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June 07, 2018

Auf Rädern und Ketten 2018(下)

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今日は、昨日に引き続き「Auf Rädern und Ketten 2018」の模様をお伝えしましょう。

先日、「大人の倶楽部活動」という記事で、「産業遺産の保存」について、「日墺の違い」を記述しましたが、図らずも軍用車両の世界でも、民間で、これだけ大々的に動態保存をしているのには、驚かされました。

ビンテージカーですから、動態で維持するためには、それなりの費用もかかると思いますが、それを捻出できる経済力があるのですから、たいしたものです。

もう一つ、興味深かったのは、単に車両だけではなく、いわゆる当時の軍服を身に守った「本格的なコスプレイヤー」が集団で参加している点です(サークルが存在するようです)。

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ご存じのように、第二次世界大戦後、オーストリアはイギリス、フランス、ソ連、アメリカによって分割占領されました。

一応、「オーストリアはドイツに侵略され、連合国によって解放された国」と扱われたためか、コスプレイヤーのグループは、オーストリアを開放したイギリス軍、アメリカ軍が圧倒的に多いのです。

また、少数ですがソ連軍のグループも。ただ、フランス軍のグループは見かけませんでした。

いずれもテントなどを張って、小規模な前線基地を再現し、そこで野営をしているのですから、恐れ入ります。

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さすがにコスプレイヤーは、前線を想定しているため男性が多いですが、看護師姿の女性なども見られました。

なお、軍用車両のドライバーは、必ずしも軍服を身にまとっている訳ではなく、私服の形も多数。

ドライバーには女性も多く出場しており、この手の趣味が一般的に市民権を得ていることがよくわかります。

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余談ですが、日本人から見ると、話をしない限り、アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、ロシア人の区別はつきません。

そういう意味では、コスプレで雰囲気は大いに盛り上がっていました。日本でやると、如何せん、顔が東洋人ですから、コスプレイは本格的でも雰囲気は出ないのですよね。

ところで、連合軍がオーストリアを占領中、ウィーンはソ連領内にある「特別な都市」として、市内が分割統治されていました。

そのため、占領軍同士のトラブルを防ぐため、占領軍合同のパトロールが行われています。そのパトロールを再現した展示も行われました。

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具体的にはアメリカ軍の車両にアメリカ、イギリス、フランス、ソ連の国旗を掲げ、かつ各国の代表が乗車して市内をパトロールする訳です。

車両には占領軍の国旗が掲揚され、登場している軍人さんも、各国のコスチューム。

四輪駆動車に関しては、デモンストレーション会場内に障害物が設置されており、これを乗り越える展示も実施されています。ビンテージの車両で、良くやります。

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車両の方では、自動車のみならず、バイク(軍用なのでサイドカー付きも多数)や軍用自転車なども展示されていました。

動態展示の際は、イギリス軍の軍服をお召しになったMCが車両の解説を行っておりました。次から次へと車両が登場しますが、それでも1時間20分近くかかりました。

参加車両リストのようなものが入手できなかったため、実際、何台の車両が馳せ参じたのかはわかりません。

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ただ、民間からの参加車両にはエントリーナンバーが付けられているのですが、後日、撮影した写真をチェックしたところ、90番台まであったので、100両弱の車両が集まったようです。

ほとんどがオーストリア国内からの参加でしたが、一部、ドイツの登録ナンバーも見かけました(旧東ドイツ軍のトラックでしたが‥)。

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そして、軍用車両の展示に加えて、軍放出品を販売する民間の売店が多数出展。衣料品はもちろん、カバンや飯盒、簡易ベッド、テント、ヘルメット、計器類、工具、薬莢など、沢山の商品が即売されていました。

この他、軍事関係の書籍、絵画などを販売しているブースも見かけました。

日本で行われる基地祭などでは、土産物用としてオリジナルグッズを販売するケースが多いのですが、保存団体がTシャツやパッチなどを販売しているケースを除くと、ほとんど見かけませんでした。

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これも「文化の違い」かもしれません。

さらにオーストリアには軍用のビンテージカーを販売する会社も存在することです。左の写真は、会場で配布されていた「その会社のパンフレット」です。即納品もあるようでした。

もちろん、この手のFestですから、Bierをはじめとする飲み物やバーベキュー料理(Grill)のスタンドも出展。

しかも、軍用テントの中で営業して、雰囲気を盛り上げます。この他、野外炊事車で一部の料理は作っていました(この野外炊事車も、もしかしたら払い下げかもしれません)。

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更に模型クラブのブースも有り、現車の動態展示の合間をぬって、ラジコン戦車などの動態展示も行っていました。

Feriが驚いたのは、官民一体で行事を開催している点です。

日本でも、軍用車両のコレクターさんは、意外といらっしゃるようですが、なかなか「市民権が得られない」ためか、公共の場に堂々と展示することは少ないようです。

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このほか、軍事史博物館では、本館の他に動態保存車両を保管するための車庫が存在しており、今回、展示された戦車をはじめとする軍事史博物館所有の車両群は、平素、そこに保管されているようです。

この車庫ですが、今回の会場に隣接する場所にありました。

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いわゆる静態保存に関しては、軍事史博物館の中庭に展示されいるため、必ずしも状態は良くありませんが、動態保存は屋内保管なので、現役時代を彷彿させる状態です。

土曜日は、夜、22時まで音楽演奏なども行われたようです。最近は、こちらでも無料のイベントはお客さまが多数来場する傾向があります。両日とも天気に恵まれたこともあり、大変な賑わいでした。

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同じ、敗戦国で有りながら、立派な「軍事史博物館」があり、かつ、官民一体となって軍用車両の展示会が開催されるオーストリア。

ソ連の影響もあり、ウィーンはどちらかというと政治的には左寄りのスタンスです。

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「人間の歴史は戦争の歴史」とも言われますが、このような「ちょっと変わった産業遺産」の保存が当たり前になっている点には、考えさせられるものがありました。

いずれにしても、Feriにとっては、意義ある半日でした。

なお、Feriが見学の訪れた時には、この手のイベントについて反対する勢力(日本では市民団体と呼ばれますが‥)の活動は見られませんでした。

最後に軍事史博物館が制作したプロモーションビデオをご紹介しましょう。本イベントの前に公表されているので、2018年のものではありませんが、雰囲気はよく伝わると思います。

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