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March 14, 2019

「Fasching krapfen」よもやま話

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今日は「お菓子の話題」をお届けしましょう。

このブログでもご紹介したことがあるオーストリアの揚げ菓子「Krapfen(クラップフェン)」。

発酵生地を丸めて、油で揚げるのですが、浮力によってできる「中心部の白い帯」が特徴です。

一般的には、中にアプリコットジャムが入っています(リンゴが入ったアップフェル・クラップフェンというもあります)。そのため、当然、高カロリー(これ、ポイント)。ドーナツの原型とも言われています。

このクラプフェンですが、正式には「ファシングクラップフェン」(Fasching krapfen)と言います。

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ファッシングとは、謝肉祭のこと。英語ではCarnival(カーニバル)、オーストリアやドイツでは、Karneval(カーネバル)、 Fasching (ファッシング)、 Fastnacht(ファストナハト)、Fasnet(ファスネット)など、色々な呼び名があるようです。

そのため、昔は謝肉祭が近づくと、ベッカライの店頭に並べられる「季節感のあるお菓子」でしたが、現在では年間を通じて販売しています。

この話は日本オーストリア食文化協会の方から伺ったのですが、 Fastnacht (ファストナハト)のFastは「断食」という意味だとか。英語では朝食のことを breakfast と言いますが、その意味は「断食を破る」。この fast と同じ使い方です。

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Nacht は「夜」という意味なので、この場合は「前の日」のこと。という訳で、Fastnachtは「断食の前日」といったニュアンスになります。

カトリックでは、復活祭までの40日間を四旬節と言いますが、この期間は本来は「断食の期間」です。つまり「四旬節に入る前日」という意味になります。

ちなみに2019年は復活祭が、例年よりも遅い4月21日なので、「灰の水曜日」は3月6日でした(2018年の復活祭は4月1日でした)。

ところで、四旬節に入る前日に、なぜファッシング(カーニバル)があるのかという話ですが、これも日本オーストリア食文化協会の方からうかがった興味深いお話です。

ヨーロッパの冬は厳しいのは皆さまもご存じのとおり。特にドイツなどは冬の寒い時期、これを乗り越えるのはどうすればよいかと考えたとき、身体に油脂を取り込んで寒い冬を乗り越えようという発想に至ったとか。

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そこで、「断食(節食)」期間は何も食べられないため、前日に脂っこいものを沢山食べておこうという風習が生まれたという説があるようです。

そのためカーニバルが始まる始まる木曜日を、「脂っこい木曜日」(ドイツ語ではfetter Donnerstag、フランス語ではJeudi gras、イタリア語でではGiovedi grasso)と呼ぶこともあるそうです。

今は、冷暖房が当たり前となり、移動手段も徒歩から鉄道、飛行機、車など多様化して、楽になったため、身体を酷使する事が少なくなってきました。

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という訳で、昔のように越冬のため身体に油脂を取り込まなくてもよいのですが、寒い地方のドイツやロシアなどでは何千年の昔からの習慣で、脂っこい料理や菓子が止められず、ついつい太り気味になってしまう人が多いとか。

日本では、「断食」の部分が消えてしまって、「カーニバル=どんちゃん騒ぎ」だけがクローズアップされているのは、ちょっと残念な気もします。

話を「ファシングクラップフェン」(Fasching krapfen)に戻すと、油で揚げたお菓子ですから、断食前の「油脂補給」にはうってつけ。

そこで、オーストリアではこの期間中、クラップフェン(Krapfen)が食べられるようになったと言う訳です。

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そのためクリスマスから四旬節を前にかけて、ベッカライやスーパーマーケットでは、「クラプフェンのセール」が始まります。

値段を下げるより、「いくつ買うと1つオマケ」といったキャンペーンや、ボリュームディスカウント(○個で○Euro)が多いようです。ますます太りますねぇ‥以下、自粛‥

なお、同じような考え方で、フランスではBeignets de Carnaval(ベニエ・ド・カルナヴァル)イタリアではChiacchere(キアッケレ)という揚げ菓子が食べられるそうです。

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この暑い時期には、クラプフェンはちょっと遠慮してしまいますが、確かに寒い時期には美味しく感じますね。

Adventの時期に運行されるクリスマストラムで提供されるお菓子もクラプフェンでした。

そんな背景を知ってから、クラプフェンを食べると、昔の生活に思いを馳せることができるような気もします。

ただ、年中販売するようになったとは言え、暑い夏向きのお菓子ではないと思いますが‥

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