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June 29, 2017

JRに似てきた? ヨーロッパの高速鉄道

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今日は「鉄道の話題」をお届けしましょう。

ドイツの高速鉄道ICEが営業を開始してから、2016年で25周年を迎えました。

ICEは1991年6月2日、ハノーファー-シュトゥットガルト間の高速新線開通に合わせて、ハンブルク-フランクフルト-ミュンヘン間で運行を開始したもので、当時の最高速度は250km/hでした。

当時、すでにフランスではTGVが営業運転を開始しており、ICEの営業開始により、ヨーロッパも本格的な高速鉄道時代に突入します。同時に、従来の鉄道輸送のコンセプトが大きな転換点を迎えたことになります。

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TGVやICEが登場するまで、ヨーロッパでは長距離旅客列車は、高速道路網や航空路に押されて、「斜陽の道」をたどっており、その打開策として1957年にTEE(Trans Europ Express)が誕生しました。

登場当時のTEEは、オール一等の昼行国際列車でした(後に西ドイツ、フランス、イタリアに限り、国内発着のTEEも誕生)。

正規料金で航空機を利用するようなビジネスパーソンや富裕層をターゲットとしていたため、そのサービスもレベルの高いものでした。

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食堂車はもちろん、バーコーナーを設けた車両なども連結されていました。有名なのは、フランスの「ミストラル」に連結されていた美容室や秘書室を備えた客車です。

今から考えると最近、日本で流行っている富裕層向けの特別車両にも一脈通じるものがあります。最もTEEは、クルーズトレインではありませんでしたので、基本的なコンセプトが異なりますが‥

その後、TEEの流れを汲むICが運行されるようになりましたが、一番の違いはオール1等から2等車が連結され、その比率が高かったことでしょう。

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ドイツなどでは、1等車と2等車の間に食堂車が連結されていました。当時は、ほとんど機関車が牽引する形の客車列車でした。

まだまだ「列車の旅を楽しむ」という「ゆとりのある時代」だったかもしれません。

しかし、TGVやICEの登場、更に他国への乗り入れが本格化するにつれて、列車の編成はシンプルになってきました。こちらは階級社会なので、1等車は連結されていますが、内装はシンプルになりましあ。

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ICEやÖBBのRailJetなどは食堂車も連結されていますが、TEEの食堂車とは、残念ながら質が異なります。

TEEの場合、本格的に車内で調理した料理を提供していましたが、現在の高速列車は、地上で調理してある料理を車内で温めるだけというパターンが中心になってきました。

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その結果でしょうか、相対的に利用者も減っているようです。

特にTEE時代と異なり、不特定多数の乗客が乗っているので、自席を離れて食堂車で食事をするのは、荷物の盗難などのリスクもあります。

食堂車の利用者減少は、そういった背景があるのかもしれません。

イギリスでは、上下分割方式のメリットを最大限に生かして、飛行機の機内食のような食事を提供している運行会社もあるそうです。

ただ、ドイツ鉄道に関しては、1等車では乗務員にオーダーすると、食堂車から自分の座席まで食事を運んできてくれるサービスはありますが、無料で食事が提供される例はないようです。ÖBBも基本的にドイツ方式ですね。

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基本的にシンプルな構成の列車を見ていると、効率を最優先し、編成を同じ仕様に統一しているJR東海の東海道新幹線を連想させます。

さすがにヨーロッパでは、まだJR東海の東海道新幹線ほど徹底していませんが、何となく目指している方向性が似ているような気もします。列車が高速化により、乗車時間が短くなると、行き着く先は一緒なのでしょうかね。

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さて、TEEの話に戻りますが、以前は「国(国鉄)を代表する優等列車」という位置づけだったため、車両のデザインや内装、サービスなどにも、それぞれ力を入れていました。

ただ、ÖBBは、TEEの運行には熱心ではなかったこともあり、自前のTEE線用車両を保有していませんでしたのが、残念なところです。

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ÖBBも民営化後は、低料金で利用できる運賃が充実するなど、鉄道の旅も大きな変化を迎えているような気がします。


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Comments

かつてのTEE時代の様に高所得者層をターゲットにしているのと違い、今は低所得者はともかく、中間所得者以上をターゲットにしている以上、食堂車の質も変わってしまうのは当然でしょうねぇ・・・また、高速新線の建設で列車自体のスピードがアップすると、どうしても軽く食べるくらいで丁度良いと考える人が多くなってしまいます。ユーロスターやタリスの様に1等車は機内食方式の食事になり、TGVはバー車を設ける位でコストダウンと、ドイツやオーストリアの様にまだ食堂車を設けている所と随分差を感じます。ただ、肝心の食事の内容は随分と簡略化されたみたいですが・・・オリエントエクスプレスの様なクルーズ列車を除いて、食堂車で本格的な食事というのは昔語りになる日も近いのかもしれません。

Posted by: おざきとしふみ | June 29, 2017 at 09:08 PM

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