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May 25, 2018

航空会社の収益性向上策に思う

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今日は先日、再就航したオーストリア航空に関連して「航空会社の収益性向上策の話題」をお届けしましょう。

オーストリア航空の「日本線の再就航」に当たって、メディアの取材を受けたルフトハンザグループで、オーストリア&スロバキア地区セールス担当シニアディレクター・シュテファン・リンハルト氏と、ルフトハンザ ドイツ航空の日本・韓国支社長を務めるドナルド・ブンケンブルク氏が興味深い発言をしています。

まず、成田線の観光需要と商業渡航需要の比率については、“正確な数字は言えないが、明らかに観光が大きい。ウィーンは観光に魅力的な都市だ”(リンハルト氏)と述べています。

また、プレミアムエコノミーについて、ブンケンブルク氏は、“何年か前にルフトハンザがプレミアムエコノミーを導入した際、ツアー客に売れた。オーストリア航空も同様で、ツアーでエコノミーからのアップグレードが期待でき、予約も順調だ”と述べています。

オーストリア航空の担当者ではなく、ルフトハンザの担当者がメディアの取材に応じるところが、正直、現在のオーストリア航空の位置づけを示しているような気がします。

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Feriの予想どおり、観光需要をメインに考えていることが良くわかります。ただ、団体が多くなると、運賃のディスクカウントが行われるので、収益性の向上という観点からは、頭が痛いかもしれません。

ところで、最近は、各航空会社とも手数料を支払う必要がない自社ホームページからの予約・発券が基本になってきましたね。

さらに、航空会社自身が発券する正規ディスカウント航空券にも色々な種類が出てくるようになりました。これらは、いずれも「収益性の向上」を視野に入れた施策だろうと思います。

現在、ヨーロッパはベストシーズンなので、基本的に航空運賃は高めに設定されるケースが多いですが、ホームページで確認するとオーストリア航空の場合、Economy Saverでは各種税金込みでも往復12万円以下というお値段のようです(日本発券の場合)。

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さらに、海外の航空会社では、予約だけしておくことが不可能なケースが多く、予約即決済が普通になっています。

そして、最も安い運賃の中には、払い戻し不可(ただし、税金は預り金なので、これは払い戻し対象)という設定も増えているのは、皆さまもご存じのとおりです。

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ところで、予約を進めていくと、興味深い事実を知ることができます。

それは「座席指定料金」が別途、必要になるということです。例えばエコノミークラス前方は「Seat in the preferred zone」となっており、座席指定料金は6730円、後方座席の場合でも4725円、そして人気が高い非常口席(Extra legroom seat)は13500円となっています(いずれも利用する便ごとに必要)。

もちろん、Webチェックインが可能なタイミングになれば座席指定料金が必要ない席が出てくると思いますが、事前予約段階では、無料で指定できる座席は設定されていないようです。

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なお、このシステムは料金が高く、変更などの自由度が設定されているEconomy Basic、Economy Flex(往復で40万円台)といった料金カテゴリーでも同じようです。

余談になりますが、オーストリア航空OS51便、OS52便はANAとコードシェアをしていますが、ANAのサイトから予約すると「事前に指定できる席はありません」というメッセージがでるそうです。これは、ANAでは座席指定料金を徴収するシステムになっていないためだと思われます。

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また、現状ではエコノミークラスの場合でも、機内食は無料で提供されていますが、オプションで「DO & COアラカルト」を選ぶことができるようになっています。

こちらは一食1963円と比較的リーズナブルですが、仮に事前予約をしておくと同じEconomyでも隣のお客さまと違う食事を楽しむことができる訳です。

ところで、オーストリア航空のヨーロッパ内路線では、「預け入れ手荷物なし」の運賃も設定されています。この場合、発券後、事前に追加料金を支払うこと、荷物の預け入れも可能です(当日、空港でも追加料金を払えば可)。

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実際、ヨーロッパ線内の場合、多くのお客さまは手荷物の盗難防止も含めて、機内持ち込みをするケースが多いので、この手のチケットは需要が多いようです。

このような発想は、実はLCCでは当たり前のこと。実際、日本国内のLCCでも料金カテゴリーによって座席指定料金を徴収するのが一般的になっているようです。

最近、日本線に力を入れているフィンエアですが、こちらはもっと徹底していて、座席指定料金の区分が更に細かくなっています。

具体的には前方、後方、非常口席に加えて、窓側、通路側、最前列でも座席指定料金が異なっています(窓側の方が高い価格設定になっています)。

また、機内サービスに関しても、ルフトハンザグループは、ヨーロッパ線内のエコノミークラスでもBierやWeinは無料で提供されますが、フィンエアは総て有料。スナックも無料では提供されません。無料なのはソフトドリンクだけです。

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かなり徹底したコスト削減策(良く言えば収益性の向上策)をとっていることがわかります。

このように見ると、かつてのナショナルフラッグキャリア(最近ではLCCに対してレガシーキャリアと言うそうですが)も、ディスカウント運賃に関してはサービス内容が限りなくLCCに近くなっていることがわかります。

このように考えると、日系航空会社は、まだまだサービスレベルが高い(経営という観点から考えると甘い)と言えるのかも知れません。

今後、収益性の向上を念頭に、このようにベース運賃に、色々な付加価値を付けていくというパターンが一般化するのでしょうね。

このように見ていくと、オーストリア航空も、今後、更なる収益性の向上に向けて、色々な施策を打ってくると思います。


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