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February 01, 2017

ÖBB 怒濤のディスカウント攻勢

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今日は「鉄道運賃のディスカウントにまつわる話題」をお届けしましょう。

日本の国鉄は、分割民営化の際に、貨物会社を除いて上下一体方式が採用されたため、同一路線で競争が発生するというケースはなくなりました。

それに対して、ヨーロッパの多くでは上下分割方式を採用しているため、同一路線での複数の会社が列車を運行することが可能になりました。

線路こそありますが、高速バスや航空機と同じような競争環境に置かれるようになった訳です。

また、格安の長距離バスやLCCも大きな脅威になってきています。そこで、旅客運行会社は、運賃のディスカウントで対抗するようになってきました。

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ÖBBも例外ではありません。直接的な競合があるのは、現在、西鉄道だけですが、主要幹線で信じられないような格安チケットが販売されています。

例えばWien-Salzburg間は、通常、2等で53.1Euroですが、列車指定で、かつ早期に購入すると19.0Euroで乗車することができます。

日付、列車指定なので、原則として変更はできないのは、格安航空券と同じ仕組み。半額以下というには魅力的ですね。

ただ、全列車が同じ運賃ではなく、運行される時間帯によって運賃が変わるようになっています。これは移動に最適な時間帯はディスカウントしなくても利用者が確保できるためだろうと思います。

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さらに1等はプラス10Euro、Business Classもプラス25Euroで利用できるため、通常の正規2等運賃よりも安い値段で1等やBusiness Classの旅を楽しむことができます。

なお、座席指定には、別途3.0Euroの指定料金が必要ですが、混んでいる時期でなければ、指定の必要はありませんね。

ディスカウント率が高いのは、Wien-Graz間です。通常運賃が2等で38.2Euroであるのに対し、ディスカウントチケットは何と9.0Euro。ウィーン市内で公共交通に4回乗る程度の費用でGrazまでRailJetで行くことができます。

先日ご紹介したNightjetもLCC+ホテルや夜行バスを意識した価格設定になっていますが、やはり価格は、競争を勝ち抜く上で、重要な要素になっているようです。

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ちなみnWien-Dresden間の夜行列車は、座席利用で29Euroですが、クシェットはプラス10Euro、個室寝台はプラス30Euroで利用できます。ちなみに正規料金は、座席利用で89Euroです。

つまり正規料金よりも安い値段で個室寝台が利用できる訳です。この値段だったら、LCCを利用してホテルに宿泊するより、格段に費用を抑えることができると思います。

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ディスカウント運賃ですが、格安航空券と同じく、利用日と列車が指定されているため、予定がはっきりしない場合には利用が難しいというデメリットがあります。この点は、やむを得ないでしょうね。

ただ、こんな料金で、商売として成立するのかどうか、Feriは心配ですが‥

一方、直接的なライバルに当たるWestBahnは日にち限定(利用日が少ない日)で、ディスカウントを行っていますが、企業体力の違いから、ÖBBほど極端なディスカウントは行っていません。

ただ、利便性を向上させるため、スマートフォンによるチケット販売(画面の二次元バーコードがチケットになるもの)も本格的に始めています。これは間接コストの削減を狙っているものでしょう。LCCと同じ発想ですね。

この結果、「いつでも手頃な値段で、利用できる」というコンセプトで一定の支持を集めているようです。昨年のアドベント、友人の見送りにWestbahnhofに言ったとき、夕方の列車が満席になっていました。

ただ、ÖBBは意図的に、WestBahnとの接続を悪くしているようなので、ローカル駅が最寄り駅になっているお客さまは、乗換駅で長い待ち時間が生じて、正直、不便だそうです。そのため、WestBahnの列車が停車する駅の利用者が多いような感じがします。

ところで日本のJRも各種割引キップを販売していますが、ここまで徹底したディスカウントはあるのでしょうか? 

確か、以前、JR東日本のインターネット予約サービスで、列車指定によるディスカウント運賃を利用したことがありましたが、これほど割引率が高くなかった記憶があります。ましては、強気のJR東海は‥(以降、自粛‥)。

LCCとの競争が激しさを増している航空業界では大手もディスカウントに踏み切っていますが‥

やはり適正な競争は、利用者にとってサービス向上につながるという例ですね。

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