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June 04, 2018

Volksoper“Gasparone”Premiere Report (上)

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オペレッタ・ファンの皆さま、お待たせしました。2017 /18シーズンの最後を飾る新演出オペレッタがカール・ミレッカー作曲の「Gasparone」です。

最近、Volksoperでは上演されることがなかったため、Feriは観たことがありません。

1884年1月26日にアン・ディア・ウィーン劇場で初演が行われましたが、改作、編曲が多いのが特徴。

ちなみにロガーティ版は場所がシラクーサ、ステファン版はトラーパニ、旧フォルクスオーパー版はピッツォラートと、シチリア島内であるものの、場所が違う上に、登場人物や芝居の内容もだいぶ違うそうです。ある意味、「何が定番」なのかはっきりしない作品。

今回の制作陣は、以下のメンバーです。

-指揮:Andreas Schüllerさん

-演出:Olivier Tambosiさん

-舞台装置:Andreas Wilkensさん

-衣装:Carla Caminatiさん

-振付:Stephan Brauerさん

今回、演出を担当したOlivier Tambosiさんは、Volksoperでは「アナテフカ」の演出を担当しています。

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そして、Premiumの出演者は、以下のとおりです。

-Carlotta(カルロッタ):Mara Mastalirさん

-Baboleno Nasoni(パポーレ・ナゾーニ、市長):Gerhard Ernstさん

-Sindulfo(シンドゥルフォ、パポーレ・ナゾーニの息子):David Sitkaさん

-Der Fremde(よそ者、実はシチリア総督):Sebastian Geyerさん

-Luigi(ルイージ、よそ者の連れ):Christian Grafさん

-Benozzo(ペノッツォ、旅籠の亭主):Marco Di Sapiaさん

-Sora(ソーラ、ペノッツォの女房):Johanna Arrouasさん
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-Massaccio(密輸業者):Wolfgang Gratschmaierさん

-Petruccio(密輸業者):Josef Luftensteinerさん

-Benito(密輸業者):Franz Suhradaさん

-Calvazzi(密輸業者):Daniel Ohlenschlägerさん

最近、Volksoperでは定番の休憩1回バージョンで、上演時間は2時間30分(休憩を含む)でした。

なお、最近は「プログラム」に日本語のあらすじが掲載されていましたが、今回から日本語のあらすじがなくなりました。これは、ちょっと残念。という訳で、後半はあらすじをご紹介します。

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抽象的な演出は「怪我の功名」
イタリアを舞台としたオペレッタなので、「男女の恋」がテーマ。しかし、金や財産目当ての結婚、密輸業者の暗躍、賄賂に弱い役人が登場するなど、結構、生々しいテーマが多い作品です。

今回の演出では、比較的シンプルな舞台装置と演出でした。これは、ある意味、良かったと思います。

2017/18シーズンの新演出オペレッタ「オペラ舞踏会」が、設定を現代にしてしまったため、ヒンシュクを買ってまったことを考えると、逆に時代、場所ともにはっきりさせず、「メルヘンの世界」にしてしまったのは一つのやり方だと思います。

Volksoper得意の回り舞台を使っていますが、事実上、大道具がなく、小道具で変化をつけるパターンです。衣装も特に時代設定を意識しているものではありませんでした。そのため、時代設定や場所は特定しづらくなっており、これが「怪我の功名」だったような気がします。

ただ、「オペレッタの王道」からは完全に外れていますので、意見は分かれそうな気がします。なお、最近多い、余計な芝居がないのはよかった気がします。

何しろシチリア島が舞台のハズなのに、何故か後半に出動する憲兵隊はオーストリア連邦軍の制服(腕に付けているパッチもオーストリア連邦軍のもの)。まぁ、話の本筋には関係ありませんが‥

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聴かせる演奏とアリア
本作品はオペレッタですが「聴かせるアリア」が多数、含まれている作品です。通常、オペレッタでは重唱が多いですが、ソロのアリアが多いというのも特徴。

オーケストラの演奏はなかなか良かったと思います。また、今回、Premiumメンバーは、全般的になかなか良い歌いぶりでした。個人の趣味ですがCarlottaのMara Mastalirさんが、良かったですねぇ。

Der FremdeのSebastian Geyerさんも、ソロで歌う場面が多数ありますが、歌はまずまずの仕上がりでしたが、総督としての「華が弱い」感じがしましたね。

それでは、あらすじに沿って作品のご紹介。ただし、今回はゲネプロを観ていないので、細かいところは違っている可能性があります。その点は、ご容赦ください。

第1幕
本演出では、「よそ者」の従者であるルイージが、冒頭、ストーリーテラーの役割を担います。ここで、主要な登場人物を紹介するという展開でした。

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登場人物の紹介が終わると、「よそ者」が独り静かに歌っている場面になります。

