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February 23, 2019

Volksoper「The Gershwins' Porgy and Bess」

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今日はVolksoperの「オペラの話題」をお届けしましょう。

今シーズン、注目されているのが、ジョージ・ガーシュウィン作曲のオペラ「Porgy and Bess」(ポーギーとベス)。

史上初のオールアフリカ系キャストによるフォーク・オペラ。ガーシュウィン自身は白人ですが、ブラックアメリカンの音楽を徹底的に研究し、このオペラに取り入れたと言われています。

原作はデュボース・ヘイウォードの小説で、身体の不自由なブラックアメリカンの青年と、ギャングの情婦で麻薬中毒の女性との純愛物語という、ヨーロッパ系オペラとはかけ離れた題材です。

「サマータイム」を始め、「俺にはない物ばかりだぞ」、「それがそうとは決まっちゃいない」など、ジャズやポピュラー音楽のスタンダードになっている曲も多いのが特徴。

多様な演目を器用にこなすVolksoper向けのオペラだと思います(これは良い意味で)。

指揮はJoseph R. Olefirowiczさん。主なキャストは以下のとおりですが、主役級はMelba Ramosさんを除いて客演です。

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-Porgy(ポーギー):Morris Robinsonさん

-Bess(ベス、クラウンの情婦、後にポーギーの情婦):Melba Ramosさん

-Crown(クラウン、粗暴な沖仲士):Lester Lynchさん

-Sporting Life(スポーティング・ライフ、キザな麻薬売):Ray M. Wade Jr.さん

-Serena(セリナ、ロビンズの妻):Julia Kociさん

-Clara(クララ、ジェイクの妻):Rebecca Nelsenさん

-Maria(マリア、隣人):Bonita Hymanさん

-Jake(ジェイク、漁夫):Ben Connorさん
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-Mingo/Nelson(ミンゴ/ネルソン):Jeffrey Treganzaさん

-Robbins(ロビンズ、漁夫):Alexander Pinderakさん

-Peter(ピーター、蜂蜜売り):Mehrzad Montazeriさん

-Lily(リリー、ピーターの妻):Sulie Girardiさん

-Annie(アニー):Ilseyar Khayrullovaさん

-Simon Frazier:Morten Frank Larsenさん

-Jim /Bestatter(ジム、綿花摘み人/葬儀屋):Michael Havlicekさん

-Polizist / Leichenbeschauer(警察官/検視官):Maximilian Klakowさん

-Detective(探偵):Axel Herrigさん

-Würfler:Heinz Fitzkaさん

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オーケストラと合唱団の人数が多く、なかなか迫力ある演奏でした。なお、ドイツ語上演にこだわるVolksoperにしては珍しく英語版上演、ドイツ語字幕でした。コンサート形式なので、正直、「あらすじ」を見ないと、Feriは内容が理解できませんでした。

第1幕「ある夏の夕方から夜」
足の不自由な乞食のポーギーは給仕女のベスに思いを寄せています。ベスの内縁の夫クラウンは賭博のトラブルから仲間を殺し逃亡し、これをきっかけにベスはポーギーと一緒に暮らすことになります。

住民たちはクラウンに殺されたロビンズの部屋に集まり、彼の死を悼むとともに、なけなしの金を出し合って葬儀の費用を捻出します。

ちなみに1幕が非常に長く、上演時間は1時間30分。20分間の休憩を挟んで、2幕へ。

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第2幕「殺人事件の1ヶ月後、その1週間後」
ある天気のよい日、「ナマズ横町」の住民たちは離島にピクニックに出かけます。ポーギーは足が不自由なために留守番。ベスもピクニックに参加しますが、島に隠れていたクラウンと出会ってしまうのでした。

