« 航空会社の収益性向上策に思う | Main | 恋人の聖地‥その後 »

May 26, 2018

Bundesheerの戦闘機問題

Img_218_02_0369

今日は「オーストリア連邦軍の戦闘機にまつわる話題」をお届けしましょう。

アルプスの小国オーストリアは、ご存じのように永世中立国で、独自の軍隊を保有しています。

隣国とは陸続きであるため、いわゆる陸軍(地上部隊)が主力です。しかし、航空部隊(空軍)も存在します。

オーストリアの場合、自国に戦闘機を製造する航空機メーカーがないため、過去、いずれも輸入によって整備しています。

永世中立国であったことから、スウェーデンのSAAB105やSAAB35“ Draken”などを使っていました。主力戦闘機であったSAAB“ Draken”については、当初、後継機として同じSAABのGripenを導入する予定でしたが、最終的にはEurofighters Typhoon Tranche 1(ユーロファイター・タイフーン トラッシェ1)に決まりました。

この機種選定には、色々な話題があります。

当初、オーストリアはSAABからGripenを導入する約束をし、スウェーデンから中古のDrakenを受領していました。しかし、オーストリアが趣旨替えをしたため、スウェーデンが対抗措置としてDrakenのメンテナンス費用を正規料金に引き上げます。

20090219_143414_01_1280x853_1527161

オーストリアは対抗策として、スイスからリースしていたアメリカ製戦闘機F-5Eと入れ替える形でDrakenを引退させました。

また、主力戦闘機Eurofighters Typhoonは当初24機が導入される予定でしたが、2002年の大洪水による支出増加で計画が変更。

また、導入時期が2007年まで延期され、さらに調達奇数も15機まで削減されています。調達は2007年からはじまり、2009年に完了しました。

なお、Eurofighters Typhoonは段階的に改良されており、オーストリアが導入したTranche 1 Block5は完全作戦能力を持った機体です。

ただし、悪天候時や夜間に標的機に安全に接近し、視覚で捉えるシステムが弱いとされています。また、自己防衛システムにも難点があると言われています。

Img_2009_08_1396

従って、今後、継続使用する場合、各種システムをアップグレードする必要があるようです。

ところで、オーストリアにはSAAB105という練習機を保有しています。復座の練習機です。

しかし、外部に武装を取り付けることで、軽攻撃機としても使用できます。現在、15機を保有していますが、1970年から72年にかけて導入された機体なので、2020年には老朽化により退役を迎えます。

そこで、オーストリア政府では、SAAB105の後継機をどうするかが、議論の対象になっています。

元々、所有している戦闘機が少ないため、SAAB105も有事の際は、攻撃機として使用することを前提にしているため、後継機は純粋な練習機ではなく、戦闘機の調達が視野に入っています。

現在、候補になっているのはEurofighters Typhoon、SAAB Gripen、F-16C Fighting Falconの3機種。

Saab105_schwarm_1280x854_1527207336

普通に考えれば、現在、運用されているEurofighters Typhoonを増備するのでしょうが、単一機材で統一してしまうと、該当機種にトラブルが発生した場合、全機が運用から離脱することがあります。

そのため、軍用機の世界では、防衛上のリスクを回避するため、複数の機材を調達するケースが多いようです。

また、一部ではEurofighters Typhoonの復座型を、3機程度、導入してはどうかという意見もあるとか。確かにSAAB105は復座の練習機ですから、代替に復座を選ぶのは妥当な選択です。でも、わずか3機で大丈夫なのでしょうかね。

何しろ国防予算が少ないオーストリアでは、日本のようにステルス機を導入するなどは、想定外。正面装備の更新も、色々と大変なようです。

とは言っても、民間航空機を使ったテロが現実になっている今日、航空戦力の維持は不可欠。実際、オーストリア連邦軍でも、定期的に戦闘機を使った迎撃訓練などを行っています。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります

Br_decobanner_201105_b_3

経済・政治・国際, in 飛行機のお話 |

« 航空会社の収益性向上策に思う | Main | 恋人の聖地‥その後 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 航空会社の収益性向上策に思う | Main | 恋人の聖地‥その後 »