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July 03, 2017

趣味雑感(上) Club760が運営するTaurachbahn

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今日は「趣味の話題」をお届けしましょう。

日本では、かつて趣味のことを「道楽」と言っていたように、「社会的に自立した大人が、余暇に楽しむもの」が本来の姿なのだと思います。

そうなると、当然、親の庇護を受けている子供が、趣味云々というのは、時期尚早という気もします。そう言っているFeri自身も、子供の頃、趣味云々と言っていたので、今から考えるとお恥ずかしい限りです。

先日の屋外有償イベントではありませんが、世界的に見ても日本は、写真撮影を趣味にしている人が非常に多い国だと思います。

それは、国内に世界的にも名が知れた優れたカメラメーカーが複数存在し、高級なカメラやレンズが比較的簡単に入手できるという背景があるのかもしれません。

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ただ、お値段は、内外価格差がなくなって、非常に高いですが、なぜかプロ用機材を使っているアマチュアが多いのも日本の特長です。

実際、高級カメラは買ったものの、何を撮影するのか決まっていないという話を時々、耳にします。

そのためでしょうか‥乗り物を対象とした趣味でも、写真撮影を中心とする活動をする人が圧倒的に多いような気がします。

先日、日本で行われたRedBullのエアレースにも多くのお客さまが集まったようですが、やはり望遠レンズを持ったカメラを持ったファンの姿が、会場の内外に非常に多かったという話を耳にしました。

最近では、こちらでも写真やビデオを撮影するファンが多くなっていますが、日本ほど高級な機材を使っている人は多くないようです。

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また、純粋に「その場に参加して、見て楽しむ」という楽しみ方もあるようで、殺伐とした雰囲気は少ないように感じます。もちろん、これは個人の感じ方なので、人によって捉え方は異なるとは思いますが‥

そして、鉄道趣味の世界では、最終的に自分たちの手で、保存鉄道を運営する(保存鉄道の運営に関わる)ことが、王道になっているようです。

Feriが25年以上前から訪れているザルツブルク州の外れにあるTaurachbahn(タウラッハバーン)は、Club760という保存団体が運営している狭軌の保存鉄道です。

当初から参加しているメンバーも見かけますが、新しく加わる人もいらっしゃるようで、顔ぶれも固定ではありません。

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Club760は、当初、車両の保存から始めたようですが、その後、廃線となったムールタールバーンの一部路線を譲り受けて、自分たちの手で、数年間かけて路線の整備を行い、1983年8月に試運転を始めました。

その後、当局から正式な営業許可を取得し、1988年から商業運転を行っています。

日本と異なり、いわゆる通常の鉄道とは異なる法令などが適用されるため、この手の保存鉄道の運営が可能になるという背景があるにせよ、ある意味、企業が関与しない形で保存鉄道を運営しているのには、頭が下がります。

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以来、25年以上にわたり、Mauterndorf-St.Andrä間10キロ弱と路線は短いものの、毎夏、保存鉄道で蒸気機関車の商業運転を続けています。

運営に参加しているClub760のメンバーは、本業がある訳ですが、週末の休みや夏期休暇を使って馳せ参じているようです。

そして、興味深いのは自分たちが持っているスキルを活用して、鉄道の運転、車両の保守をはじめとする各種活動を行っている事です。

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もちろん運行に関わるボランティアスタッフは、現役の鉄道員をはじめ、資格を取得しているメンバーに限定されているようですが、それ以外のスタッフも色々な形で関わっています。

例えば、線路の保守、客車の電気品整備、チケットの販売、売店の運営、Barwagen(ビュフェ車)の運営、お客さまの案内など、鉄道の運営には沢山のスタッフが必要です。

写真のように保守用の機材も保有しており、定期的に線路の保守を行っています。もちろん作業は外注するのではなく、スタッフが分担して行っています。

この鉄道は、実質的に臨時で運転しているため、踏切は基本的に自動車優先です。そのため、列車の運転時には、踏切前で停車し、スタッフが道路を走る自動車が途切れるタイミングで遮断機を下ろします。

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そして、列車を発車させます。踏切通過後、列車は一時停止。踏切の遮断機を操作していたスタッフを拾いあげて、再び発車します。

スタッフのご子息などが、同乗していることもあり、小さいうちから、ボランティアの心得を学んでいるような感じがしました。

本業の専門知識や技術を提供しているスタッフもいますが、どなたでもできる仕事に携わっているスタッフも多数、見かけます。皆さん、本当に楽しそうです。

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車両基地があるMauterndorfの駅舎が、ボランティアスタッフの宿泊施設を兼ねているようです。

さすがに大規模な車両整備に関しては、Club760が自力で行うことは難しいため、外部に委託していますが、日常に整備は、総てClub760のスタッフが行っています。そのため、Mauterindorfの車両基地には本格的な工具などを備えた機関庫があります。

「自分たちの手で、鉄道を運営する」‥ある意味、究極の趣味なのかもしれません。ボランティアスタッフにとって、この鉄道を訪れて、楽しい一時を過ごす一般のお客さまに接することが、最大のモチベーションになるようです。

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鉄道の整備は、現在も継続的に行われており、通常の保守に加えて、新しい車両の投入、設備の新設も行われています。とにかく「息の長い活動」であることは、間違いありません。何しろ、この30年間で、設備の充実には目を見張るものがありますので‥

また、列車の運行以外に、線路をはじめとする設備の保守といった地道な作業もあります。

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これらもボランティアスタッフが行っている訳ですが、仕事が終わったらBierで乾杯するなど、作業そのものを楽しんでいる様子が、Club760が発行している書籍で紹介されています。

ボランティアスタッフの中には、Clubメンバーの子供さんと思われる青少年も参加しています。単純に写真を撮影するだけでなく、こういった地道な活動に関わることで、趣味の本質を小さいうちから会得するのかも知れません。

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これは、何も鉄道趣味に限ったことではなく、他の趣味でも、基本は同じようです。また、メンバーの同志も、各種の活動を通じて人間関係を深めていると思われます。

恐らく人生の中で、大切な友人が沢山できていることでしょう。そんな活動こそが趣味の真髄と言えるのかも知れません。


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