギウス公に挨拶をして、ミスターXことフェージャに抱きつくのでした。
このフィナーレの演出は、なかなか良かったですね。この後、出演者が全員登場して、楽しい演奏を交えた華やかなカーテンコールとなります。

今回、サーカス団のメンバーも含めて出演者も多いので、カーテンコールも賑やか。当然、演奏付きです。

なお、休憩後の後半は1時間15分ほどですが、お芝居が中心の3幕が、実際よりも長く感じる気がします。

「あらすじ」に沿って新演出の見どころをご紹介したところで、今日はおしまい。明日はFeriの独断と偏見で、出演者の仕上がりをご紹介しましょう。


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