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June 16, 2018

いずこも同じ お気に召さない政治家

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いよいよワールドカップ・ロシア大会が始まりましたが、出場していないオーストリアは、余り関心がないかもしれません。

ただ、直前に行われたドイツとの親善試合では、オーストリアが勝利。これは大いに盛り上がりました。さて、結果は、どうなるでしょうか。

このブログでは、「政治の問題」は、余り取り上げません。そちらは、専門家にお任せすることにしていますので‥

オーストリアでは、昨年、政権交代が行われ、従来とは異なる中道右派の国民党(ÖVP)と、極右政党と呼称されることが多い自由党(FPÖ)による連立政権が発足しました。

首相は国民党のSebastian Kurz(セバスチャン・クルツ)氏です。

先日、街頭で写真のようなステッカーが貼ってあるのを見かけました。現在の連立政権がお気に召さないグループが貼り付けたのでしょう。

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ご存じのようにオーストリアには、トルコ出身の方が数多く生活しています。

オーストリアは、過去、トルコと戦争をしてきた経緯もあり、同国に対しては、好感情は持っていないようです。ただ、こちらで生活をしているトルコ系住民の多くは、ユーロイスラームと呼ばれるグループで、オーストリアの文化をある程度、受け入れて生活しています。

ところで、Sebastian Kurz氏は、首相になる前、移民統合事務局局長として活躍していましたが、「能力による社会統合」という考え方を基本にしていました。

ただ、最近は、過激な思想を持ったイスラームが増えたことあり、トラブルの火種が‥

先日もウィーンで最も大きなモスクで、オーストリア政府が激怒した行事が行われています。このモスクはATIB(トルコ宗教協会The Union of Turkish-Islamic Cultural Associations in Europe)という組織が運営しており、複数の幼稚園も運営しているそうです。

ATIBは、トルコ宗教省に直結する組織で、基本的にトルコ政府の方針に従っています。

今回の行事は、第1次世界大戦中に行われた「ガリポリの戦い」にちなむもの。

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「ガリポリの戦い」とは、オスマン帝国軍に対し、連合軍が挑んだ上陸作戦です。

オスマン帝国は、すでに末期的な状況だったことから連合軍は短期決戦を想定していましたが、後の新生トルコ共和国初代大統領に就任するオスマン帝国のムスタファ・ケマル・アタテュルク司令官の活躍などにより、連合軍は多大な損害を出して撤退、作戦は失敗に終わりました。

この行事では、子供たちがトルコ軍の軍服を着て、戦死者にはトルコ国旗をかぶせて、当時の様子を再演したそうです。

こういった行事に対して、オーストリア政府は、ATIBを厳しく糾弾し、文化省が法律違反でないかどうか調べています。

また、クルツ首相は「オーストリアには、モスクで再演された行事の居場所はない。 オーストリアで許容されることはない。ゼロだ」と激怒。

なお、この行事ですが、今年だけでなく、2016年にも開催されていたようで、その当たりも首相の逆鱗に触れた理由のようです。

このような動きも影響しているのか、6月8日、「政治イスラムとの戦いにおける決定」という政策が発表されました。

この政策では、オーストリアにある約400のイスラム教寺院のうち、政治イスラムの温床となっている施設を閉鎖を決定すると共に、外国からの資金を受け取ることを禁止している現行の「イスラム法」に違反しているイスラム教指導者約60名の滞在許可を見直す(場合によっては強制退去を要請する)というものです。

もちろん、宗教の自由を尊重する姿勢に変わりはなく、穏健なユーロイスラームを排除するものではありません。具体的にはトルコ系極右武装組織の影響を受けている過激なアラブ系文化共同体を排除しようというものです。

これに対して、トルコからはオーストリア政府に対し、“政治イスラムへの戦闘宣言”に対し厳しい反発の声が出ているそうです。

さて、発足して半年が経過したクルツ政権ですが、政権に反対にグループが存在する一方、メディアによると、国民の支持率は、まずまずのようです。

過激なイスラム教徒の行動が目立つようになり、オーストリア内でも対立が激化しつつあるようです。

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