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February 20, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その3)

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今日は休憩後の後半です。

○第2幕:舞踏会会場
休憩後の第2幕は、OPERENBALL会場ですが、別にVolksoperをイメージしているような感じはありませんでした。以前の演出でも回り舞台を上手に活用していましたが、Logeへの入り口が並んでおり、どのように参加者を交通整理するかがオーバーケルナーの「腕の見せ所」という感じで楽しかったのですが‥

が、そもそもVolksoperにはStaatsoperと異なり、逢い引きに利用するLogeが少なく、設定が成り立ちません。そのため、LOTOに出てくるようなボール状のオブジェが舞台上で回転していました。

また、途中までは手前にスクリーンが降りており、怪しげな雰囲気全開。まぁ、そういった詮索や野暮というものでしょうね。

1幕でサロンになった雑誌がPLAYBOYだったので、2幕もナイトクラブのような雰囲気です。

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冒頭、毎回、OPERENBALLで、ハリウッド女優を同伴して出席することで有名なおじさまRichard Lugnerさんの「そっくりさん」が登場。その後、有名人が次々と来場します。

更にConchita Wurstさんの「そっくりさん」も舞台袖から登場。ファンのサインに応じます。まぁ、わかりますが、本筋とは違うところで盛り上げようとするのは、正直、痛々しい感じが‥

一応、ストーリーに関しては、2幕は、ほぼオリジナルどおりですが、後半が異なっています。ケルナーの数が少なく、男性なのにバニーガールのような妙なコスチューム。本来、逢い引き目的でLogeを使うお客さまのために、密会中のロジェに飲食物を届ける時、ケルナーは、中の様子を直接見ては行けないという掟があるようです。

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では、どうするか。実は銀のお盆を鏡代わりにして、後ろ向きに出入りするのです。この様子も、2幕では、別の意味で見所だったのですが、今回は、そういった粋な演出はカット。

オーバーケルナー(給仕長)のPhilippが、逢い引きのカップルが、バッティングしないよう、一応、仕切っています。

Henriは会場で待っています。そこへばら色の仮面舞踏会用のドレスを着たHeleneがやってき、早々にHenriとロジェにしけ込みます。

ただし、Heleneは仮面を付けているので、Henriは相手がHeleneだとはわかりません。ここで、Heleneが有名な「シャンブル・セパレへ行きましょう」を歌います。本来は脇役のHeleneが、最も有名なアリアを歌ってしまうというのが、ホイベルガーのサプライズ。

その後、Theophilが、踊り子のFéodoraをつれてやってきます。ちなみに、この時だけ、Theophilは妻と離婚して独身という、自分に都合の良い設定にしています。

TheophilとFéodoraのカップルも、さっそくロジェにしけ込むのですが、Féodoraが高価な飲食物をたくさんオーダーし、Theophilの懐が寂しくなります。

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浮気の証拠を押さえるため、友人夫婦がパートナーを交換する形で、PaulとMargarete、TheophilとAngelikaがカップルを組み、会場にやって来て、ロジェにしけ込みます。

今回は、舞踏会会場前で待ち合わせをしていたようです。

Heleneはもちろん、MargareteとAngelikaも、仮面舞踏会のドレス(ドミノ服)でやってくるのですが、髪型も含めて衣装がまったく同じなので、誰が誰だかよくわかりません。まさに、男女が入り乱れて怪しい雰囲気になっていきます。ここでAngelikaは「約束の時計がある」を歌います。

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しかし、ロジェで「あわや」というタイミングで、TheophilとPaulがオーバーケルナーのPhilippに呼び出されてしまいます。実は、女性陣が、“あらかじめ、きわどいタイミングになったら、ベルを鳴らすので男性達を呼び出して欲しい”という「根回し」をPhilippにしていたのです。

ベルが鳴り、GeorgとPaulが呼び出されている間にMargareteとAngelikaが入れ替わり、「本来の夫婦」になるのがオリジナルですが、今回はちょっと違います。


