« Volksoper「Orpheus in der Unterwelt」(上) | Main | S45のトラブルに遭遇 »

June 09, 2019

Volksoper「Orpheus in der Unterwelt」(下)

201906090001昨晩、ウィーンでは好天の中で、盛大に「第26回LifeBall」が行われました。人混みが苦手なFeriは、某ホイリゲでのんびりとした週末を過ごしていましたが‥

一方、テニスのフレンチオープンで、オーストリアのDominic Thiem選手が決勝進出を果たし、大変な盛り上がりを見せています。本日、行われる決勝の相手はナダル選手。さて、優勝を果たすことができるでしょうか。

Orpheus_000さて、今日は昨日に引き続きVolksoper「Orpheus in der Unterwelt」(地獄のオルフェ)の後編です。

第2幕第1場は、「地獄のプリュントの部屋」(というかウリディースの部屋)です。ウリディースは、来たばかりだというのに、プリュントに相手にされず、飽き飽きしています。プリュントの使用人ハンス・スティックスが、有名な「私がアルカディアの王子だった頃」を歌って彼女を口説くのですが、一発で袖にされてしまいます。

ちなみに、ウリディースは、黒いランジェリー姿で熱演しています。

地獄へやってきたジュピターはプリュントに、ウリディースに会わせるよう要求するのですが、拒否され、逆に宴会場へ案内されます。

この宴会場では、一緒に地獄に来た神々が盛り上がっており、何となく派手なエンディングが予想されます。

本来、冷静なはずの世論も、怪しげな酒を飲んでから本性があらわになってきます(世間体を忘れ、快楽に邁進してしまいます)。もちろん、オルフェは地獄の魅惑的な女性にぞっこん。

ジュピターはハエに化けて、ウリディースの部屋に忍び込み、彼女に一目惚れするのですが、ハエの扮装が、笑えます。まるで「仮面ライダー」みたい‥

Orpheus_008ジュピターは身分を明かして、オリンポスヘと誘いますが、地獄に飽きてしまったウリディースは、即座にOK。ここの二重唱は、笑えるシーンの連続です。

実は、この場面を、隣の部屋からジュノーがしっかり見ており、嫉妬心が燃え上がるという話に‥結局、ウリディースをバッカスの巫女に変装させて、地獄を脱出する算段をしたところで、第1場が終わります。

第2場は、「地獄の大宴会場」です。天上の神様も地獄の住人も入り乱れて、飲めや歌えの大酒宴となり、バレエ団のモダンバレエも加わり、おなじみの「天国と地獄」が盛大に演奏されます。

ジュピターと「バッカスの巫女姿」に変装したウリディースが逃げようとすると、プリュトンに見つかつてしまいます。

Orpheus_022ここで「バッカスの巫女姿」に変装した女性が、もう一人登場し、宴会場は大混乱(変なお面を付けているので顔は見えません)。

実は、最初につれてきた「バッカスの巫女姿」の女性こそ、ジュピターの妻ジュピテールだった…という落ちになっています。動揺するジュピターが、これまた見物です。

Orpheus_023そこへ、オルフェが、世論と共に登場します。天上にウリディースを連れて行きたいジュピターですが、仕方なくオルフェウスに「地上に戻るまでは決してウリディースの方を振り向いてはならない」との条件で、妻を返すことにします(ウリディースに飽きているオルフェの行いを見ていると、どうせ約束は破るだろうと踏んでいる訳です)。

しかし、オルフェは、なかなか振り向きません。そこで、業を煮やしたジュピターは雷を起こし、オルフェを強制的に振り向かせてしまいます。

プリュントは「ウリディースは黄泉の国に残る」と主張しますが、ジュピターが「彼女をバッカスの巫女にする」と宣言。

Orpheus_032また、このあたりになると、本来、世間体の代表である世論が、ハンス・スティックスに惚れてしまい、追いかけ回すというサイドストーリーも盛り込まれています(やはり世間体は、欲望には勝てないという本質を突いたお話)。

最後は、地獄で天上の神々、地獄の住人がそろって大合唱の後、「天国と地獄」のギャロップが盛大に演奏され、フィナーレを迎える展開です。

さて、出演者の仕上がりですが、プリュントのDavid Sitkaさん、スマートな感じでなかなか良い味を出していました。今までオペラやミュージカルなど幅広い作品に起用されていましたが、主役級には起用されていませんでした。

ジュピターのMartin Winklerさんは、以前、Feriが観たKurt SchreibmayerさんやCarlo Hartmannさんに比べると、ちょっと存在感が弱い感じがしましたが、まあ、合格点でしょう。

オルフェのThomas Sigwaldさんですが、Feriは久しぶりに観ました。余り変わっていませんね。ちょっとビックリ。

この人は優柔不断で、女性に目がない役は上手なので、ピタリでした。

Carsten Süssさんは真面目なイメージが強いので、Thomas Sigwaldさんの方が向いているかもしれません。個人的な感想(好みの問題)ですが‥

Orpheus_005ハンス・スチュクスのBoris Ederさんは、いつもどおり。今回はちょい役ですが、世論のRegula Rosinさんとのコンビが楽しめました。

今回、Feriが最も良かったと思うのは、ウリディースのJulia Kociさん。歌はもちろん、お芝居も含めて、申し分ない、素晴らしい仕上がりでした。アリアを歌う場面もあるので、彼女の出演は大きいですね。

今回、驚いたのはジュピターの妻であるジュノンが男性だったこと。起用されたのはChristian Grafさん。「チャールダーシュの女王」でRohnsdorffとして登場しています。

男性なので、ある意味、迫力があります。ジュピターのMartin Winklerさんをコントロールする役にはピッタリだった気がします。ちなみに2008年の時はHelga Papouschekさんが良い味を出していました。

Orpheus_033キューピットのJakob Semotanさんは、ミュージカル畑の方。2008年の際には人気キャバレストのGerald Pichowetzさんが起用されていたので、比べるのはお気の毒。キャバレストの怪演にはかないません。

最近のVolksoperのオペレッタとしては、キャスティングも含めて、まずまずの仕上がりだったと思います。

なお、通算上演回数は2007/08シーズンから継続しているようでした。

もともと、架空の場所でのお話ですから、現代劇になっていても「パリの生活」や「オペラ舞踏会」に比べ、楽しめる舞台に仕上がっています。かなりきわどい演出もありますが、さすがフォルクスオーパー、下品になる直前で、しっかりとセーブしていました。このあたりの感覚が、ウィーンなのでしょうね。

201906070001日本では、まず許可されない火薬を大胆に使った演出には、度肝を抜かれます。

フォルクスオーパー「地獄のオルフェ」は派手な演出や奇抜なバレエが注目されてしまうのですが、実はお芝居がしっかりしています。

そのため、言葉がわからないと、面白くない場面が多々あります(実際、地元受けするギャグが連発されるところがあります)。

来シーズンはジャック・オッフェンバックの生誕200年記念で、継続上演されます。機会があれば、皆さまも生演奏の「天国と地獄のギャロップ」をお楽しみになりませんか。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります 😃

Br_decobanner_201105_v_02

|

« Volksoper「Orpheus in der Unterwelt」(上) | Main | S45のトラブルに遭遇 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« Volksoper「Orpheus in der Unterwelt」(上) | Main | S45のトラブルに遭遇 »