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June 05, 2017

オーストリアの風力発電事情

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今日は「オーストリアの電力事情」にまつわる話題です。

オーストリアでは再生可能エネルギーの活用という観点から、太陽光発電に加えて、以前から風力発電にも力を入れています。ただ、太陽光発電と異なり、最適な地域が限られています。

ご存じの方お多いと思いますが、風力発電は強風が吹く場所は不向きで、風は弱くても、安定して風が吹く場所が最適なようです。

ブルゲンラント州の風力発電施設を観ると、プロペラがゆったりと回転しており、これで本当に発電できるの?という疑問がわくほどです。

実際にはプロペラの回転数をギアで増速して、発電機を回しているので、ゆっくりと回っていても問題はないそうです。

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ところで、日本のように定期的に台風が襲来する地域では、プロペラの保護が難しいという話を耳にしたことがあります。

実際、日本の離島などでは、台風が襲来した際、プロペラが破損し、風力発電が一時、運用を停止したこともあるそうです。

また、北海道の宗谷岬には大規模なウィンドファーム(風力発電施設)がありますが、風との付き合い方が難しいとか‥ あのエリアも冬は強風が吹きますからね‥

以前、新聞にオーストリアの「風力発電の現状」が紹介されていましたが、最も発電量が多いエリアがニーダーエスターライヒ州(797mw)、次がブルゲンラント州(770mw)です。それ以外は発電量が少なく、ウィーンは7mw、シュタイヤマルク州は83mw、オーバーエスターライヒ州26mw、ケルンテン州0.5mwとなっていました。

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やはり山が多いため、気流が安定しないザルツブルク州、チロル州などではウィンドファームはなく、発電実績がないようです。

この情報を見ると風力発電に向いている地域と不向きな地域がはっきり別れていることがわかります。

Feriは、てっきり広大な平原が広がるブルゲンラント州の方が、発電量が多いと思っていたのですが、ニーダーエスターライヒ州の方が、上なのですね。

なお、現在、オーストリアにある風力発電施設は1191箇所あるそうです。

この記事を見ると、2000年には79mwだった風力発電の総発電量が、2014年には2064mwにまでアップしていることがわかります。

発電量が3倍弱に増えている訳です。このデーターを見るとオーストリアが積極的に風力発電を推進している様子がわかります。これはクリーン電力法の施行が大きく後押しをしているようです。

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なお、オーストリア風力エネルギー協会が発表している最新のデーターによると、2016年は風力発電の発電量が更にアップし、2632mwになっています。さらに2017年には2818mwにアップすることが予想されています。

ちなみに週別の発電施設数ですが、ニーダーエスターライヒ州には654箇所、ブルゲンラント州には416箇所、シュタイヤマルク州には81箇所、オーバーエスターライヒ州には30箇所、ウィーンには8箇所、ケルンテン州には1箇所あります。

ただ、オーストリア風力エネルギー協会は、この2年ほど新しい風力発電施設の建設は停滞していたと発表しています。

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なお、オーストリアで風力発電事業を行っている企業は、ENERCON(47%)、SENVION(30%)、Vestas(23%)という3社です。

この他、オーストリアでは、国民に風力発電に対する理解を深めてもらうため、「Tag des Windes Feste」(風力発電施設のオープンハウス)を、毎年、開催しています。

写真は、オーストリア風力エネルギー協会が提供している「Tag des Windes Feste」の模様です。ちなみに各州で、別日程で開催されているようです。

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ところで、皆さまもご存じのようにオーストリアは山国です。そのため、発電の主力は水力発電です。現在、総発電量に占める水力発電の比率は60%以上にのぼっています。

ちなみに火力発電の比率は26%ほどです。このデーターを見ると、山岳国家の利点を活用していることが良くわかります。なお、風力発電の比率は9%程度です。

ところで、同じく山岳国家のスイスですが、興味深い話を耳にしたことがあります。スイスでは、ヨーロッパ諸国に先駆けて、連邦鉄道(SBB)が、第一次世界大戦後、全路線の電化を決定しました。

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トンネルや勾配が続く山岳路線が多く、蒸気機関車の運転に向いていないという事情もあるのですが、実は、第一次世界大戦時、石炭の輸入がストップ。

その結果、蒸気機関車の運転にも支障を生じ、列車の運行を大幅に制限せざるを得なかったそうです。

そこで、第一次世界大戦後、このようなリスクを回避するため、水力発電所による電力供給を前提とした全線電化を決定したものです。

言わばリスク管理の一環として、電化を決定したのです。永世中立国は、エネルギーの自給も考慮する必要があるという逸話ですね。

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