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May 18, 2018

無賃乗車は許さない Wiener Linienの臨時検札に思う

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Elīna Garančaファンの皆さま、お待たせしました。現在、国立歌劇場で上演中の「Samson et Dalila」ですが、Elīna GarančaさんとRoberto Alagnaさんの仕上がりが素晴らしく、大好評です。

Feriは、観るチャンスはありませんが、是非、実際にご覧になったファンの方、コメントをお待ちしております。

さて、今日はオペラとは無関係な「信用乗車の話題」をお届けしましょう。

皆さまもご存じのように、オーストリアでは市内の公共交通機関はワンマン運転で、かつ、どのドアからも乗車・下車可能な「信用乗車方式」が採用されています。

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ウィーンの地下鉄やS Bahnも例外ではなく、チケットに利用開始日時を刻印する打刻機はありますが、駅には日本のような自動改札機はありません。

信用乗車方式のメリットは、システムが簡素化できるため、運行コストを大幅に削減できる点です。

何しろ自動改札機がない訳ですから、メンテナンスコストはゼロ。また、路面電車やバスの場合も、乗車時、降車時にチケットやICカードの確認を乗務員が行う必要がないため、乗降を短時間で行うことができます。

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反面、デメリットは利用者の意識(善意と言っても良いのでしょうか)に委ねられているため、無賃乗車をする人間が大量に出てくると、経営が成り立たなくなることです。

以前と比べ、色々な国の人が増えてきたこともあり、住民の価値観も多様化しています。そのため、ヨーロッパでも地下鉄などに自動改札機を導入する都市も増えてきたようです。

それに対して、ウィーンは、今のところ、信用乗車方式を堅持しています。

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ただ、信用乗車方式が成立する要件は、「無賃乗車は許さない」という当局の強い決意と行動です。そのため、このブログでもお伝えしたことがありますが、Wiener Linienでは、定期的に臨時検札を実施しています。

ちなみに無賃乗車を「Schwarzfahren」と言うようです。

Wiener Linienでも、時々、集中特別検札をする場合、ホームページに情報を公開しています。また、新聞などに臨時検札を実施する路線が紹介される場合もあります。

車内で行う場合、私服の係員が乗り込んできて、自分の身分証明書を提示した上で、一斉に乗車券のチェックを行います。

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通常、係員は2人一組で実施しています。何らかの都合でチケット持っていなかった場合はもちろん、チケットを持っていたが利用開始の打刻をしていなかった場合も反則金の対象となります。外国人であっても例外は一切、認めません。

係員はチケットチェッカーと呼ばれるハンディーターミナルを持っており、これを使ってチケットの有効性を確認する場合もあります(二次元バーコードを印刷してあるPrint ticket、など)。

違反が見つかった場合は、その場で所持しているハンディーターミナルで反則金を徴収します。

Feriは、臨時検札に何度も当たっていますが、いずれも乗車券類を持っていたので、全く問題はなく、この端末をどのように使うのかを細かく観察するチャンスはありません。

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ただ、同じ路面電車に乗っていた乗客がチケットを持っておらず、反則金を請求されているケースは何回か見たことがあります。

一方、地下鉄の場合、駅の改札口をブロックして臨時検札を行うのが一般的です。こちらは係員が大人数で改札口をブロックし、水も漏らさぬ体制で検札に当たります。

その際、スーパーバイザーが全体を統括しており、検札を逃れて逃走する人物は追跡することもあります。

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更に、検札を妨害する行為は、厳しく排除されます。以前、Feriは、たまたま地下鉄の駅で臨時検札をしている場面に遭遇し、写真を撮ろうと思ったところ、スーパーバイザーに見つかり、厳重に注意を受けた上に、その場でデジタル写真の消去を命じられました。

雰囲気としては、警察官の被疑者に対する対応に近い感じを受けました。これは係員の「面が割れる」ことを警戒しているためのようです。

仮に日本で、このように高圧的な態度で臨時検札を行ったら、クレームが多発するでしょうが、こちらでは無賃乗車は「犯罪」という認識なのでしょう。

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なお、正規のチケットを持っているお客さまに対しては、決して失礼な態度はとりません。その点はご心配なく。

気になる反則金ですが、105Euro(現在のレートだと13000円程度)。万が一、当日、支払えない場合は、猶予が与えられますが、14日以内に支払った場合は115Euroと金額が上がります。

さらに、147日以降の場合は145Euroに‥
当日、105Euroの現金を持ち合わせていない人も多いでしょう。ご安心ください。クレジットカードでの支払いも可能なようです。

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ちなみに5月は不正乗車撲滅月間らしく、集中取り締まりが施行されます。平均100名の係員が約2万人の乗客を対象に検札を実施する予定です。

そのため、臨時検札の写真はないのですが、たまたまWiener Linienのプレス用写真サイトを見ていたら、関連する写真が掲載されていました。

まぁ、啓蒙活動用に使ってもらおうという趣旨だと思います。今回は、この写真を使って、臨時検札の模様やツールをご紹介しました。

皆さん、間違っても無賃乗車はしないでくださいね。


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Comments

私は、ドイツで、これに一度捕まったことあります。
回数券持ってましたが刻印を忘れ、無くしたのかと探すふりしてたら、気の毒だけど規則なんで、と問答無用でした。
即罰金ではなく、ここに払いに行けと金額の書かれた紙を渡されました。10年ちょっと前で40ユーロくらいでした。

日本だったら駅員さん次第で改札から出してくれることもあるそうですが、こちらは厳しいですね。
当たり前といえば当たり前ですが。

Posted by: 時々拝見してます | May 27, 2018 17:16

時々拝見してます様

信用乗車方式の場合、どうしても意図的に無賃乗車をする輩をゼロにできないため、こういった臨時検札を徹底するしかないと思います。

日本の場合、基本的に改札口でのチェックがしっかりしていますからね。

Posted by: Feri | May 27, 2018 19:02

お久しぶりです。ロンドンだとオイスターカード、パリだとナヴィゴの様なICカード乗車券を導入している都市もありますが、ドイツやオーストリアの様な信用乗車方式を採っている都市だと、切符を購入しても入口で刻印しないとダメなので、こういう検札官が居ると、どうしようもありませんが・・・
逆にロンドンだと、自動改札があるからあまり不正乗車をしている人は少ない様に見えますが、パリはまだまだ多い様に感じます。
それにしても、ウィーンにせよ、ミュンヘンにせよ、信用乗車方式だと、ICカード方式に切り替える気は無いのでしょうか?何かと金が掛かるから無理だ、と言われそうですが・・・

Posted by: おざきとしふみ | May 31, 2018 23:49

おざきとしふみ様

コメント、ありがとうございます。やはりコスト面でペイしないと判断していると思います。

ウィーンの場合は、さらに年間パスの利用を促進していますから、その傾向が強い気がします。

ただ、移民などが増えて、従来の価値観が通用しなくなると、不正乗車が激増する可能性があります。その場合、別の対処法が必要かもしれません。

Posted by: Feri | June 01, 2018 14:01

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