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April 13, 2017

変わったお店シリーズ120 ディスカウント書店BOOX

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今日は、「変わったお店シリーズ」をお伝えしましょう。

日本では、最近、大手インターネット通販の「密林」(最近では、書籍以外の商品が多いのいかもしれませんが‥)が進出してから、普通の書店が街から消えているという話を耳にします。

確かに日本の場合、小規模な個人書店には、自分が欲しい書籍の在庫がなく、取り寄せてもらうことになるケースが多かった気がします。

そうなると在庫が豊富なインターネット通販で購入した方が、結果として、手元に来るのが早くなるので、当然の帰結かも知れません。

そんな中、いわゆる中古本の流通を行っているチェーン店が人気を集めているという話を聴いたことがあります。

Feriが子供ころから「古本屋」という業態は存在しましたが、何となく薄暗いイメージがありました。しかし、最近のチェーン店は、明るく広い店内で、売るお客さま、買うお客さまとも年齢層が広く、気軽に利用しているようです。

そう言えば、日本にあるFeriの実家近くにも1軒ありましたね。以前は、UNIQLOだったのですが、同社が撤退した後に入ったものです。

さて、オーストリアでは、今でも比較的書店を多く見かけます。最近ではチェーン店の比率が増えてきましたが、それでも個人経営の書店も健在で、読書が文化として定着していることをうかがわせます。

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このブログでもご紹介しているように、「街頭図書館」のように自由に書籍を借りることができる施設も運用されているのも、読書を愛好する人が多いからでしょうね。

当然、古本屋さんも多数あります。特にウィーンなどは歴史ある街ですから、古い楽譜なども含めて、ある意味、「古書の宝庫」かもしれません。ただ、Feriは古書に関しては関心が薄いので、この手の古書店を巡ったことはありません。

さて、Westbahnhof近くに、ちょっと変わった書店があります。

「BOOX」という屋号のお店ですが、看板には「Buchdiskont」と明記されていることからわかるように、「書籍の安売り店」です。

日本の場合、皆さま、ご存じのように再販制度があるため、新刊本の値引き販売はできません。そのため、新しい本でも、いわゆる古本の形で買取を行った上で、販売しているようです。

また、書店による買取ではなく、委託販売が基本なので、一定期間を過ぎると版元への返本があります。

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Feriは、その昔、小さな出版社に勤務していました、毎月、返本日には、社員総出で、返本をトラックから降ろして、倉庫にしまう作業をしていました。懐かしいですねぇ‥ 

取次店からの返本を出版社を介さず、処分するという方法もあるのですが、数を正確にカウントできないため、当時の社長の考えで、自社で一旦引き取る方式をとっていました。ちなみに、これが本来の姿です。

なお、海外では、買取が一般的なようですが、それでも販売価格は拘束されているケースが多いようです。

オーストリアの書籍販売に関する制度について、気になったのでちょっと調べたところ、日本の国立国会図書館が「諸外国の書籍再販制度」という資料を公開していました。

これによるとEU圏内でも、国によって制度が微妙に異なるようで、オーストリアについては2000年6月に再販制度に関する法律が施行されました。ただ、時限再販制度があるため、一定期間経過後は値引き販売が可能になっているようです。

これに関して面白いエピソードが、紹介されていました。それは、オーストリアでおなじみの大手書店チェーンのリブロが絡んだ事件です。

インターネットによる販売を行うオーストリアのリブロ(The Austrian Libro Internet Shop)が、20%引きでドイツにベストセラータイトルを販売したところ、複数のドイツの出版社が、リブロへの供給を止めるという事件が発生。

欧州委員会は、この行為を出版社などによる違法な共謀であるとして、調査手続を開始しました。

しかし、2002年3月に、ドイツの出版社協会と書店協会が、国境をまたいでドイツ国内の消費者にドイツ語書籍を販売する自由を認めたことを受け、欧州委員会は、調査手続を取りやめます。

しかし、リブロ事件を契機に、2002年2月に欧州議会は、加盟国内の文化的政策上の観点から、書籍の再販制度の導入を薦める報告書(The Rothley Report)を採択しました。

同報告書は、固定価格制度として、下記の二つの提案を行いました。

1.出版社が書籍の小売価格を設定し、契約上の同意を通して、最終販売者に小売価格を維持することを義務とするもの

2.法または勅令に基づき、出版社が書籍の小売価格を決定することを義務とし、最終販売者は、決定された小売価格を維持することを義務とする

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なお、欧州議会では、書籍の再販制度を採択するかどうかは、加盟国の決定に委ねています。こうした経緯から、EUでは、加盟国の国境をまたいで消費者に販売される書籍は、原則として再販制度の対象にならないことが明らかになりました。

オーストリアの書店が引き金になって、再販制度の法整備が始まったという訳です。

確かに、今は、こちらでもインターネット通販で書籍類をお買い求めになる方が急増しているようです。そう考えると、国によって値段が違えば、つい安い方を選びたくなるのは、人情ですね。

実際に本を買うわけではないのですが、興味があるので、何回か、この店を訪れていますが、いつもお客さまが入っているという印象です。

時限再販制度を利用してディスカウントをしているのか、それとも特殊なルートで仕入れをしているのかは、残念ながらFeriにはわかりませんでした。

なお、時々、セール(ABVERKAUF)を打っているようで、以前、アドベントの時期に訪れた際は、最大70%引きの表示がありました。

こちらでも、各種のディスカウントストアは人気がありますが、書店も、その例に漏れない‥と言ったところでしょうか。

ところで、この書店が入っている建物には、PBを積極的に展開するディスカウントスーパーマーケットのHoferが入っています。

偶然なのかも知れませんが、ディスカウントショップが集まっているところに、何らかの意図があるような気もします。


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