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November 28, 2018

列車を電力供給源は‥

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昨日は「ÖBBのストライキ関連の話題」をお届けしましたが、今日もÖBBに関係する話題です。

題して「鉄道への電力供給は?」です。

ÖBBは幹線を中心に電化されています。RailJetも電気機関車が先頭に立っているのは、皆さま、ご存じのとおりです。
では、その電気は、どこから供給されているのでしょうか。実はÖBBが運営する発電所から使用電力の1/3を供給しているのです。

気になる発電方式ですが、SalzburgにあるÖBB専用水力発電所で発電しています。

また、残りの電力については、提携している発電会社および商用回線から供給を受けていますが、2018年7月から全てグリーン電力(水力を中心とする再生可能エネルギー)になりました。

その結果、ÖBB-Infrastruktur AGは、ヨーロッパで最も環境にやさしい鉄道インフラ事業者の一つになりました。

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現在、ÖBB自社所有の水力発電所はSalzburger Stubachtalエリアにある、4基の発電設備を設けたKraftwerk Tauernmoos(タウエルンモース発電所)です。なお、ピーク時に対応するため、揚水式を採用しています。

揚水式発電所というのは、発電所の上部と下部に大きな調整池をつくり、電力需要の多いときは上の調整池から下の調整池に水を落として発電し、発電に使った水は下部の調整池に貯めておきます。

そして、電力需要が少ない時間帯(通常や夜間)に、下部の貯水池から上部の貯水池まで発電用水を汲み上げ、再び昼間の発電に使うというものです。

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これにより、ある程度、電力を蓄えておくことができる訳です。Kraftwerk Tauernmoosの場合、調整池の高低差は220メートルです。

貯水池はTauernmoos(タウエルンモースゼー)ですが、場所はグロースグロックナーに近い山岳地帯です。

1926年から1929年にかけて、高さ28mのダムが作られました。その後、鉄道の電力需要増大を受けて、1969年から1973年にかけ、それまでのダムの下流25mの位置に新しいダムが建設されました。そのため、古いダムは貯水池に沈んでいるそうです。結構、大胆ですね。

現在の総発電量は130mw/hです。資料を見ると、同発電所で発電された電力は、自前の送電網を使って、オーストリア全土に送られているようです。

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なお、ÖBBの場合、日本と異なり、列車に供給される電力は商用周波数ではなく、16 2/3Hzという低周波交流です。

さて、ÖBBでは西鉄道で230km/h運転を行っていますが、新線の開通などにより、その区間も広がりつつあります。当然、走行速度が上がれば、消費電力も増えてきます。

そこで、ÖBBではTauernmoos発電所の増強を決定しました。

建設される場所は標高2000メートルという山岳地帯であことに加えて、国立公園エリアであるため、環境保護の観点などから、今後、2年間にわたって各種調査が行われることになっています。

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その上で、プロジェクトの詳細が決定され、2020年もしくは2021年に着工。2025年末に発電所が稼働を開始する予定です。もちろん、新しい発電所も揚水式になる予定です。

ところで、日本では、旧国鉄時代、信濃川発電所(水力)と川崎火力発電所を建設しています。東日本に偏っているのは、その昔、電化区間が首都圏に限定されていたためです。現在のJR東日本に継承されており、62万kwhの電力を供給しているそうです。

その他のJR各社および民鉄に関しては、自前の発電所は持たず、電力会社から供給を受けています。

オーストリアの場合、上下分割方式で、設備はインフラ会社が所有していることもあり、このような自前の発電所増設という発想になるのでしょう。しかし、豊富な水力資源を使える点が、ある意味、うらやましいですね。


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