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September 07, 2017

オルロフスキー公爵からの招待状来るFeri bie Orlofsky」

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今シーズンのVolksoperFestで、最大の目玉企画は、一般のお客さまを招待して実施する「Fest bei Orlofsky」です。

「こうもり」の第2幕、オルロフスキー公爵の夜会に一般のお客さま70名を招待して、実際にやってしまおうという、ぶっ飛び企画です。しかも、「夕方の部」と「夜の部」と2回実施。

7月上旬、Feriは、Robert Meyerさんに“参加の可否”を打診しました。すると、Festの事務局から、参加を承諾する旨のメールが到着。どちらの回に出演したいかを連絡して欲しいという内容が添えられていました。

正に「こうもり」の第1幕前半、アデーレに夜会の招待状が来て、舞い上がってアリアを歌う場面を連想してしまいます。それくらいFeriもテンションが上がりました。もっとも、アリアは歌えませんが(笑)。

実は、今回の企画は、1回目と2回目では、出演者が違うという凝りよう。実は1回目の方が出演者はFeri好みだったのですが、1回目を見学して状況を把握した方がリスクは少ないと判断し、2回目(夜の部)の出演をリクエストしました。

そして、迎えた本番当日の9月2日。Festの会場には、「Feri bie Orlofsky」出演者用のレセプションが設けられていました。

また、家族や友人に晴れ姿を見てもらうため、出演者用に席が確保されており、Feriもチケットを入手しました。ただ、親しい人が忙しく、残念ながら友人にFeriの晴れ姿を観賞してもらうことは実現できませんでした。

レセプションで受付を済ませると、劇場のバックステージに入場できる名前入りの「Bühenenpas」が交付されました。これで当日限りですが、劇団員の仲間入りです。

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7月下旬、Robert Meyerさんから、当日のスケジュールと第2幕の楽譜が送られてきました。もちろん、全員が歌唱の素養がある訳ではないで、“歌えなくても大丈夫”というコメントが添えられていました。

1回目が予定よりも時間が長くなってしまったため、2回目の劇場入りは、若干遅れて18時過ぎになりました。楽屋口の内部で出演者が「Bühenenpas」を首からぶら下げて待機しています。

皆さんのテンションが上がってきているのが、何となく伝わってきました。

係員の案内で、劇場最上階にあるDressing roomに案内されます。ここは、オペレッタで劇中、衣装を身にまとって小道具などを運ぶスタッフが使用する更衣室のようです。

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ただ、当日はゲスト用に、ちゃんと名前が入った紙製のプレートが取り付けられていました。

皆さま、ここで本番用の衣装に着替える訳です。当然、男性用と女性用で別の部屋ですが、2回目の陣容を見ると、女性が2/3、男性が1/3といった感じでした。

また、ご夫婦で参加のお客さまもいらっしゃいました。こちらは、舞台上でもカップルを演じていました。

着替えを済ませて、Dressing roomで待機していると、館内放送で“出演者は舞台へ”という指示があり、階段を下りて舞台へ向かいました。

実は、今回の「Feri bie Orlofsky」は「こうもり」の2幕を再現しているのですが、完全に行うのではなく、前半と後半に別れています。

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前半は、お客さまに見てもらいながら、公開プローベを行い、後半は、それを受けての本番という展開です。

舞台へ到着すると、Robert Meyerさんと演出補の女性が登場し、簡単なガイダンスがありました。

しかし、お客さまに見せる形でプローベを行うとは考えたものです。これならば無駄な時間も少ないですし、お客さまにも「舞台の作り込み」をつぶさに見てもらうことができます。

なお、1回目、2回目とも指揮はAlfred Eschwéさん。ソリストは以下のとおりです。実は、当初の予定から変更になり、Feriがお気に入りのオペレッタ歌手Kurt Schreibmayerさんが2回目に出演することになったのです。

プローベはピアノ伴奏で、主にどのような動きをするかが指示されました。そのため、ソリストも歌はほとんど歌ません。歌はさわりだけ‥これが、本当の稽古なのでしょう。勉強になりました。

また、“ここは、このように盛り上げて‥”といった指示がRobert Meyerさんから出ます。

-Regisseur:Robert Meyerさん

- Gabriel von Eisenstein:Mehrzad Montazeriさん

- Rosalinde:Ursula Pfitznerさん

-Adele:Elisabeth Schwarzさん

-Ida:Johanna Arrouasさん

-Dr. Falke:Marco Di Sapiaさん

-Prinz Orlofsky:Annely Peeboさん

- Iwan :Heinz Fitzkaさん

-Frank:Kurt Schreibmayerさん

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ソリストはもちろん、合唱団、バレエ団も本番と一緒の陣容です。このプローベが約30分でした。ただ、残り時間が30分しかないため、「こうもり」の第2幕を完全に再現するのは困難。

そこで、主な出演者がオルロフスキー公爵邸に到着した後からの展開になりました。

そして、幕が下がって、オーケストラメンバーがピットに入り、本番スタート。

スタートは、通常の第2幕の始まりと同じ。ファルケ博士が、“オルロフスキー公爵の夜会へようこそ”と口上を述べる場面から始まりました。

プローベの際には、合唱団の皆さんが、ゲストのパートナーになり、色々と演技指導をしてくれました。

舞台の上では、意外とオーケストラの演奏が小さく聞こえるものですね。客席で聴くよりも、音は小さい感じです。考えてみれば客席側に向かって演奏しているので、当然なのかも知れませんが、これも新しい発見。

