« チロルが大好きな日本人? | Main | いずこも頭の痛い受信料問題 »

February 15, 2018

番外編 宝塚歌劇団 ミュージカル版「こうもり」

Cpl73a00000019kx

友人から、昨年、NHK(BS)で宝塚歌劇団が上演したミュージカル版の「こうもり」が放送されたという話を耳にしました。

Feriは、かねてから“独特の世界観を持っている宝塚歌劇団はオペレッタに向いているのでは?”と考えていたので、是非、観たいと思っていました。

ただ、録画したメディアを譲渡するのは日本の法令に違反するため、送ってもらうことはできず、日本へ戻った際、友人宅を訪れ、魅せてもらうことに…

ご存じのように宝塚歌劇団は、独自の芸風をもっており、熱心なファンも多数存在します。そのため、席を取るのも難しい公演も多いという話を耳にします。実際、ミュージカル版「こうもり」についても、多数の鑑賞記をインターネット上で読むことができます。

そこで、オペレッタにはまっている男ことFeriの視点で、今日は記事をまとめたいと思います。

○演出の勝利
正直、熱心なオペレッタファンから観ると、眉をひそめたくなるような作品に見えるかもしれません。しかし、Feriは、あえてオペレッタ「こうもり」をモチーフに、新しい作品を創造する道を選んだ脚本・演出の谷 正純さんを高く評価します。

宝塚歌劇団の特徴は、とにかくお客さまを楽しませること。日本のお客さまに楽しい時間を過ごしてもらうというコンセプトの元、オリジナルのモチーフや楽曲を活用しながらも、あえて新しい作品を創造したのは、クラシックの専門家では、抵抗があったかもしれません。

Cpl73a000000rey3

配役の名称はオリジナルに則っていますが、相関関係を全く変えてしまうのには、驚きました。

さらに、オペレッタでは省略されている「本編の前の出来事」(ファルケ博士が愉快な復讐を考えたいきさつ)をしっかり盛り込んだ点は、一般のお客さまを考えると「見事」の一言に尽きます。

ちなみに宝塚歌劇団のホープページでも、以下のように初回されています。

“ワルツ王”と呼ばれる、ヨハン・シュトラウス二世の傑作オペレッタ「こうもり」。名曲の数々で彩られ、今なお世界中の人々に愛される作品が、北翔海莉を中心とした星組メンバーにより新たに飛びっ切り愉快なミュージカルとして甦ります。

19世紀後半のウィーン。ファルケ博士は、親友のアイゼンシュタイン侯爵と共にエリザベート皇后主催の仮装舞踏会に出席。その帰り道、調子に乗って泥酔したファルケは、彼を持て余したアイゼンシュタインによって大通りに縛り付けられ、そのまま一夜を過ごすこととなる。

“こうもり”の扮装のまま朝を迎えたファルケは、街中の笑いものとなり、“こうもり博士”の渾名を頂戴する羽目に。自業自得とは云え怒りが収まらないファルケは、アイゼンシュタインに対する愉快な仕返しを考えた。個性的な登場人物が織りなす、虚々実々の駆け引きをお楽しみ下さい。

Cpl73a000000reyi

オペレッタの場合、「前半の話」は上演されないため、オルロフスキー公爵の夜会ではじめて知ることになります。最終的には観客も含めて騙されていたことに気づくわけですが、それを最初から緻密なストーリーで展開するとは‥

また、オペレッタの場合、アイゼンシュタインとロザリンデが主役ですが、本作品ではファルケ博士が主役になっています。更に人間関係も、あえて大きく変えています。

脚本・演出を担当した谷 正純さんのコメントにも、頷けるものがあります。

“オペレッタはお客様を楽しませるもの。オペラに対するオペレッタというのは、能に対する狂言のように、同じ能舞台で能も演じれば狂言のような面白い演目もするといった立ち位置だと思っています。『こうもり』は復讐劇と謳ってはいますが、いたずらされたからいたずらの仕返しをするというとても楽しい物語で、根っからの悪人は出てこない。そういうところが宝塚歌劇にぴったりだと感じています。”