ルイージは、市長ナゾーニが布告した「悪名高い盗賊ガスパローネが、最近、この近郊に出没し出しているので、森の中には入らないように」という注意書きを「よそ者」に見せます。

「よそ者」は、「この布告の裏には何かある。密輸業者との関係もありそうだぞ」と呟き、ルイージと共に捜査にのり出すのでした。

この居酒屋は密輸業者の溜り場。今日もここでマッサッチョ、ペトゥルッツォ、カルヴアツツィらが集まってゲームを楽しんでいます。

ベノッツォが戻ってきて、砂糖とコーヒーが着いたと知らせます。密輸業者の売手は金を要求し、ベノッツォは、その売買から結構いい口銭を取るのです。

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そして、ガスパローネが出没するという噂を流して警察をそちらに行かせて、その聞にうまく密輸をさせてやったのだから、当然の報酬だとうそぶく。そして皆で、「大盗賊ガスパローネ様々だ」と歌います。

そこに見知らぬ男が入ってきます。朝早くから数多くいる男たちを、うさんくさそうに見るので、ベノッツォは、「彼らはみな漁師です、これから仕事に行くところです」と言い、皆はこそこそ出ていくのでした。

「よそ者」が、「最近、この近くの森にガスパローネが出没すると聞いたが」と水を向けると、ベノッツォは「実はつい最近見かけたのですよ、あの盗賊のよく歌う有名な歌があるでしょう」と話すのでした。

ベノッツォ「よそ者」の歌を聞いて、「よそ者」が本物のガスパローネだと思い込んでしまうのでした。

ベノッツォが市長に「本物のガスパローネが現れた」とご注進をするので、市長は、それではもう安眠できないと嘆きます。

「ガスパローネを逮捕できる情報を提供した者に一万リラの報償金を与える」という布告を出し、あとで私にその金を下さいと頼むのでした。

そこにベノッツォの女房ソーラが、助けてと叫び駆け込んできます。「森で伯爵夫人が襲われた」というのです。

皆は「ガスパローネの仕わざだ」と大騒ぎになりますが、そこにカルロッタが現れ、「ご心配は無用よ」と歌います。「暗い森の中で盗賊に襲われたけれど、ある素敵な男性に助けられたのよ」。


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そこにその救出してくれた男性が登場。ナゾーニは、この見たことのない「よそ者」をうさんくさそうに見るのでした。

そのときベノッツォが、「彼こそガスパローネだ」と叫び、市長に一万リラを要求します。しかし「よそ者」は落ち着いて、パスポートを見せるのでした。

そこにはエルミーニオ・デッラ・トレッラと明記されています。彼は「ああ、私が本当にその盗賊だったらよかったのに」と歌います。

カルロッタと二人になると市長は彼女に気やすく、嫁よと呼びかけます。カルロックは、「私は、まだ貴方の息子と結婚した訳ではありませんよ」と言いますが、市長は、「貴女の遺産相続の裁判に関しては、随分、骨をおって貴女に有利になるよう動いているのだよ」と息子との結婚を嫌とは言わせないようにもっていくのでした。

二人が各々の館に入るとソーラとペノツツオが現れます。女房は亭主が一晩中いないことがあるので、いらいらして夫婦喧嘩に。夫は、昼間いるからいいではないかと言いますが、ソーラは「結婚の歓びは夜の生活にあるの」と‥さすがイタリア‥

ベノッツォも「夜は密輸の仕事があるから」とは女房にも言えません。

市長が現れるとソーラは、「昼は伯爵夫人のところにお勤めし、夜は亭主が出かけるのですれ違いの夫婦なの」とぼやきます。

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市長は、「それなら夜は私が慰めてあげるから来なさい」と言い出し、愉快な三重唱に。オペレッタの世界にセクハラはなし。

「よそ者」が、ルイージと共に現れます。「よそ者」は彼にカルロッタがあの市長の息子と結婚するというのは本当かとたずねます。ルイージは、「どうも義理にからめた話らしいですよ」と報告。そこにカルロッタが迎えに出てきます。

二人が館に入ると、市長の息子のシンドゥルフォが若い娘達と現れます。

市長が登場し、伯爵夫人との結婚話がまとまりそうだと告げると、シンドゥルフォは、「100万リラと城館があるなら夫になるのも悪くない」と金目当ての結婚に大賛成。

何事かと出て来た彼女に市長は、「裁判は貴女の勝ちです、100万の金と城は貴女のものです」と告げ、同時に貴女と息子との結婚も認めようと言い出します。

彼女の方は、その気ではないのですが、裁判の件もあり、今さら嫌とは言えなくなるのでした。「よそ者」が、横から、そんな話に乗るものではないと口を出しますが、彼女は承諾してしまうのでした。ここで、休憩になります。

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オペレッタ, in フォルクスオーパー |

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