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August 29, 2017

Zahnradbergbahnen in Österreich(その2)

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昨日に引き続き「オーストリアの登山鉄道」のご紹介です。今日は、3つの鉄道の中で、ある意味、最も華やかなSchafbergbahnです。

Schafbergbahn
ザルツカンマーグートで最も華やかで、昔から夏は観光客で賑わうウォルフガングゼーの湖畔から、Schafbergへ登る登山鉄道です。場所柄、観光客に人気の高い鉄道です。

映画「サウンドオブミュージック」でも、ちょっとだけ出てきますし、オペレッタ「白馬亭にて」では、昆虫学者のヒンゼルマン教授が、女将のヨゼファに、この鉄道を語る場面があります。

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ところで、Schafbergには、山頂にオーストリア最初の山岳ホテルHotel Schafbergspitzeがあります。

Schafbergbahnは、このホテルへのアクセスと、周辺の観光客を想定して、建設が計画されました。

しかし、金融危機などの影響もあり、建設計画が思うように進まず、最終的にはザルツカンマーグート周辺の輸送を担っていたに狭軌鉄道Salzkammergut Localbahn Actiengesellschaft (SKGLB)が、建設・運行を担当することになりました。

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工事は困難を極めましたが、1893年8月1日、開業にこぎ着けました。ただ、St. Wolfgangまで、SKGLB鉄道の乗り入れができなかったため、現在と同じく、Wolfgangseeの連絡船と一体となった運行です。

鉄道の概要ですが、湖畔のSt.Wolfgang Schafbergbf(標高542メートル)から、山頂のSchafbergspitze(標高1732メートル)を結ぶ5.85kmの路線で、軌間は1000mm、最急勾配は255‰というオーストリアで最も勾配が急な歯車式鉄道です。

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乗車していても「登山鉄道」にふさわしい急勾配を実感することができます。

他の2つの登山鉄道が、山麓駅、山頂駅がほぼ水平になっているのに対し、写真をご覧になるとわかるようにSchafbergbahnでは、山麓駅、山頂駅ともに勾配になっています。

もちろん山麓駅の車両基地は水平にする必要があるため、ちょっと変わった駅の構造になっています。全区間が勾配区間であるため、全線にラックレールが敷設されています。

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余談ですが、この周辺は州の境が入り組んでおり、麓のSt. Wolfgang Schafbergbfはオーバーエスターライヒ州で、途中から、本来のザルツブルク州に入ります。

この鉄道は短い距離で、一気に山頂を目指すため、途中で森林限界を超えるなど、変化に富んだ景色を楽しむことができ、非常に観光客にも人気があります。

山頂からはWolfgangseeはもちろん、Mondsee、atterseeも見ることができます。

また、山岳地帯であるところから、開業時からほとんど景観が変わっていないのが特徴です。

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ラックシステムは、日本でもおなじみのアプト式を採用しており、全線、単線です。途中にはSchafbergalpe駅が設置されている他、行き違いのための設備(信号所)が設けられています。

蒸気機関車の場合、途中駅だけでなく、信号所でも給水を行っていました。

輸送力を確保することから、列車は、上り、下りとも続行運転が基本で、列車を制御する信号はありません。現在は、無線によって、列車の運行を管理しています。

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続行運転なので、先行する列車の運転状況を見ながら、後続の列車は速度を制御する必要があります。

当然、これに失敗すると、追突という事態が発生します。このブログでも、ご紹介したことがありますが、Feriは、かつてSchafbergbahnでディーゼルカーの追突現場を目撃したことがあります。

この鉄道ですが、創業時から、何回か経営母体が変わっています。SKGLBは、自動車交通の発達や山頂ホテルの火災喪失などの影響もあり、経営が傾き、1932年、同鉄道はÖBBに譲渡されます。

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さらに、ドイツ併合時の1938年には、Deutsche Reichsbahn(ドイツ帝国鉄道)の路線になっています。戦後は、その流れを汲んで湖を運航する連絡船とともに再びÖBBの路線となりました。

