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February 18, 2018

“DER OPERENBALL” Premiere Report(その1)

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当ブログをご覧にオペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。“DER OPERENBALL” Premiere Reportをお届けしましょう。

2017/18シーズン、Volksoperでは2018年に入ってからオペレッタの新作が上演されるというパターンです。

2月にPremiereが行われるのがRichard Heubergerの代表作“DER OPERENBALL”です。

Feriは、2007/08シーズンにVolksoperで再演された際、Robert Herzlさんの演出による“Der OPERENBALL”を観ていますが、舞台装置も伝統的なスタイルで、パリを舞台にした「小粋な作品」に仕上がっていたことを今でも、良く覚えています。

という訳で、2008年の写真を1枚だけお目にかけましょう。

まず、ご存じの方も多いと思いますが、作品の背景から‥

リヒャルト・ホイベルガー(Richard Heuberger)の傑作オペレッタが「Der OPERENBALL(オペラ舞踏会)」です。1898年にアン・ディア・ウィーン劇場で初演されました。

「オペラ舞踏会」の舞台は、パリです。ウィンナ・オペレッタでは、名作「メリーウィドウ」をはじめ、パリを舞台にした作品が多いのですが、ウィーン子にとって、華やかなパリはウィーンと違った魅力を感じるのでしょう。

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物語は、毎年恒例のパリ・オペラ座舞踏会を舞台に「他の女性に浮気心を出す男性を、妻達が懲らしめる」というものです。

オペラ座舞踏会と言えば、ウィーン国立歌劇場で毎年、開催されているものが最も有名でしょう。第二次世界大戦後、国立歌劇場が再建された翌年の1956年に復活しました。

オーストリアでは、ファッシングと呼ばれるカーニバルの期間中、色々なところで舞踏会が開催されますが、その頂点は「ファッシングの火曜日」の前週木曜日に開催される「オペラ舞踏会」(Der Wiener Opernball)。

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オーストリア放送協会でも長時間にわたり生中継を行う「季節の風物詩」です。

ただ、1877年に始まった頃は、商談や縁談をまとめる場としても活用されていたようです。そのように考えると、オペレッタ「オペラ舞踏会」のように、「逢い引きの場」として利用されたこともあるでしょう。

この作品、オリジナルはパリを舞台にしていますが、フランス人と言うより、ウィーン子をイメージしてまとめられているのは、言うまでもありません。

歳を重ねても男性は、妻以外の女性に目がないもの。そして、女性は自分のパートナーの浮気には、おおらかになれないもの…そんな「人間の本質」を上手に表現したオペレッタです。

観ているウィーン子も、思わず「あるある」「いるねぇ、こういうヤツ」「あぶない、がんばれ」と心の中で、応援(男性か、女性かは別にして)していると思います。まさに、ウィンナ・オペレッタの王道と言える作品です。

原題は「Der Opernball」なので、邦題は「オペラ座舞踏会」とした方が正しく伝わると思います。しかし、実際には「オペラ舞踏会」という邦題が一般的になっています。

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ところで、「Der OPERENBALL」の原作は、「ばら色のドミノ」(Die rosa Dominos)というタイトルです。この「ドミノ」とは、「フード付きの外套」のことで、「ドミノ服」は仮面舞踏会用のフード付き外套を意味します。劇中、「ドミノ」という言葉がキーワードとして何回か出てきます。

前回の上演から10年。時代は変わりました。さて、今回は、どのように仕上げてくるか‥ただ、事前に、今回演出を担当したドイツ人のAxel Köhlerさんから、気になる発言が‥

それは“今回の作品では、OPERENBALLの会場がStaatsoperからVolksoperに変更になったという設定です”というもの。えーっ、舞台がパリからWienに変わっちゃうの‥という嫌や予感が‥

では、詳細なご紹介に入る前に、ポイントをまとめておきます。ご興味のない方は、このポイントだけで十分かもしれません。

○新演出のポイント
1.時代設定が現代に変更。

2.舞台はかParisらWienへ。Wienに舞台を移した理由は、現代でも、市民生活に舞踏会が浸透している数少ない国がオーストリアだからというものです。

3.それに伴って登場人物の名前もフランス風からオーストリア風に変更。

4.2幕のOPERENBALLはVolksoperで開催という想定に‥(その理由は、後ほどお伝えします)

確かにウィーンでは現在でも、職業団体主催の舞踏会や、区が主催する舞踏会も行われており、皆さまの生活に密着しているのは事実だと思います。その点は納得。

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作品に対する受けとめ方は、お客さま個人によって千差万別です。従って、Feriの考え方を強要するつもりはまったくありませんが、当ブログは「完全自腹鑑賞記」なので、自分の感想は率直に申し上げるというスタンスです。

演奏ですが、指揮がAlfred Eschwéさんだったこともあり、ワルツが得意なVolksoperのオーケストラの力を十分に開花させており、聴かせるものがありました。これは見事。

また、主要な歌手陣も、なかなか良い仕上がりでした。特にKurt SchreibmayerさんとHelga Papouschekさん(ご夫婦という想定)のお芝居はさすがでしたね。ご両人を投入したことで、舞台が締まりました。

反面、正直、演出にはクビをかしげなくなる箇所が多く、ウィンナ・オペレッタらしい「小粋さ」がなく、魅力半減。

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もともと、昔の舞踏会だから「逢い引きの場」としても活用できた訳で、情報化時代の現代、舞踏会会場のLogeで「こっそり謎の美女と逢い引き」などは難しいですよね。つまり、基本的な設定に無理があるという気がします。

本作品ではポイントになる、小粋な会話が省略されている点も気になりました。

制作陣は、演出がAxel Köhlerさん、舞台装置・衣装がTimo Dentlerさん、Okarina Peterさんという陣容です。

主な登場人物は、今回はWienに住んでいるPappenstiel夫妻、Pappenstiel夫妻に誘われてオーストリアの地方からWeinにやってきたWimmer夫婦、Angelikaの叔母に当たるSchachtelhuber夫妻、そしてPappenstiel家のお手伝いHeleneと、その恋人Henriです。

物語そのものは、この四組のカップルを巡る恋の駆け引きです。その点だけは、オリジナルどおりです。

Premiereでは、カーテンコールの際、歌手にはブラヴァが出ました。とくにKurt SchreibmayerさんとHelga Papouschekさんは、ご祝儀抜きで盛大な拍手が送られました。

反面、演出家にはブーイングも‥ まぁ、わかる気もします。

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オペレッタ, in フォルクスオーパー |

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