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March 19, 2018

REGIO JETは、こんな感じ

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今日は「Wineに乗り入れている鉄道の話題」です。

皆さまご存じのようにヨーロッパの国鉄は、上下分割方式で民営化されたところが大多数です。そのため、従来と異なる鉄道運行会社が参入するようになりました。

このブログにもたびたび登場するオーストリアのWestBahnも、そのような鉄道の一つですし、ÖBBが運営する国際夜行列車NightJetも、この制度を利用して運行しています。

先日、このブログでチェコの新しい会社が運行するREGIO JETをご紹介しましたが、先日、Hauptbahnhofで、実際の列車を見る機会がありました。ただ、乗ったわけではありませんが…

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このREGIO JETは「鉄道のLCC」といった趣で、とにかく運賃がお安いのが特徴。Wine-Parg間が15Euroから設定されています。もっとも「から」がくせ者なのは言うまでもありませんが… 

なお、列車番号ですが、ÖBBのRailJetと紛らわしい「RJ」を冠しています。ただし、列車番号自体は1000番台ですが…

ポスターに登場している機関車は、先日、ÖBBが貨物用に導入したSIEMENSのVectronシリーズ。で、現車はやはりVectronでした。形式は193型。

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客車はヨーロッパの標準仕様車で4両編成。車内は見学することはできませんでしたが、最近、多くなっているオープンタイプ客室が基本のようです。

また、無料Wi-FiやPC用電源供給サービスが導入されています。さらに編成は短いものの、航空機のようにクラス別サービスが導入されている点が注目されます。

そして、車体にクラス別サービス内容を示すピクトグラムが掲出されています。

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上級クラスはBusiness。こちらはコンパートメントが基本で、ソフトドリンクの無料サービス、新聞サービスなどがあるほか、有料で軽食のケータリングも行っています。

次にRilax。こちは名称が示すように、ちょっと贅沢な旅行用のクラス。ソフトドリンクの無料サービスに加えて、車内Wi-Fiを利用したエンターテインメントシステム用の携帯端末の貸出も行っているようです。

Standardはコンパートメントとオープンタイプの両方があり、無料ドリンクサービスなども設定されています。

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そして、最もリーズナブルな価格が設定されているのがLOW COST。こちらはオープンタイプの客室で、シートピッチも若干狭いようです。また、ケータリングサービスは一切ありませんが、その分、料金設定は低く抑えられています。

同社のホームページによると、BUSINESS とRELAXはFullServiceをうたっています。

料金ですが、Wine-Parg間の場合。STANDARDが15Euro、RELAXは19Euro、BUSINESSは22Euroとなっていました。曜日によっても運賃が違うことでしょう。

いずれにしても細かい運賃設定をしているところは、昨今の航空会社と同じ発想ですね。

さて、新会社が新型電気機関車を自力で調達するのは異例なのですが、調べてみたらELL Austriaから3両をリースで導入したことがわかりました。

ここで気になったのがELL Austriaという会社。ELL Austria GmbH(ELL:European Locomotive Leasing)は、ウィーンを拠点とする鉄道車両のリース会社です。

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同社は2014年から、SIEMENSのVectronを保有し、各社に貸し出していますが、SIEMENSとはVectron50台の購入契約を結んでいます。

国によって保安システムに違いがあるため、リース先に合わせてシステムを追加する方式をとっているようです。

ユニークなのは、同社は自社保有のVectronに対して標準塗装を設定している点です。もちろんカスタマーの要望に応じて、今回のREGIO JETのように塗替も行っています。

現在までに、Salzburger Eisenbahn Transportlogistik、RTB Cargo、SBB Cargo Internationalといった会社にVectronをリースしています。

REGIO JETとは、2014年11月にVectron3台を5年、リースする契約を結びました。これは国際路線であるWien路線の開設に備えたものでしょう。Wienに乗り入れる以上、鉄道会社のイメージアップもあると思いますので…

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ELL Austriaですが、鉄道車両全般のリース事業を行っている訳ではなく、SIEMENSのVectronシリーズ一本というのが気になります。

詳しくはわかりませんが、もしかしたらSIEMENSが、Vectronの市場シェアを広げるために専門のリース会社立ち上げに関与した可能性もあります(ただ、調べた範囲では、資本関係はわかりませんでした)。

ところで、最近は税法上の問題などもあるのか、車両の国籍が違うことが結構あります。

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REGIO JETはチェコの会社ですから、昔ならば車両はチェコの国籍。しかし、今回、Wien Hauptbahnhofで見かけたVectronについては、リース会社があるオーストリア国籍Aではなく、ドイツ国籍Dでした。

これは、製造元が関係しているのかもしれません。機関車の塗装はREGIO JETになっていますが、機関車の側面にはリース会社のロゴが入っていました。

EUの自由化拡大にともなって、このようによくわからないケースが増えています。

航空機の場合、リース会社を使用して新造機を調達するケースが多いですが、こちらでは鉄道車両のリース会社も存在するようです。しかも、ELLは機関車専門。

このような鉄道車両のリース事業が成立する要因は、何と言ってもメーカー主導の「車両の標準化」が進み、保安装置などを付加する程度で、多くの国で運用できるようになったことも大きいと思います。正に旅客機と一緒ですね。

日本でも鉄道車両の標準化が進みつつありますが、まだ、このような例は聴いたことがありません。上下分割方式によるフリーアクセス化は、色々な変化をもたらしていることを実感したREGIO JET見学でした。


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鉄道のお話 |

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