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February 12, 2019

船で蒸気機関車を搬送 その行き先は‥

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今日は「鉄道車両を船で運ぶというお話」です。

ご存じの方も多いようにウィーンは海に面していませんが、ドナウ川という大河があるため、国境を越えた海運も盛んです。

2月6日、Freudenau港で保存されていた50型蒸気機関車(50 3670)を船に積み込む作業が行われました。

この機関車ですが、このブログでもご紹介したことがある民間の鉄道博物館Eisenbahnmuseum Schwechatに保存(保管)されていたものです。

同機は、Deutschen Reichsbahn用に1941年8月、チェコのピルゼンにあったŠkoda Lokomotiv-Werkenで製造されました。

戦争終結後は東ドイツ国鉄で活躍していた貨物用蒸気機関車です。ちなみに50型は3000両以上が製造されたドイツを代表する貨物用蒸気機関車です。形は違いますが、日本のD51型のような存在です。

この記事をまとめるにあたり、Eisenbahnmuseum Schwechatの保存機リストをチェックしてみましたが、同機の記述は見られませんでした。

ただ、ウィーン市が港から搬出される50型を紹介する記事には、この機関車の所有者が、スイスに本拠地を置く鉄道運行会社TransEurop Eisenbahn AGであるという記述がありました。

そこで、TransEurop Eisenbahn AGの方から調べて見ると50 3670号機であることがわかりました。ちなみに同社では急行用蒸気機関車01 1102号機も動態保存しています。

さて、今回、ウィーンで船積みされた50 3670号機の行き先ですが、ブルガリア・ソフィアにある蒸気機関車修繕施設です。

どうやら動態保存に向けての工場送りが決まったようです。一時的にEisenbahnmuseum Schwechatが、同機を保管していた可能性はありますね(またはTransEurop Eisenbahn AGが買い取った)。

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しかし、船積みされる50 3670号機は、正直、非常に状態が悪いですが、こちらではリバースエンジニアリングの手法を活用して、「形さえ残っていれば、無いものは作る」ので、必ず素晴らしい状態で動態復帰することでしょう。

余談になりますが、ヨーロッパで蒸気機関車の修繕に特化しているのは有名なドイツのマイニンゲン機関車工場です。

オーストリアの保存鉄道でも、同工場で復元(もしくは新製)した機関車が、多数、活躍しています。その気になれば、日本の公園で保存されている機関車も、すべて動態復帰させることができると思います。

しかし、同工場は高い技術力がある反面、修繕費用がお高いのが玉に瑕。そこで、最近では修繕費用がリーズナブルな旧東欧圏の機関車工場に修繕を委託するケースが増えているとか。今回も、そのようないきさつでソフィアの工場に白羽の矢が立ったものと思われます。

鉄道ファン的には、この50 3670号機は、東ドイツ国鉄時代に性能向上のために改造が施されており、あまり美しい姿ではありません。今回の動態復元工事に際して、原型に復帰させるのかどうか、この点も注目です。

今回はウィーン市が提供している写真で船積みの様子をお届けしますが、実際に船に搭載された写真がないのが残念。

しかし、こちらは陸続きで線路がつながっていますから、標準軌の鉄道車両は、鉄道で輸送するのが一般的です。それだけに船での輸送が珍しいため、ニュースになったのでしょう。ちなみに船で輸送されるようになったのは、本線走行が厳しいためだと思われます。

ところで日本だと、この手の大型蒸気機関車をクレーンで吊り下げる場合、2基のクレーンを使うのが一般的ですが、1基のクレーンで行っているようです。炭水車ならばかわりますが、機関車本体を1基のクレーンで‥これもすごいですね。
今回、船積みされたHafen Wien(ウィーン港)ですが、オーストリア最大のマルチモーダル貨物輸送センターの1つ。

黒海から約2000キロメートル、北海から約1500キロメートルの位置にあり、ヨーロッパでも重要な国際貿易港として機能しています。年間の貨物取扱量は700万トンに及ぶそうです。

しかも、港には道路、鉄道が乗り入れているため、スムーズな物流が可能なことがポイント。島国の日本では「河川による国際貿易」というのはイメージできませんが、大陸ならではのお話です。


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