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December 15, 2018

Weihnachtskekse

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今日は「クリスマスにまつわるお菓子の話題」をお届けしましょう。

この時期、日本では、いわゆる「クリスマスケーキ」の予約が積極的に受け付けていると思います。

洋菓子専門店はもちろん、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも、立派なパンフレットを作成して、予約獲得に懸命ですね。

Feriが、子供の頃は、クリスマスケーキと言えば「苺の載ったショートケーキ」などシンプルなものが多かったですが、最近は和風テイストのものをはじめ、様々なケーキがラインナップされているようです。

実際には、おせち料理の予約も同時並行で行っていることを考えると、クリスマスはどうでも良い訳で、商売につながるならば何でもOKというのが経営側の本音でしょう。

ご存じのように、こちらではクリスマスは宗教行事という性格が強いので、色々な行事や関連する食品も、日本よりは伝統的なものが多いようです。最も、これはFeriの主観ですが‥

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先日、大手ベッカライチェーンANKERの店頭で、写真のようなディスプレイを見つけました。写真をご覧になるとおわかりのように、クリスマス用のお菓子を並べたものです。

中央はChriststollen。このブログでも何回かお伝えしている「伝統的なお菓子の代表」でしょうか。

以前、日本オーストリア食文化協会会員の専門家からうかがったお話によると、Stollen(シュトレン)はドレスデンで誕生したお菓子で、1329年の文献に、その名が記されています。

もともと新年や収穫祭、皇帝の即位式などの祝事の際に作られていたようです。その後、徐々にクリスマス菓子として定着していきます。その由来が興味深いところ。

名前の由来には、以下のような諸説があります。
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-イエス=キリストのおくるみの姿やゆりかごの形

-東方三博士がキリストを訪ねたときの杖

-神父がかける袈裟(シュートル)

-坑道(シュトレン)ドレスデン南方エルツ山地はヨーロッパ有数の鉱山

-表面の粉砂糖を「キリスト生誕の日の雪」に見立てた

なお、日持ちすることが求められたため、「Dauerbrot(ダウワーブロート)」、つまり時間の経過をともなっておいしくなるパンとも呼ばれています。

発祥の地・ドレスデンのシュトレンには、「Dresdner Stollen(ドレスドナー・シュトレン)」という特別な名前が与えられ、それ以外の「Christstollen(クリストシュトレン)」とは一線を画しているとか。

ちなみに右の写真はドレスデンのクリスマス市で、以前、撮影したものです。正に「本家」。

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当時のドレスデンは気候が厳しく材料に乏しい地域で、比較的入手しやすいオレンジやレモンのドライフルーツに、アーモンド、そして近くの貿易都市フランクフルトから送られてくるスパイスを加えて焼き上げていました。

この最低限の材料で、特別な日のために最高のお菓子を作ろうとしたことに、大きな意味があります。今となってはとてもシンプルなDresdner Stollen、でも当時は、最高の贅沢品だったのです。そして、現在に繋がるすべてのシュトレンの基礎となっています。

以前、Adventの時期、Feriはドレスデンを訪問した際、旧市街のクリスマス市でStollenを専門に販売する屋台が沢山並んでいるのを見て、びっくりしたことがあります。

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なお、ドイツでは伝統菓子のすべてに厳密な規定があり、シュトレンについてもその種類によって、配合に規定があるとか‥

このシュトレン、出来上がりを食べても美味しいのですが、12月の初めに作られたシュトレンを少しずつスライスして食べていくと、クリスマスになる頃には熟成した、えも言われぬ味わいになります。

菓子やパン類に、このような食べ方があるのは多分このシュトレンだけだと言われています。

このシュトレンにもいくつかの種類があります。今回、写真でお目にかけたのが基本形のChriststollen(クリストシュトレン) ですが、この他にもWeihnachtsstollen(クリストシュトレンの別名)、Dresdner Stollen(ドレストナーシュトレン)、Butterstollen(ブッターシュトレン)、Mandelstollen(マンデルシュトレン)、Marzipanstollen(マジパンシュトレン)、Mohnstollen(モーンシュトレン)。

以前はAdventの時期限定だったのですが、ウィーンでは、最近はかなり前から販売されるようになり、スーパーマーケットの店頭に並ぶようになりました。

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最近は日本でも色々なお店や会社がシュトレンを発売するようになりましたが、どうしても見た目が華やかでないためか、今ひとつ、人気が高まっていないような気がします。

そして、両側はWeihnachtskeksegemischtです。ミックス・クリスマス・クッキーといったニュアンスでしょうか。こちらも定番のお菓子ですね。クリスマスをイメージして星などを模ったものもあり、雰囲気を盛り上げてくれます。

この2つをご覧になって、何かお気づきのことはありませんか? そう、どちらも、いわゆる「生菓子」ではなく、「保存性の高いお菓子」であるという点です。

これは、その昔、冷蔵庫などの保存設備がなかった時期、一定期間、食べることを前提にしていたことが影響しているようです。

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Stollenは、一般のお宅で作るのは大変ですが、Adventの時期になると、クッキーを焼くご家庭が増えます。

こちらでは、日本と異なりオーブンが普及していることもあり、Adventの慣例となっています。基本的に女性の皆さんが作って友人にプレゼントするパターンが多いようです。

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大先輩の奥さま(オーストリア人)もマメな方で、この時期になるとクッキー作りに精を出しています。先日、ウィーンで代先輩とお目にかかった際、奥さまからのプレゼントと言うことで、小さな缶に入った手作りのクッキーを頂きました。

この缶ですが、この時期になると金物屋さんの店頭などに並びます。大きさも様々ですが、いずれもクリスマスをイメージしたデザインになっています。

高価なプレゼントよりも、心のこもった手作りクッキーを、ウィーンのアパートの一室で、ブラウナーと一緒に頂くと、本当に心も温かくなります。

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Comments

最近は日本でもシュトーレンが見られるようになってきました
通販でも色々買えるようになっているので 此の季節は楽しいです
神戸のフロイントリープの物も高島屋の通販で買え 去年もいただきました
バターたっぷりの良い香りで一口一口味わい楽しみます
街中のパン屋さんの店頭や ケーキ屋さんの店頭など
本当に増えてきていますね

Posted by: Salzburg.Love | December 16, 2018 14:45

Salzburg.Love様

やはり、この時期、ヨーロッパに行かれた方が増えたことも普及の要因かも知れません。

もちろんパテシエの皆さまも、現地で修行された方が多くなったことも後押ししているような気もします。

Posted by: Feri | December 16, 2018 19:35

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