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November 15, 2018

Währinger Schubertparkを訪ねて

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11月15日、オーストリアとは関係ありませんが、ボジョレー・ヌーボーの解禁日ですね。

日本ではコンビニエンスストアでも、15日0時(14日の24時)過ぎから販売をはじめているそうですが、バブル期のような大騒ぎはくなったのは結構なことだと思います。

ふと、オーストリアのホイリゲも、このようなブームになれば沢山売れるのに‥と思いますが、逆に極端な生産量の確保は、品質の低下が危惧されますから、「今のまま」が良いのでしょう。

今日は「公園の話題」をお届けしましょう。

皆さんはWähringer Straße沿いにある「Währinger Schubertpark」をご存じでしょうか。名前からわかるようにオーストリアの作曲家Franz Peter Schubertにちなんだ公園です。

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場所は、ギュルテルの外側になるので、SchottentorやVolksoperから41系統などに乗ってゆくことになります。もちろん、徒歩でも行くことができます。最寄りの停留所はAumannplatzです。

現在のWähringer Schubertparkは約14000平方メートルの18区Währing地区の123番と123番の間、WähringerStraße沿いにあります。

入り口には史跡を示すプレートも取り付けられています。

実はSchubertparkは、1925年、ヴェーリング地域墓地の跡に開設された公園です。今では周囲が都市化されおり、墓地のイメージはありませんが、その昔、このエリアは郊外でした。

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こちらでは、基本的に教会に隣接する墓地に埋葬するのが一般的ですが、当時、ウィーンも都市化が進んだため、この地区でも教区教会の墓地が不足してきたようです。

そこで、教会から離れた場所に墓地を建設することになったのですが、土地の所有者が墓地になることがわかると、契約を忌避するケースが多かったと伝えられています。今も昔も、墓地は「嫌われる施設」の代表なのですね。

最終的に現在の場所に「ヴェーリング地域墓地」が建設されることになりました。墓地は1769年2月24日にビーダーマイヤー様式で建立され、主にWähringとWeinhausで亡くなった方が埋葬されたそうです。

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ヴェーリング地方墓地には、当時、有名人も埋葬されました。オーストリアを代表する劇作家ヨハン・ネストロイ、詩人のフランツ・グリルパルツァーも埋葬されています。

そして、1827年3月26日に亡くなったベートーベンもヴェーリング地域墓地に埋葬されました。

ベートーベンが没した翌年に亡くなったシューベルトは、兄フェルディナントの尽力によりヴェーリング地域墓地にあった「ベートーベンの墓」の隣に埋葬されました。

「ヴェーリング地域墓地」は人気が高く、1820年代後半、埋葬者が増えたため、ヴェーリング地域墓地の拡張が行われました。同時に、同墓地で埋葬する場合、条件が付けられたという話もあります。

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19世紀半ばになると、ヴェーリング地区の開発が進み、墓地の周囲が住宅になってきました。

そのため、ウィーン市ではヴェーリング地方墓地の閉鎖を決定し、1873年4月26日に閉鎖されました。

例外的に墓地が残っているエリアもありましたが、墓地の閉鎖後、重要な人物の遺体は他の墓地に移されました。1988年、ベートーベンとシューベルトの遺体も中央墓地へ移されています。

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ただ、当時は墓荒らしなどもあって、閉鎖後の墓地は荒れ放題だったそうです。そこで、ウィーン市は、墓地を公園に変えること決定し、1912年、この土地を取得します。そして、誕生したのが、この公園です。

現在でも塀に囲まれた一角は墓地として残っており、ビーダーマイヤー時代の墓石も見られます。ただ、この墓地エリアに関しては、一般の方は入ることができません。

金属のフェンスの隙間から、中を見ることができます(3枚目と4枚目の写真が墓地のエリアです)。

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さて、WähringerStraßeの入り口から園内に入り、奥に行くと左側にお墓のような二つの記念碑が建てられています。向かって左側に建立されているベートーベンの墓碑は中央墓地にある墓碑とよく似ています。

その隣(右側)がシューベルトの墓石です。ただ、この場所に2人が埋葬されていたのかどうかは、定かではありません。もしかしたら、公園に改装した際、場所を移設して記念碑を建立した可能性もあります。

公園の入り口に記念碑の案内などがない上に、塀に囲まれた墓地と離れた場所にあるため、ちょっと探すのが大変かも知れません。

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ところで、現在、Währinger Schubertparkの地下は駐車場になっています。ご存じのようにウィーンは色々なところに駐車場がありますが、地下駐車場も多いのが特徴。

2003年、公園の地下に駐車場(ガレージ)が建設されることになりましたが、計画が発表されると、地元でも反対運動が起こったそうです。

実際、墓地の地下に駐車場を作る訳ですから、もしかしたら遺骨などが出てくる可能性もあります。死者を冒涜するのでは‥ということでしょうか。

最終的には地下駐車場の建設が決まり、同時に公園内の設備充実なども行われ、2005年7月にリニューアルオープンとなりました。

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これが、現在のWähringer Schubertparkです。今は他の中規模公園のようにHundezone(ドッグラン)や遊戯施設などが設置されている子供さん用の遊び場、ゆったりくつろげる広場などがある「地元住民の憩いの場」になっています。

観光客の方が訪れることも少ないようで、地元の皆さんが、子供さんを連れてくつろいでいる姿をよく見かけます。
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ここが「昔は墓地だった」ということを認識している人も少ないかも知れません。

日本人は、音楽家や有名人のお墓参りが好きな方が多いという話ですが、今、ここにはベートーベンもシューベルトも眠っていません。そのためか、訪れる音楽ファンも少ないようです。

住民の生活圏に静かに佇む「著名音楽家の史跡」。以前、ご紹介した19区にあるStrauß-Lanner-Parkと同じく、いかにもウィーンらしい場所。こんなところがFeriは好きです。


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