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September 27, 2017

“オレンジ色の憎いヤツ” CityBikeにライバル出現ですが‥

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先日、ウィーンでは自転車を、「都市内でのパーソナル交通手段の一つ」と位置づけているという話をしましたが、今日は、それに関連した話題です。

このブログでも、何回かご紹介していますが、ウィーンでは、市当局が中心となって無料の自転車シェアシステム“CityBike”が運営されています。

試行錯誤の末、クレジットカードによるデポジット制が採用されてからは、安定した運用ができるようになりました。

最近では、ステーションも街中に増えて、住民のみならず、観光客の皆さまも気軽に利用できるようになりました。

“CityBike”は、一見すると、完全に利用者任せのように見えますが、実は、各ステーションにスタンバイする自転車が偏るのを防ぐため、定期的に自動車で「シェアバイクの回送」を行っています。

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また、「Westbahnhofの駐輪場」の記事でもお伝えしましたが、ウィーン市がホームページ上で提供している地図にもCityBikeのステーションが表示されるようになっています。

さて、今年の夏頃から、奇妙な自転車がウィーン市内で見かけるようになりました。明らかにCityBikeとはデザインが異なるシェアバイクらしき自転車‥ 

実は中国系のofoという会社(本社はシンガポール)が始めたシェアバイクシステムoBikeであることがわかりました。

このプロジェクトは2014年に北京の大学で始まり、現在、12カ国170都市以上で800万台以上のシェアバイクを運用しているそうです。

“デポジット制とは言え、無料で利用できるCityBikeに対抗できるのか?”という疑問を持つ皆さまもいらっしゃると思いますが、実はCityBikeには、唯一の欠点があります。

それは、「ステーションで借りて、ステーションに返却する必要がある」という点です。

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最近では、ステーションが増えたとは言え、自宅やオフィスの直近にステーションがあるとは限らないので、その場合、CityBikeを借りるためにステーションへ出向き、かつ返却後は徒歩で目的地へ‥という行動パターンになります。

そこで、ofoが考案したのは、「ステーションフリーのシェアバイクシステム」。スマートフォンの専用アプリを使い、自転車のレンタルを行うもので、使用後は乗り捨て自由(とは言っても、一応、公共の無料駐輪場に止めるように推奨されていますが‥)。

自動車シェアリングシステム「car2go」の自転車版と考えて良いでしょう。こちらはドイツ生まれですが‥ちなみにウィーンでは、「car2go」用のスマートスタイルは700台ほど運用されています。

ウィーンの「car2go」は、路上の駐車スペースに自由に止めることができますが、ちゃんと駐車料金を運営会社が支払っていますので、問題はありません。

さて、話をofoに戻すと、利用は簡単で、アプリケーションのダウンロード後、ユーザー登録を済ませると、アプリケーションを使用して空いている自転車の検索ができます。

該当する自転車に到着すると車輪のQRコードをスキャンすれば、ロックが解除されて、すぐに利用可能。当たり前ですが、自動車よりも簡単です。

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しかも、シェアする自転車は、有料ということもあり、CityBikeよりもクォリティがワンランク上。アルミフレームの自転車のようです。

8月の運用テストはレオポルドシュタットで行われたようで、この時は無料でした。本格運用が開始されてからは、30分1Euroの利用料金がかかります(当初は30分50centと発表されていました)。

なお、利用料金は、登録したクレジットカードから引き落とされる仕組みです(時間については、レンタル開始時、返却時にQRコードをスキャンすることで、チェックイン、チェックアウトが行われます)。

ofoでは、テスト運用の結果が良好だったことから、2018年春までに5000台を投入し、本格的な運用を始めることを発表しました。

しかし、ここで、大きな問題が‥ 「公共の無料駐輪場を勝手に使って民間企業が商売をして良いのか」という点です。

そもそも、ウィーン市内に設置されている無料駐輪場は、個人が所有する自転車を一時的に止めるためのもの。これを一民間企業が勝手に利用して、商売を行うことに市当局は難色を示しているようです。

さらに、本格運用が始まると、駐輪場以外に乗り捨てる利用者が出てくる可能性も考えられます。その結果、歩行者や車いす利用者の邪魔になるケースも‥

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余談になりますがCitybikeのステーションは公共の場所(主に歩道上)にあるため、市当局に使用料を支払っています(Caféのシャニガルテンと同じですね)。

しかも、ofoは、規制の隙間を縫って市当局の許可をとらずに、事業を始めたようなのです。

“住民の利便性が高まるのだから、市当局は規制をするべきではない”という意見もあるようですが、今後、増加する自転車に対応するための無料駐輪場の増設に費用がかかることなどから、現状では賛否両論。大げさですが、政治問題に発展しています(選挙も近いですし‥)。

ちなみに今回ご紹介した新聞記事も、試験運用を開始した当初のHatue紙は、レポーターの試乗記を掲載し、比較的好意的な論調。一方、9月に入り記事を掲載したKurier紙は問題提起といったニュアンスです。

このoBikeですが、国によって対応が異なっており、駐輪場の利用を義務づけているところもあるようです。さらに、自転車王国オランダのアムステルダムでは、公共駐輪スペースに置かれたoBikeを市当局が撤去し始めたという話も耳にしました。

数が少ないうちは、問題は少ないかも知れませんが、5000台も運用するようになると、必ず問題が出てくるのは明らかだと思います。

さて、ウィーン市当局がどのような対応をとるか‥興味がありますね。


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