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March 03, 2019

Volksoperのオペレッタを憂う-「偉大なるマンネリ」は否か-(上)

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今日、東京では「東京マラソン2019」が開催されると思いますが、以前、Feriのお得意先の社長さんが出場したことがありました。後日、出場した旨をうかがって、びっくりしたことがあります。

ウィーンマラソンとは規模が違いますので、東京にお住まいの皆さまは、色々と大変だと思います。

さて、今日は「Volksoperのオペレッタに関するお話」をお届けしましょう。

2019年も3月に入り、しばらくすると2019/20シーズンにプログラムが発表になることでしょう。さて、来シーズンはVolksoperでは、どんな演目が上演されるのでしょう。気になるのはオペレッタの演目です。

通常ですと、今シーズンPremiereが行われた「Die Csárdásfürstin(チャールダーシュの女王)」と、4月にPremiumが行われる「Meine Schwester und ich」は間違いなく継続上演されると思います。問題はレパートリー公演ですね。

ところで、2018/19シーズンで、Feriが最も驚いたのはVolksoperで定番オペレッタの「Die lustige Witwe」(メリーウィドウ)が消えたことです。

かつては「こうもり」と並ぶ「鉄板オペレッタ」だっただけに、リニューアルが事前に発表された上で、休演になるのならばわかるのですが、突然の消滅にはショックを受けました。

一節によると観客動員が思わしくないことに加えて、主役級のキャストを確保できなかったことが、上演見送りの要因だと言われています。

Volksoperでは「こうもり」が、現在も、ほぼ伝統的なウィンナオペレッタの様式を堅持しているのに対し、「Die lustige Witwe」は、正直、2005/06シーズンの演出改訂からケチがつき始めました。

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2004/05シーズンまで上演されていたRobert Herzl版は休憩が2回入り、3幕が極めて充実していました。「天国と地獄」のギャロップに乗ったカンカンが素晴らしく、舞台と客席が一体となって、一気に盛り上がるという素晴らしい演出でした。

演出改訂は、「レハール100周年記念の年」だっただけに、大きな期待が寄せられましたが、マスコミに「お葬式になってしまった」と揶揄されるほど、惨憺たる演出でした。ちなみに演出を担当したのはDaniel Dollé氏。

舞台装置が貧弱になったのも、この頃からで、正直、オペレッタとしての魅力が半減(それ以下か)してしまいました。特に3幕は改悪と言って良いでしょう。

劇場側も、お客さまの反応に驚いたのか、シーズンごとにこっそり演出に手を入れて、ごまかしてきました。しかし、演出家との関係もあるのか、抜本的な解決にはなりません。

そして、2010/11シーズン、ついに再改訂となりました。今回の演出は鬼才Marco Arturo Marelli氏。Daniel Dollé版よりも舞台が洗練されて、きれいになった点は評価できますが、ダニロの性格付けが大きく変えてしまった点にFeriは不満を抱きました。

ただ、3幕のカンカンがDaniel Dollé版よりも充実した点は良くなったと言えるかも知れません。

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日本でも上演されたので、実際にご覧になった方も多いと思います。しかし、残念なことですがDaniel Dollé版の「Die lustige Witwe」はシーズンを重ねるごとに観客動員が減ってきました。

Volksoperでは全般的にオペレッタの集客が思わしくない傾向が続いていますが、「Die lustige Witwe」でも3階客席がガラガラという日が多数。興行的には、成功とは言いがたい感じが漂っていました。

また、アンサンブルだけでキャスティングが難しいという背景もあり、今回、一旦、休止となったのだろうと推察されます(実際、次のシーズンに復活させるようなニュアンスですが‥)。

このブログでもたびたび指摘していますが、大変残念なことにVolksoperのアンサンブル(専属歌手)に、現在、お客さまを呼べる主役級オペレッタ歌手は存在しません。そのため、“演出は悪いが、あの歌手を見たいから‥”という観客心理を掴むことができません。

その結果、「演出の優劣が、観客動員に直結する」という劇場としては「頭の痛い展開」になっています。

最近のVolksoperは、以下のような悪循環に陥っている気がします。

1.人を呼べる魅力的なオペレッタ歌手が存在しない

2.オペレッタに関しては演出で目先を変えるしかない

3.しかも出演予定者の実力に合わせた演出にせざるを得ない(ワイヤレスマイクの使用を含む)

4.奇抜な演出は、最初は話題になるが、「1回観れば十分」というパターン

5.上演回を重ねるごとに地元ファンの足は遠のく

6.商売を考えると人を呼べる古典ミュージカルの上演回数が増える
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確かに斬新な演出は、Premium当初は話題になりますが、しばらくすると飽きられる傾向があるような気がします(これはあくまでもFeri、個人の見解です)。

この他、「伯爵令嬢マリッツア」も妙な演出で落胆しましたが、ブダペストとの連携で楽しい演出に変わったものの、著作権の関係からか、再度の演出改訂になりました。直近の演出は、やや暗い印象になりました。

今シーズンの「Die Csárdásfürstin」。地元の評判はまずまずでしたが、Feri個人としては、疑問が残る演出でした。

まぁ、時代設定が現代にならなかっただけ、良かったのかもしれませんが‥退廃的な雰囲気が漂う舞台は、夢や希望がなくて、どうも好きになれません。

特に、本作品で最も盛り上がる(お客さまも期待している)「ヤイ、ママン」の状況設定が最悪です。

ちょっと長くなってしまったので、明日、後半をお届けします。

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オペレッタ, in フォルクスオーパー |

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