« 番外編 Tokyo2020に思う | Main | ウィーンで猛暑を楽しもう »

July 27, 2019

公共交通機関の利用者が増加中

201907270015今日は「ウィーン市内の交通にまつわる話題」をお届けしましょう。

先日、ウィーン市から市内交通の利用状況に関するデーターが公表されました。ウィーンでは、環境保護の一環として公共交通機関の利用を推進しています。

グラフをご覧になるとわかるように、自家用車の使用が横ばいであるのに対し、公共交通機関の利用は「うなぎ登り」。2015年には利用者数が逆転しました。

まぁ、日本の大都市では、移動人数が圧倒的に多いため、鉄道を中心とする公共交通機関利用者が多数を占めると思うのですが、自動車利用が多いヨーロッパでは、これは珍しいケースと言えるかもしれません。

201907270014この要因は、路面電車の軌道敷き内自動車通行禁止をはじめ、あえて自動車での市内移動を不便にすることで、公共交通機関への移行を促進する施策が功を奏したのかもしれません。日本では、自動車産業が基幹産業ですから、自動車利用を積極的に規制する施策は打ち出しにくいと思います。

もちろん、自動車利用を不便にするだけでは、住民の不満が募ってしまいます。そこで、ウィーン市がWiener Linienと協同で打ち出したのがリーズナブルな年間パスの発行です。

ご存じのように、ウィーンの公共交通機関運賃はゾーン制になっている関係で、短距離は割高です。現在、事前購入の1回券は2.4Euro(現在のレートで300円弱)です。1日券は5.8Euro、ウィークリーパス(Wochenkarte)は17.1Euro、マンスリーパス(Monatskarte)は51.0Euroと、ちょっと高めです。

201907270013しかし、これが年間パス(Jahreskarte)になると365Euro。つまり1日当たり1Euroと大幅に安くなります(記名式ですが全線乗り放題)。

ウィーン市とWiener Linienでは、年間パスの利用者を増やすため、あえて利用期間の短いチケットの値段を上げているフシがあります。実際、マンスリーパス7ヵ月分で、年間パスが買えるのですから、年間パス利用者が増えるのもわかる気がします。

実際、365Euroの年間パスが発売されてから、グラフのように利用者が急増しており、2018年には80万枚を突破、822000枚が発行されました。人口が200万人を下回っているウィーンとしては、画期的な発行枚数だと思います。

201907270010ウィーン市の当局者は、「再びウィーンは、都市と環境にやさしい交通政策が、どのように機能するかを示しました。 価格が妥当であれば、自動車からの切替は不可能(モーダルシフト)ではないことを証明しています。」と述べています。

近年の旅客数の増加は、公共交通システムの積極的な発展を示しています。具体的には過去1年間で9億6590万人、そして毎日260万人がウィーンの公共交通システムを利用しています。

201907270012ウィーンはコンパクトシティであるにも関わらず、地下鉄、路面電車、路線バスが有機的に機能しており、徒歩圏に公共交通機関の駅・停留所があるエリアが95%以上。また、新しい住宅団地の建設に当たって、この考え方が反映されており、Seestadtでは住宅団地の建設前にU2延伸が実現しました。

201907270016また、ウィーン市では、ヨーロッパでは高い関心がある温室効果ガス(CO2)の1人当たりの排出量が、ウィーンは最も少ないと発表しています。これらも公共交通機関のネットワーク充実と利用者増が寄与しているのは言うまでもありません。

このような背景を元にウィーン市では、2019年、4億3500万Euroが公共交通機関の整備に投資される予定です。

201907270011U2/U5の建設はもちろん、U4の更新工事、新型路面電車FLEXITY増備、新型バス増備、U6の冷房化(2020年には完全冷房化の予定)などが推進されます。

利用者を増やすためには、魅力的な公共交通機関であり続けることがポイント。そのように考えると、鉄道ファンから見るとウィーン情緒が残る路面電車が消えていくのは寂しいですが、現役として大きな使命を果たしていることを考えるとFLEXITYへの置き換えを応援したくなります。

※「人気ブログランキング」に登録しています。この記事がお気に召しましたら、下記のバナーをクリックしていただくとFeriの励みになります 😃

Br_decobanner_201105_b_3

|

« 番外編 Tokyo2020に思う | Main | ウィーンで猛暑を楽しもう »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 番外編 Tokyo2020に思う | Main | ウィーンで猛暑を楽しもう »