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March 30, 2019

大型旅客機A380の製造打ち切りに思う(下)

201903270003昨日に引き続き「旅客機の話題」です。

昨日はご紹介できませんでしたが、中型機や小型機が多いウィーン国際空港で、抜群の存在感を発揮しているエミレーツ航空のA380の写真をトップに持ってきました。

そう言えば、写真のような特別塗装機も飛来してきたこともありますね。しかし、エミレーツ航空はA380を、何と109機も保有しているのですから、びっくり仰天です。

また、双発のB777も138機保有しており、どちらも「世界最大の保有数」を誇っています。さすがにオイルマネーは違います。

201903270001さて、現在、航空会社が最も重視するのは採算性です。つまり、いかに経費を削減した上で、定期便を満席で運行するかということ。

そのため、各社とも燃費の良い新型機の導入を急いでいる訳です。そういう意味では、新型機を買えず、増備も中古というオーストリア航空は気の毒です。

また、収益性の高いビジネスクラスやプレミアムエコノミークラスの座席数を増やし、事実上の「お荷物」であるエコノミークラスの座席を少なくするのは、世界的な傾向のようです。201903270017<>p業界では、ロードファクター(有償座席利用率)を高めることが喫緊の課題になっています。

かつてB747が日本とヨーロッパの間を結んでいた時代、エコノミークラスは200席以上あるのが当たり前でしたが、現在、B777-300で150席弱、B787で100席強になっています。

201903270007逆に燃費の良い中型機の導入によりポーランド航空のワルシャワ線、全日空のウィーン線など、従来では採算性が問題視されていた路線の開設につながっています。

また、フィンエアは、繁忙期には成田―ヘルシンキ間に毎日2便、就航させています。普通に考えれば、大型機1機の方がコストが安くすみそうですが、逆に状況に応じて、便数を調整するという技を使うことで、採算性の向上を図っているようです。

このような背景から、特殊な背景がある中東の航空会社以外は、A380を持てあましているのは事実のようで、ルフトハンザドイツ航空も、先日、一部の売却を発表しました。

201903270011まぁ、「高く売れる内に売り飛ばすのが吉」と判断したのでしょう。

そんな中、3月21日、全日空のA380が日本に到着しました。JALの牙城であるハワイ線に投入する戦略機材として位置づけており、外装、内装ともに話題性が豊富です。

しかし、近年、初めて導入する機材が、「すでに製造中止が決定しているもの」という例は極めて珍しいと思います。

もちろん、航空会社から便宜を受けているマスコミは、そのことはダンマリですが、インターネット上では在野の航空関係者が、同社の「A380の将来」について懸念を示しています。

201903270005実は、JALが経営的に厳しくなった時、なぜ、お荷物になっていたB747を売却しなかったかというと、機材の「帳簿上の評価額」と「市場評価額」の差が激しく、売却すると巨額の評価損を出してしまうことが明らかになっていたためであると言われています。

市場は敏感です。つまり、世界は既に4発大型機の時代から、双発中型機の時代にシフトしていたという訳です。

実際、全日空も国際線の主力機材はB777-300、B787-900、B787-800などの双発機ですし、将来の国際線主力機としてB777Xも発注しています。

201903290003そもそも、何故、全日空がA380をわずか3機だけ導入したのでしょうか。

航空会社は、経営の効率化の一環として、機材の整理(機種の統合)を進めているところが増えています。その代表は単一機材で統一しているLCCですが、フルサービスを基本とするRCCでも、ある程度、機材を絞り込んでいます。

そう言えば、日本でA380の導入を決定したのは、当時、「行け行けドンドン」だったスカイマークでしたね。ただ、スカイマークの経営が悪化したため、エアバスが契約の取消しと違約金の請求に出ましたが‥

噂話の領域を出ませんが、スカイマークが経営破綻し、同社持っていた国内線路線権(特に羽田空港の発着枠)を、外資系の会社にとられなくなかった全日空が、エアバスグループと交渉して、スカイマークの再建から降りてもらったという話があります。

201903270016その際、A380を買うという条件を出したのでは‥と勘ぐる向きもあります。もちろん、噂話の領域ですから、真相はわかりません。

いずれにしても、就航前に製造中止というケチがついたA380。果たしてハワイ線で成果を出せるのか、それとも運賃ダンピングの引き金になるのか、外野のFeriは興味が尽きません。

201903290001最終的にはエミレーツ航空の継続発注が取りやめになったことで、A380の製造中止が決まった訳ですが、恐らく、今後、一般的な旅客機では新規に4発機は開発されないでしょう。

オーストリアと関係のない話題になってしまいましたが、オーストリア航空も、古くなったB777-200やB767-300ではなく、内心ではA350やB787といった新型機が欲しいでしょうね。

何しろ内装は改装である程度カバーできるにしても、基本性能は変わらない訳ですから、燃費が‥

201903290002同じくルフトハンザドイツ航空の傘下に入っているスイスインターナショナルエアラインズがB777-300の新造機を導入しているのとは対照的です。

もしかしたら親会社のルフトハンザから「君のところは、ロードファクターが良くないから、中古で我慢しなさい」と言われているのかもしれません。

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