そうなんです。全く別の舞台芸術なのですよ。このコンセプトを理解していないと、妙な展開になります。

○楽曲の工夫
日本でオペレッタを上演する際、必ずネックになるのが「言語」の問題です。最近は、日本語上演が増えていますが、如何せん、日本語に翻訳するとオリジナルと文字数があわないため、正直、何を歌っているのかわからないということがあります。

宝塚歌劇団ですから、台詞も含めて完全日本語上演です。ただ、谷 正純さんの素晴らしいところは、あえてオリジナルの歌詞に囚われず、日本語で聞き取りやすくするため、意図的に意訳をしている点です。

Cpl73a000001884u

これはクラッシック専門の方では、抵抗があることかもしれませんが、“さすが宝塚歌劇団”とFeriは納得してしまいました。

しかし、いくらミュージカルでマイクアシストがあるとは言え、オペレッタの楽曲を歌いこなすためには、クラッシックの発声法が要求されます。宝塚歌劇団の皆さんは、宝塚音楽学校時代に練習しているので、生徒は、みなその素養を持っています。

実際、ファルケ博士役の北翔海莉さんは、クラシックの発声ができて、歌唱力もあります。更に宝塚歌劇団では、踊りも重視しており、しっかりとしたトレーニングをしているので、ダンスシーンも見事でしたね。

実際にビデオを観て、抱腹絶倒‥オリジナルとは全く異なる魅力あふれる作品に仕上がっていました。これも、ある意味、オリジナルへの「こだわり」を断ち切って、新しい作品に仕上げた結果だと思います。

「星組トップスター 北翔海莉さんのコメント」から:「オペレッタの楽しさを実感。さらに高みを目指して」
“『こうもり』はよく大晦日に上演される演目で、“あぁ、今年も一年楽しかった”と、お客様が劇場を後にされる作品だといわれています。今度は宝塚大劇場と東京宝塚劇場で、毎日お客様が“楽しかった!” “明日から頑張ろう”と感じていただけるような公演にできればと思います。最後はシャンパンを掲げ、歌って踊って大笑いする、そんな作品を楽しんでいただきたいです。”

Cpl73a000001886q

もしかしたら、オリジナルのオペレッタをご覧になっていない可能性はありますが、よくオペレッタの本質を理解されていますね。

「星組トップ娘役 妃 海風さんのコメント」から:「楽しい女優志望のメイド役。ファルケ博士との恋も」
“メイドを務めながら、舞踏会へも行くことになる楽しい役でございます。女優志望の小間使いで、北翔さん演じるファルケ博士との恋もあるのでいまから楽しみです。”

ちゃんと背景を理解している点も見事ですね。

なお、宝塚歌劇団では、過去にミュージカル版の「メリーウィドウ」、「ジプシー男爵」を上演しています。いずれも楽しい作品に仕上がっていたのは、間違いないでしょう。ライブを観たかったFeri‥

「メリーウィドウ」では、北翔さんが、カンカンを踊るシーンがあったそうです。これは楽しそうですね。

ある意味、華やかで楽しいメルビシュと相通じるものがある「宝塚歌劇団のオペレッタ・ミュージカル」。

Feriは、実際の公演を観ることができませんでしたので、本当に残念です。しかし、さすが宝塚歌劇団。友人の話によると、しっかりDVDを販売しているそうです。

なお、今回は宝塚歌劇団の公式写真で、舞台の模様をご紹介しました。


※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_201105_b_3

オペレッタ, in ミュージカル |

« チロルが大好きな日本人? | Main | いずこも頭の痛い受信料問題 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« チロルが大好きな日本人? | Main | いずこも頭の痛い受信料問題 »