ÖBBの民営化を受けて、2006年からはSalzburg AGが運営するようになりました。当然、運営母体の変更によって、機関車の形式や番号も変化しています。

観光鉄道なので、通年運行ではなく、4月下旬から10月下旬までの運行です。

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Schafbergbahnでは、開通当初に投入されたオーストリアが誇るKrauss Linz社製の蒸気機関車Z1~6(ÖBB 999.101~106)が、改良を加えながら使用されてきました。

特に楕円形の煙突(ギースル・エジェクター)に改装されてからは、オーストリアらしさが強調されるようになりました。このほか運転室には、空気が薄くなった場所でもボイラーが円滑に燃焼できるよう酸素タンクが取り付けられています。

全長4.5メートル、全高3.3メートルという小型機関車ですが、プロポーションが素晴らしく、鉄道ファンから高い人気を集めていました。ちなみに最高速度は12km/hです。

後年は、黒一色から運転室部分を緑、青などに塗り替えた機関車が登場した他、各機に花にちなんだ愛称が付けられました。

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-Z1(999.101):Almrausch(1893年製)

-Z2(999.102):Enzian(1893年製)

-Z3(999.103):Erika(1893年製)

-Z4(999.104):Bergprimel(1893年製)

-Z5(999.105):AlmrauschⅡ(1894年製)

-Z6(999.106):Berganemone(1894年製)

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しかし、老朽化が進んだため、蒸気機関車による運転続行か、ディーゼルカーによる置き換えかを迫られる事態になりました。

ウィーン近郊のSchneebergbahnが、ディーゼルカーへの置き換えを選択したのに対し、Schafbergbahnは蒸気機関車による運転続行を決定。

そして、スイスのBrienz-Rothorn-Bahnで使われていた新製蒸気機関車H2/3型をベースにした機関車を、スイスのSLM(Schweizerische Lokomotiv- und Maschinenfabrik)に発注します。

これが999.201(後にZ11と改番)で、1992年に試作機が投入されました。

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同機は、全長6.2メートルと一回りサイズが大きくなりましたが、最も異なるのは、従来の石炭炊きから、軽油を燃料とするオイルバーニングシステムに変更されたことです。

そのため、期間助手が常時、石炭を釜にくべる必要がなく、運転が非常に楽になりました。

運用試験の結果を受けて、量産型が発注され、1995年に999.202から204(Z12~Z14)の3両が就役しました。

最高速度は12km/hと、在来機と同じですが、水タンクの容量も拡大されたことから、途中での給水を省略できるようになり、所要時間が大幅に短縮されるようになりました。

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ちなみに旧型機は、山頂へ登る途中、2回の給水が必要でした。ただ、途中で給水を繰り返しながら、のんびりと山頂へ向かうところが、オーストリアらしい、この「鉄道の魅力」の一つであったのも事実です。

さらに在来機は馬力が低かったため、定員58名の客車を1両しか押し上げることができませんでしたが、新型機は能力が強化されたため、客車2両を押し上げることが可能になりました。

新型蒸気機関車の投入に合わせて、新しい客車も投入されました。山頂へ向かう場合、機関車は山麓側に連結されるため、列車の進行方向を監視するため、先頭部に車掌が乗務しています。

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そのため、先頭車の定員は50名、車掌室のない客車の定員は55名です。なお、従来の客車も改造されて、引き続き運用されています。

新型蒸気機関車の投入により、旧型機は定期運行からは引退しましたが、非常に人気が高いため、一部は動態保存されて、Nostalgie-Danpfzügeという特別列車に投入されています。

そして、Schafbergbahnが115周年を迎えた2008年には、999.101号機が開業当時の姿に復元され、修復された客車とともに2008年5月にはKaiserzug(お召列車)が運転されています。

現在は、Nostalgie-Danpfzügeとして、1日1往復、当別運転(運賃も別立て)で運転されています。

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Schafbergbahnでは、蒸気機関車に加えて、小回りのきくディーゼルカーVT21・22を1964年に2両、投入しました。

