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August 12, 2017

内燃機関自動車の未来は?

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今日は「環境と自動車のお話」です。

皆さまもご存じのように、7月6日、フランスのユロ・エコロジー大臣(環境連帯移行大臣)が、2040年までに、二酸化炭素の排出削減のため、国内におけるガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止すると発表しました。

また、26日には、イギリスも2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出しました。

それに呼応するかのように日本でも、トヨタがマツダに出資し、関係を強化して電気自動車の開発を進めるというニュースも流れてきました。

こちらでも、現在、電気自動車は走っているものの、ごく少数です。そのため、20年後にガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した自動車を完全に排除できるのか疑問の声も上がっているようです。

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とくに電気自動車の走行距離やバッテリー寿命など技術的課題、さらに給電インフラ整備や、産業構造転換など経済的課題もあるため、実現は難しいとする見方が一般的です。

確かにドイツや日本など、自動車産業が基幹産業となっている国では、大変な構造転換になるので、難易度は高いと思います。

オーストリアの自動車産業は、Magna Steyr Fahrzeugtechnik AG & Co KG(マグナ・シュタイアー)が代表です。

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同社は100年以上続く車両生産と、幅広いサービス提供を行っていますが、独自ブランドを表に出さないエンジニアリングパートナー、かつOEMの製造パートナーです。

2002年にはダイムラー・クライスラー社のEurostar車両製造施設を買い取り、年間20万台の生産を行っています。

また、メルセデス・ベンツ車の四輪駆動方式(4MATIC)を開発し、メルセデス・ベンツ・Eクラス・4MATICの組み立てを全数担当しています。

仮に、ヨーロッパでガソリンエンジン車の販売が禁止されることになると、オーストリアでは、同社が最も影響を受けると思われます。

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ところで、日本のハイブリッド車は、基本的にガソリンエンジン車をベースにしていますが、本来の電気自動車は、ガソリンエンジン車とは、全く異なる仕様になります。

理想的には、駆動モーターをタイヤのホイールに装着する「ダイレクトドライブインホイールモーター方式」が、最も効率が良いと言われており、現在、研究が進められています。

仮にダイレクトドライブインホイールモーター方式が主流になると、内燃エンジン車では不可欠な変速機やディファレンシャルギアなどが不要になるため、自動車関連部品を製造しているメーカーにとっては、大きな脅威になる訳です。

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そのため、日本やドイツのように、自動車産業が基幹産業となっている国では、関連企業の処遇が大きな問題になると思われます。

それだけに、自動車産業が基幹産業となっている国では、電気自動車への全面切替は、消極的にならざるを得ないのでしょう。

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ウィーンでは、ハイブリッド車プリウスのタクシーが劇的に増えており、電気自動車への転換を予感させられます。

ところで、日本では、あまり紹介されることがありませんが、このブログをご覧の方はご存じのようにオーストリアでは意外なほど給電インフラが整備されています。

驚くのは自治体が積極的に給電インフラの整備を行っており、地方の小さな街にも公共の給電スポットが設置されています。

さらに最近では、ホテルの駐車場にも給電スポットが設けられるようになりました。

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まだ、利用する車が少ないため、給電スポットは空いているケースが多いですが、給電スポットが設置されているということは、付近に送電設備が敷かれている訳ですから、今後、需要が増えればスポットの増設も比較的容易にできると思われます。

現状では、電気自動車は、バッテリーの関係で走行距離が短いと言われています。

しかし、給電スポットが多数設置されていれば、比較的短い距離を走る場合、ウィークポイントは克服できる可能性は高いと思います。


正直、Feriは、電気自動車があまり普及していない現在、オーストリアが、ここまで給電スポットの新設に力を入れている理由が、今ひとつわかりません。

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もっとも最近、ヨーロッパで問題になっているのは、ディーゼル車から排出される煤や窒素酸化物による大気汚染の方です。特に各メーカーがデーターを改ざんしたことが明らかになってからは、ディーゼル車離れが加速していると言われているので、こちらを早く何と介したいというのが本音かもしれません。

また、ガソリン車、ディーゼル車を問わず、内燃機関を利用した自動車の販売中止を訴える際、「CO2の排出抑制による地球温暖化防止」が「決め台詞」になっているのは、皆さまもご存じのとおり。

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しかし、一部の専門家の中には、「人工的に排出されるCO2など、地球の温暖化に大きな影響を及ぼす要素にはなり得ない。地球で発生する温室効果ガスで最大のものは、海水から排出される水蒸気である」という説を唱える人も居ます。まぁ、「CO2の排出抑制」は、排出権取引に代表されるように「大人の事情」がありそうですが‥

また、いくら電気自動車事態からCO2が排出されないと言っても、肝心の電気を作る過程でCO2が大量に排出されてしまえば、意味がありません。

ちなみに、ドイツでは石炭火力発電が主流なので、現時点で電気自動車に転換しても、あまり効果は期待できません。逆に原子力発電を主流にしているフランスでは、電気自動車に転換するとCO2の削減率は90%になると言われています。

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オーストリアは、化石燃料が自国内で産出されないのに対し、電力は水力、風力、太陽光など、様々な方式を活用し、自国内で生産することができます。また、以前ご紹介したことがあるように、発電の主力は水力です。

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そのように考えると、スイスが危機管理という観点で、早い段階から鉄道の完全電化を決めたように、電力で動くものは、そちらに転換させようと考えるのは、エネルギー資源の効果的な使用方法としては、納得できます。

オーストリアで、まだまだ電気自動車は普及していませんが、このブログでもお伝えしているようにウィーンでは電気自動車のタクシーやレンタカーも生まれており、普及に向けた動きが加速しているような気がします。

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