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August 22, 2018

「会議は踊る」、美食は武器?

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今日は「美食が外交交渉で大きな武器になる」という興味深い話題をお届けしましょう。

このお話は、日本オーストリア食文化協会の方から伺ったものです。

日本では映画が有名だった「会議は踊る」。そして、Feriにとっては印象深かったVolksoperのオペレッタ版「会議は踊る」。

オペレッタ(映画もそうですが‥)では、主人公はロシア皇帝アレクサンドルI世と手袋店を経営するクリステルの「はかない恋」を中心にしたお話でしたね。Volksoperのオペレッタでは、Robert Meyerさんが出演したので、宰相メッテルニヒの存在感が際立っていましたが‥

オペレッタでは、ウィーン会議に出席した各国代表も非常に個性的なコスチュームで登場。見事な踊りと合唱で、舞台に華を添えていました。各国代表のキャスティングも見事でした。

舞台の冒頭、開催地になったことを喜ぶ市長に対して、財務大臣は膨大な会議の費用を嘆く場面がありましたが、実際にも大変な出費だったそうです。

というのは、各国の代表は夜な夜な大宴会を開くのですが、この晩餐会費用も開催国のオーストリア持ちだったからです。人様のお財布で晩餐会(大宴会)をするのですから、各国代表は笑いが止まりません。

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恐らく財務大臣は、この晩餐会の費用も頭に入っていたことでしょう。また、舞台の中盤でも財務大臣が、会議費用が膨大になっていることを嘆く場面もありますが、これは、大宴会の費用が予想以上だったからかもしれません。

オペレッタでも、昼の会議では、各国のエゴがぶつかり合い、話がまとまらない場面が出てきましたね。

さて、オペレッタには描かれていませんでしたが、「ウィーン会議」では、「夜の部」も含めて敗戦国であるフランス代表Charles-Maurice de Talleyrand-Périgord(シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール)の天才的外交手腕が炸裂します。

まず巧妙に立ち回って会議への出席を実現。そして、敗戦国であるフランスの戦争責任の大半を回避させることに成功します。

一方、夜な夜な開催される晩餐会も、時が立つにつれマンネリ化してきました。まぁ、何となくワンパターンの晩餐会ですからね。

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その時、ペリゴールは、「フランスで、おいしいチーズ"と言えばブリー・ド・モーであり、ブリーこそ世界一!のチーズなり」と自慢します。それに対して、イギリス代表団の一人カースルリーグ卿が「スティルトンこそ世界一のチーズなり」と猛反発し、一歩も譲りません。

そこへ、オランダのフォーク男爵が「リンバーガーこそ、世界一だ」と参戦。昼の会議同様、チーズの自慢話で宴会も大騒ぎに‥

そして、「どこの国のチーズが世界一なのか」を競う羽目になりました。30カ国から52種類のチーズが持ち寄られ、晩餐会で品評会が行われたのです。この時、選ばれたのが、フランスの「ブリー・ド・モー」でした。付いた愛称が「チーズの王様」。

フランスは敗戦国としての面目を保つと同時に、「ブリー・ド・モー」が世界的に有名になったきっかけをになったのです。

そして、この「ブリー・ド・モー」から「カマンベールチーズ」が生まれたとか‥(Feriは、食の歴史に詳しくないので、日本オーストリア食文化協会の方からうかがったお話の受け売りです)。

ブリーの中で最も有名なのが「ブリー・ド・モー」ですが、これは「モー」という村のブリーチーズを指すそうです。

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「モー」はパリから北東へ約 50kmの所にあるパリ近郊の村。ブリーの歴史は古く、 8世紀のローマ皇帝シャルルマーニュ(カール大帝)が大好物だったと言われています。それ以外にもタレーランや、ルイ 16世なども愛好家として大変有名だそうです。

微細な白カビで覆われた表皮と柔らかい身の「ブリー・ド・モー」は、牛の生乳を原料とした「極上のチーズ」。扁平な円筒形(直径35~37センチ、厚さ2.5センチ)で、脂肪分は45%です。

このチーズ品評会の場面がオペレッタに入っていたら、これまた盛り上がりそうですね。

タレーラン=ペリゴールは、政治家・外交官 ですが、美食家であり、大料理長カレームを一時的に雇ったこともあったそうです。そして美食を武器にウイーン会議をはじめ国際交渉で成功を治めた人物。美食を武器に会議をリードするとは、フランス人らしいお話です。

ちなみにVolksoperのオペレッタでは、フランス首席全権タレーラン=ペリゴールはMarco Di Sapiaさんが務めていました。

なかなかいい感じで演じていましたが、ウィキペディアに掲載されている肖像画を見ると、イメージは違いますね。でも、あくまでもお芝居の中の話ですから、風貌が違っていても問題ありません。

Feriも、この「チーズ品評会」のエピソードを知っていたら、オペレッタの見方が変わっていたかも知れません。残念。やはり周辺知識も重要ですね。

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