製造は、ウィーンの路面電車などを製造しているSGP(Simmering-Graz-Pauker A.G.)が担当しています。ディーゼルカーは蒸気機関車と異なり、途中駅での給水の必要がないため、折り返し時間が短く、輸送調整にうってつけ。

そのため、蒸気機関車を使う列車を補完する形で運用されています。1964年に製造されたため、デザインは今から見ると、ちょっと古めかしい形ですが、正面の大きな二枚窓が特徴です。

定員は75名なので、旧型蒸気機関車を使う列車よりも多くの乗客を運ぶことができました。

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しかし、最近になってエンジンが故障し、代替え品の入手が難しいことから、2両とも廃車にすることが検討されました。しかし、最終的には1両を廃車にし、その部品を活用して、VT21を復旧させています。

ただし、これでは輸送力が低下するため、2010年にはStadler Rail AG製の電気式ディーゼル機関車(Dieselelektrische Lokomotive) VZ31型が投入されています。また、2016年には同型機が増備されています(VZ32)。

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現在の陣容ですが、旧型蒸気機関車5両、新型蒸気機関車4両、ディーゼルカー1両、ディーゼル機関車2両、客車15両となっています。

正直なところ、蒸気機関車が残っているとは言え、新型蒸気機関車はオーストリアらしくないデザインであることから、Feriにとっての魅力は半減してしまいました。

新型蒸気機関車が主力なってからも、何回か訪問しましたが、やはり好きにはなれず、最近は、ご無沙汰になってしまいました。

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構造上の違いから、同じ蒸気機関車ながら排気音が全く異なることも、魅力が低下した要因かも知れません。

Schafbergにはハイキングコースが設定されていることから、ハイキングのお客さまも多数利用します。この場合、山頂までは列車を使い、その後、徒歩で下山するという方が多いようです。

3つの登山鉄道の中で、車窓の風景も最も素晴らしく、山頂からは3つの湖を俯瞰することができます。

しかも、山頂まで、一般のお客さまは自動車で向かうことができないため、Schafbergbahnが唯一の交通手段となっています。そういう意味では、観光鉄道ですが、比較的安定した集客が見込めると思います。

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一般の観光客の皆さまは、往復とも列車を利用します。基本的に午前中は山頂行き、午後は山麓行きの列車が非常に混みます。

ただ、数列車の続行運転に加えて、新型車両の投入で、輸送力が増強されたとは言え、輸送力に限りがあるため、午後は下山に使用する列車の予約がなかなか取れないといった事態も発生します。

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オペレッタ「白馬亭にて」でも、急に雨が降ってくるシーンがありますが、ザルツカンマーグート地方が複雑な地形も影響して、天候が急変しやすいのも特徴。

そのため、天候が急に悪くなったので、急いで下山しようと思っても、列車が満席で、しばらく山頂で待機‥ということもよくあります。

山頂駅から利用する場合、予約が可能ですが、中間のSchafbergalpeでは予約ができません(現在の状況は詳しく存じません。あしからず‥)。

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そのため、山麓行きの列車を利用する場合は、空席がある場合に限定されます(そもそも、この駅から山麓まで列車を利用する人が少ないのですが‥)。

Feriは、一度、天候が急変したためSchafbergalpeから山麓行きの列車に乗ろうと思ったのですが、満席続き。結局、車掌さんの好意で、何と客車の車掌室(山頂側の先頭部分)に入れてもらい、何とか下山したという記憶もあります。

写真は、霧の中を山麓へ戻る列車の中から撮影したものです。

旧型蒸気機関車が運転されていた時代、Feriが気に入っていたオーストリアの狭軌鉄道が、このSchafbergbahnでした。一時期は、毎年のように訪問して、写真を撮影していたものです。

最近はSt.Wolfgang周辺も大きく変化しつつあり、Feriにとっては、往年の魅力が半減してしまったのが、残念なところです。

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