この他、本番中は指揮者にはスポットライトが当たっているので、はっきり見えますが、演奏しているオーケストラメンバーに関しては、全く見えません。

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また、客席のお客さまも公演中は、全く見えませんでした。Feriは、本業で大勢の人の前で話すことがあるので、こういうシチュエーションでも平気ですが、お客さまが見えないため意外と上がらないと思いました。

そして、一番驚いたのはプロンプターさんの重要性。当日はMario Kaiserさんでしたが、舞台から見るとプロンプターボックスから顔が出るくらい近いのにはびっくり。

歌い出しをアシストするだけでなく、歌い出すタイミングを指で指示しているのが印象的でした。唯一、プロンプター三の指示が出ないのは、純粋なバレエの場面。この時は、平素は厳しい表情で舞台を観ているMario Kaiserさんの表情が緩んでいるのが印象的でした。

舞台上からは、プロンプターと指揮者の両方が見える訳ですが、ちゃんとシンクロしているのが素晴らしいところ。このあたり、チームワークの重要性を実感しました。

基本的に舞台上の歌手はプロンプターさんの指示を優先しているようでした。

本番では、憧れのKurt Schreibmayerさんが手の届く場所にいらっしゃる訳ですから、それなり緊張しましたね。しかし、プローベを通じて、全体の展開がわかったので、ある程度、余裕を持って参加することができました。

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今回、本番では第2幕オープニングの後、ソリストが三々五々、集まる場面は省略し、アデーレがアイゼンシュタインに“うちの小間使いではないか”との疑惑を抱かれ、それを払拭するため、アリアを歌い場面から始まりました。

興味深かったのはファルケ博士が、オープニングの合唱が終了すると、両脇に女性参加者を従えて、一旦舞台袖に引き上げますが、今回、この女性はゲストの方。

プローベの際に、“誰かやりたい人は?”と言った案内があり、すぐに2名が名乗り出ました。

オープニングの後、アデーレのアリアが始まる前、、Robert Meyerさんの口上(状況設定の説明)があってから、スタートしました。実際、舞台に立ってみる、合唱団がフルボイスで歌うと、すごい迫力。何しろパートナーが合唱団のメンバーですから‥

特に誰が素人で誰が合唱団なのか区別が付きにくいので、突然、歌が始まるとびっくり。

パートナーになった合唱団の女性は、お茶目な方で、お芝居が始まると“もっと前へ出なさい”と進めるので、図々しいFeriは、ロザリンデがチャールダーシュを歌って卒倒しそうになる場面では、バックアップの側に回ることに‥ 特に2回目では、完全に後ろに入ることができました。

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隣にはMehrzad MontazeriさんやMarco Di Sapiaさんがいらっしゃるので、図々しいのにもほどがありますねぇ。お二人とも、おっちゃんやるねぇ‥という表情をしていたのが印象的です。

その後、コミカルなバレエ場面(ピチカートポルカ)も間近で見学。Ida役のJohanna Arrouasさんの演技も身近で見ることができました。

また、「雷鳴と電光」のバレエも、近くで見ることができました。Masayu Kimotoさんも出演しており、はつらつとした踊りが印象的でした。

本当に狭い舞台で踊るバレエ団には頭が下がります。もちろん、「雷鳴と電光」が終わったタイミングで、全員が倒れ込むのは、ゲストも同じ。

この他、以前、甲斐 栄次郎さんに聞いていたとおり、舞台装置が意外に簡素なのでびっくりしました。これが客席からは立派に見えるとことが「舞台芸術の魔術」なのかもしれません。また、移動する必要がある大道具には、台車が着いていることも発見しました。

Feriはダンスの素養はありませんが、舞台の進行に合わせて、パートナーとなった合唱団の女性と簡単なダンスを行いました。まさか、Volksoperの舞台で踊るとは思ってもみませんでした。一生の思い出です。

「こうもり」と言えば、シャンペンを掲げて歌い上げる場面がありますが、グラスは本物でしたが、中は水でした。

舞台は、本番同様、6時になってフランクとアイゼンシュタインがオルロフスキー公爵邸を去るところで、お開き。出演者が二人を笑い飛ばす場面も本番と同様です。

通常の公演でも2幕はカーテンコールがありますが、今回、1回目は、私たちゲストが最前列。Feriはしっかり、中央に陣取っていました。ずうずうしいですね。

その後、通常どおり、合唱団、バレエ団、ソリストという順番です。

カーテンコール終了後、Robert Meyerさんから、“皆さま、お疲れさまでした。これからもVolksoperをよろしく”というあいさつがあってお開きになりました。

一旦、Dressing roomへ戻り、着替えを済ませて、荷物をもって劇場を後にします。しかし、ゲストも同じ体験をしたため、開演前のよそよそしさとは、異なり、同じ公演に出演した同志のような連帯感が芽生えたのが新鮮な体験でした。

日本だったら、公演終了後、出演者全員で記念撮影のような企画がありそうですが、普通の公演のようにお開きになったのが、逆にこちららしいように感じました。

もしかしたら、Feriにとって最初で最後になるかもしれないVolksoperの舞台出演。貴重な機会を提供してくれたRobert Meyerさんをはじめとするスタッフの皆さまには、感謝の念が絶えません。

お開きになってから、馴染みのホイリゲに出かけて、クールダウンしたのは言うまでもありません。本当に「夢のような一時」でした。ある意味、「オペレッタにはまっている男Feri」にふさわし経験だったと思います。

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Comments

来月ウィーン旅行を予定しているものです。偶然Feriさんのブログにたどり着き、今は楽しく拝読させていただいてます。季節感と地元の空気、そして人柄がにじみ出るような落ち着いた文章が素敵ですね。まだ読んでいない過去記事がたくさんあるので、出発まで楽しませていただきます。

Posted by: しげぞう | September 07, 2017 at 01:26 PM

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