このタイミングで、GeorgとPaulが会場ではち合わせ。“何だ、君も来ていたのか”という感じ、パートナーを探し出します。

GeorgとPaulは、会場内でドミノ服の女性を見つけてアタックするのですが、それは自分が連れてきたパートナーではなく、Heleneなのです。その際、ドミノ服を傷つけてしまうことが、3幕での展開に関係します。Heleneへのアタックを物陰からチェックするMargareteとAngelika。

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浮気の証拠を目撃した二人は、早々に会場を後にします。また、Heleneも何とか2人を振り切り、会場を後にするのでした。

前演出では、2幕の最後は、バレエ団も登場し、ロジェの廊下で、仮面舞踏会の参加者全員がギャロップを楽しく踊って幕となっていましたが、今回は会場でFéodoraがロデオの馬にまたがって大盛り上がり。その周りには怪しげな人物が多数。その中にはTheophilとHenriの姿も‥

本編と関係のない皆さんも、妙な格好で多数、出演します。なぜ、舞台をVolksoperにしたのかと言えば、他の歌劇場で、こんな乱痴気パーティをしている設定にしたら、クレームの嵐になるからでしょうね。

なお、このオペレッタによってシャンブル・セパレが、パリ・オペラ座のロジェを指すことが、ウィーン子に広く知られるようになったと言われています。

なお、今回、第2幕は40分ほどでした。

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○第3幕:座舞踏会翌朝のPappenstiel家のサロン
暗転でPappenstiel夫妻のタワーアパートに。最初に戻ってきたのは、お手伝いさんのHelene(MargaretenとAngelikaは、一足先に戻っており、寝室で休んでいるという想定です)。歌いながら見事な酔っぱらいの演技を見せてくれます。

次に戻ってくるのはTheophil。舞踏会の乱痴気騒ぎに参戦したため、服が汚れています。彼は昨晩、住まいに戻らなかったアリバイをGeorgに依頼するつもりですが、Georgはまだ戻ってきていません。

次に戻ってきたのはHenri。若いHenriに「女性の口説き方」を説教されてしまいます。

やっとGeorgが戻ってきて、Theophilが「病気の友人の見舞いに行っていたことにしてくれ」とアリバイ工作をしている途中、Palmyraが戻ってきて、ビビりまくるTheophil。

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が、ここで一同がびっくりする発言がPalmyraから。“昨晩は病気の友人の見舞いに行って戻れなかったの。Theophil、ごめんなさいね”。

TheophilはPalmyraが、自分が舞踏会に行っていたことを全く知らないことに安堵し、着替えのため、Henriとともに席を外します。

奥さま達も登場しますが、信じていた夫に裏切られて落ち込むAngelika。おおらかなMargaretenは、“そんなに気にすることはないわ”と慰めます。

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また、Paulが、昨夜、受け取った匿名招待状の便せんが、サロンにあることを発見し、「女性陣の悪巧みだった」ことに気づきます。そこで、偽の出張から帰ってきたGeorgにも、そのことを伝え、女性陣に反撃することに‥

しかし、Angelikaの様子がよそよそしいため、結局、舞踏会に行っていたことを告白して、許しを請います。しかし、アンゲリカの気持ちは収まりません。

ところで、GeorgとPaulはお互いの奥さまを口説いていたと思い込んでおり、ケンカになります。そこで、ご婦人方が昨晩、着用したドミノ服を持ってくるのですが、口説いた相手のドミノ服にあるはずに証拠がありません。

そこにHenriが戻ってきて、“私もこんな手紙で舞踏会に誘われたよ”と暴露。

MargaretはHeleneが関与していることを疑い、サロンへ呼び出します。ここで、真相が明らかになり、GeorgとPaulの関係はとりあえず修復。

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当初、女性陣に押されぎみだった男性陣も、途中から“俺たちは、悪巧みにわざと引っかかってやったんだ。それに、結構、その気になっていたじゃないか”と反撃に出ますが、如何せん、仕掛けたのは女性陣なので、反撃も尻すぼみになってしまいます。