島から戻ったベスは熱を出して寝込み、ポーギーは献身的に彼女を看病します。1週間後、回復したベスはクラウンとのことを告白し、ポーギーへの愛を誓うのでした。

その翌日、ハリケーンが「ナマズ横町」を襲います。住民たちが集まっているところへクラウンが登場し、ポーギーと険悪なムードになりますが、漁夫ジェイクの妻クララが難破した夫の船を見つけ嵐の中へ飛び出して行くのでした。クラウンは嵐を恐れる住民たちを臆病者と罵りクララを追います。

第3幕「ハリケーンの翌日、その1週間後」
嵐のために死んだ仲間のための葬式が終わった後、クラウンがポーギーの部屋に忍び込みます。発見したポーギーは乱闘の末にクラウンを殺してしまいます。

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翌日、警察による捜査が行われ、ポーギーは検死のために参考人として警察へ連行されるのでした。ポーギーが犯人であることは発覚しなかったものの、彼は自分が殺した相手を見ることができなかったため、警察に拘留されてしまいます。

拘留がとけて意気揚々と帰ってきたポーギーはベスの姿がないことに気づきます。住民たちから、ポーギーがいない間に遊び人の麻薬の売人スポーティング・ライフがベスを誘惑し、2人が遠いニューヨークへ行ってしまったことを知らされます。

ポーギーは悲嘆にくれるどころか、ベスを見つけるため、不自由な足をおして数千キロ離れたニューヨークを目指し旅立つのでした。

コンサート形式のオペラとしては、長いです。ブラックアメリカンの歌手は体格も良く、歌も見事でした。本来は一人を除いてブラックアメリカンなのですが、さすがにVolksoperでは、それは無理。

ブラックアメリカンの歌手は、ポーギーのMorris Robinson さん、クラウンのLester Lynchさん、スポーティング・ライフのRay M. Wade Jrさん、マリアのBongiwe Nakaniさんの4名でした。

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Morris Robinson さんは、メトロポリタン歌劇場の養成部門を卒業し、「フィデリオ」で同劇場デビューを果たしています。

Lester Lynchさんは、オハイオ州の出身でジュリアード音楽院を卒業後、メトロポリタン歌劇場のオーディションに合格しています。

Ray M. Wade Jrさんもアメリカの出身ですが、1993年に「ドンジョバンニ」でヨーロッパデビューを果たしています。ケルン歌劇場のアンサンブルだったこともある歌手です。

Bongiwe Nakaniさんは、ニューヨーク出身で、University und am Lyric Opera Center for American Artistsで声楽を学び、パリオペラ座をはじめとするヨーロッパの歌劇場でも活躍しています。

Feriは、ブラックアメリカンの歌手は初めて本格的に聴きましたが、やはり、役になりきっており、見事な仕上がりでした。

また、アンサンブルのMelba Ramosさんの仕上がりも素晴らしかったですね。彼女は真面目な歌手なので、かなり稽古を積んだのでしょう。

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Melba Ramosさん以外のアンサンブルで良かったのは、セリナを演じたJulia Kociさんでしょうか。もちろん、他のアンサンブルも水準に達していたのは言うまでもありません。

Feriが観た日は平日でしたが、結構、お客さまが入っていました。やはり古典なので、ご年配のお客さまも多かったですね。また、カーテンコールではヴラヴァが結構でていました。

今回、ドイツ語上演にしなかったのも、原作の雰囲気を崩さないための判断だったのかもしれません。欲を言えば、舞台装置付きで観たかったところですが、上演回数などの問題から、困難だったのだと思います。

お芝居もうまそうな方が多かっただけに、その点はちょっと残念。

この後、Volksoperでは「Der fliegende Holländer」も上演されますが、国立歌劇場で上演されるようなオペラよりも、「Porgy and Bess」のような作品の方がVolksoperには合っているような気がします。

皆さまも機会があれば、ご覧になることをお勧めしますが、プログラムには「日本語版あらすじ」が掲載されていませんので、内容をご存じない方は、予めご準備をされた方が良いかと思います。

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オペラ, in フォルクスオーパー |

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