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September 14, 2018

開業30周年を迎えたTaurachbahn訪問記(下)

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今日は、昨日に引き続き開業30周年を迎えた「Taurachbahnの話題」をお届けしましょう。

今年、見事に復活を果たした元Salzkammergut-Lokalbahn(ザルツカンマーグートローカルバーン、略称SKGLB)の22号機。

この機関車は、元SKGLBでも大型で、5軸動輪。狭軌鉄道では珍しい炭水車を連結た蒸気機関車です。

オーストリアの狭軌鉄道で使用される蒸気機関車は、クラウス・リンツ製が多いのですが、この機関車はドイツのボルジッヒ(Borsig Lokomotivwerke GmbH)という会社で、1939年に製造されたものです。

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試作機的な意味合いが強かったようで、ドイツやオーストリア内を転々として、1945年にSKGLBにやってきたようです。そのため、SKGLBには同型機はいません。

台枠が車輪の外側にあるアウトサイドフレームが特徴。やや無骨なデザインですが、力があることから、SKGLB時代も長い編成の列車を牽引するなど、便利だったようです。

22号機はSLBLが1957年に廃止されてから、チロルのZillertalbahnに移っています。ちなみに「Aquarius C」という愛称はZillertalbahn時代に付けられたと言われています。

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同機は、1980年にドイツに売却されました。その後、ドイツ内を転々としていたようですが、2016年にClub760が購入。

2017年からオーストリア内(Pinzgau LokalbahnのZell am See工場と言われています)で本格的な修繕が行われ、今年の7月、Taurachbahnにやってきました。

7月中旬には、盛大なお披露目運転も行われたようで、Feriの友人も、長駆、日本からやって来ました。Feriもお披露目運転に来ない‥と誘われたのですが、都合がつかず断念。8月下旬に初めてご対面となりました。

現役時代は蒸気機関車の定番カラーである黒だったようですが、今回は鮮やかなブルーになりました。現役時代の写真を見ると、塗装以外は、ほぼ当時の姿を踏襲しています。

ただ、現在は空気ブレーキシステムを使用しているため、エアーコンプレッサーが取り付けられています。

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なお、22号機は、狭軌鉄道用蒸気機関車では珍しい「5和音の汽笛」を装備しており、日本の蒸気機関車を彷彿させます。

客車については、小型の二軸車が中心ですが、最近では台車を履いたボギー式も増えています。その中には、元SKGLBの車両も存在しています。

Lungauは、タウエルン山脈の南側で、かつシュタイヤマルク州に接しているのですが、ザルツブルクへの帰属意識が高いのが特徴。

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Feriが、毎夏、使っているホテルの女将は、滞在中、色々とLungauで行われる行事を紹介してくれますが、同じMuru谷のシュタイヤマルク側で行われる行事には一切触れません。

オーストリアには、「谷ごとに文化がある」と言われており、Muru谷にも独自の文化が存在するのですが、この当たりの郷土愛は興味深いところです。

そのため、Feriが、この宿を建つときには、“今日はSalzburg、Wienのどちらに行くのかい”と訊かれます。決してシュタイヤマルク側の都市名は出ません(笑)。

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これまた本編と関係ありませんが、Bierに関しては、Salzburgのものも入ってきていますが、メインはシュタイヤマルク州Muruに醸造所(本社工場)があるMuraurBier。

Lungauにも営業所があります。これに関しては、皆さん、何も語りません。まぁ、生に関しては、「鮮度が命」ですから、当然の選択でしょう。

話が脱線しましたが、話をTaurachbahnに戻すと、色々な鉄道で使用されている機関車や客車を動態保存していますが、最近の傾向を見ていると、SKLBの車両が増えているような気がします。

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Bad Ischl-Salzburg間を結んでいた狭軌鉄道SKLBは、1957年に廃止され、その線路跡は遊歩道や道路に転用されています。

そのため、現地で保存鉄道を運営することは事実上、不可能かと思います(Mondseeに博物館がありますが‥)。

オーストリアでも規模が大きかったSKLB。しかも風光明媚な場所を走っていただけにClub760としては、同鉄道を復活したいという夢があるのかもしれません。

ちなみに左の地図が1957年時点の「SKLBの路線図」です。前にもご紹介したことがありますが、もし、今、走っていたら、観光鉄道として一部が残っていた可能性が高いと思います。

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しかし、廃線から60年近く経過してしまっているため、LungauのTaurachbahnで、SKLBの再現を狙っているような気もします。

何と言っても、ここはSalzburg州ですから‥

ところで、Taurachbahnは、原則として、土曜日・日曜日は2往復、金曜日は1往復の運転で、運賃は片道7Euro。団体割引などもあります。

運行に携わるメンバーはClub760の皆さんがボランティアで取り組んでいるものの、経営は決して楽ではないと思います。

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というのは、運転期間が短いにもかかわらず、線路の整備は非常に本格的で、失礼ながら日本の地方鉄道並みのレベルを確保しています。

これはClub760のホームページやFacebookを見ると、保守の様子を紹介していますが、非常に本格的であることがわかります。

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もちろん、作業はクラブメンバーが行っていますが、少なくとも保守に必要な資材や燃料などには費用がかかる訳で、運行経費以上に、線路の維持費が大変だと思います。

そこで、Mauterndorf駅の売店では、様々なグッズを販売しています。今年、訪問したらグッズのリーフレットも用意されていました。

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こういったグッズを購入することも、実は鉄道運営に大きな援助になります。最近では、認知度が上がってきたためか、団体の利用も増えているようで、Feriが訪問した日も、子供さんの団体が入ったため、客車が増結されていました。

また、クラブメンバーのお子さんが、お手伝いで参加しているのも印象的でした。「鉄道写真を撮影するよりも、鉄道運営に参加させる」という基本スタンスなのですね。

FeriのLungau詣でとともに、運行をはじめたTaurachbahn。何かの縁を感じます。これからも「身の丈に合った経営」で、末永く蒸気機関車の動態保存を続けてくれることでしょう。


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