また、オーバーケルナーのPhilippが忘れ物の貴金属を届けに来ますが、これは1幕でHenriがPalmyraにプレゼントしたものだったのです。

“これ私のだわ”といったPalmyraを見て、Theophilは“おまえも舞踏会で浮気していたのか。けしからん”と罵倒しますが、着替えを済ませて戻ってきたHenriが、“これは私のです”と言ったため、途中で態度が豹変します。

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結局、Theophilを前面に立てて、女性陣の顔を立てることになります。最後は、ウィンナ・オペレッタの定番である、四組のカップルが元の鞘に収まって、ハッピーエンドとなります。フィナーレは登場人物全員で「パリは神々の都」を合唱したフィナーレとなります。

フィナーレでは、全員が持っていたスマートフォンを放り投げる場面があるが、実際、各種の連絡やアリバイづくりにスマートフォンを使っていました。

一応、謎の女性からのお誘いだけは、香水を一杯振りかけた手紙でしたが‥そもそも、今の時代、OPERENBALLで一夜のアバンチュールなどは、不可能なので、どう考えても設定に無理があるような気がしてなりません。

○歌手陣の仕上がりは‥
Theophil のKurt Schreibmayerさんと、PalmyraのHelga Papouschekさんは、さすがの一言。このお二人で舞台が大いに魅力的になりました。逆に、こういった存在感のある方が出なかったらと思うと‥以下、自粛。

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男性陣では、PaulのMarco Di Sapiaさん、GeorgのCarsten Süssさんとも、期待通りの仕上がりでした。声もしっかり出ているので、歌も聴かせるものがありましたね。

MargareteのUrsula Pfitznerさんは、オペラとオペレッタの両方に起用されています。オペレッタでは、「Die lustige Witwe」のHanna、「Die Fledermaus 」のRosalindeなどにも起用されているので、オペレッタのツボは押さえていました。ほぼ、期待通りの仕上がりでしたね。

AngelikaのKristiane Kaiserさんは、元々、オペレッタよりもオペラ出演が多い方。その関係もあるのか、雰囲気は良いのですが、全般的にしっくりこない感じでしたね。

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HenriのAmira Elmadfaは、小柄な方なので、役にはピッタリ。Volksoperでは「フィガロの結婚」でハウスデビューしたのですが、オペレッタは初起用です。まぁ、今後に期待‥というところでしょうか。

HeleneのSieglinde Feldhoferさんは、外部から起用された方ですが、その割には際だったところがありませんでしたね。ちなみにセカンドクルーはBeate Ritterさんが予定されていますが、彼女の方が期待に応えてくれそうです。

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2幕しか登場しないFéodoraのMartina Dorakさんは、素敵な笑顔が魅力的なオペレッタ歌手です。今回、が、踊りながら歌う場面があるので、適材適所という感じもします。

オーバーケルナーPhilippのBoris Ederさんは、いつもながらの演技。ただ、今回は演出の都合なのか、抑え気味でしたね。本当は2幕では、もっと活躍して欲しかったのですが‥

正直、本作品ですが、Feriにとって「何回も観て、味わいたい」‥という仕上がりにはなっていませんでした。まぁ、フィナーレがハッピーエンドになっていることが、唯一の救いでしょうかね。

どうも最近のVolksoperは、オペレッタの場合、何に力点を置いているのかがはっきりしないケースが多いような気がしています。

ところで、公開ゲネプロの日、Robert Meyerさんの姿が見えなかったので、気になっていたのですが、何と、ミュンヘンで「マイフェアレティ」にご出演だったとか‥

別に陣頭作業をする必要はありませんが、Volksoperの集客策をお考えになっ方が、よろしいのではないかと、心配になってしまいました。

演出家の方には、それなりの考え方があると思いますが、Feri個人としては、このような演出は、どうも好きにはなれません。

ドイツでは、ぶっ飛んだ演出で若いお客さまも巻き込んでいるという話を耳にします。Volksoperの場合、そこまで思い切って路線転換をしている訳でもなく、そのあたり、劇場側の考えを聴きたいところです。

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オペレッタ, in フォルクスオーパー |

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