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August 02, 2019

ウィーンのユニークなゴミリサイクル

201908020012今日はひさしぶりに「ゴミの話題」をお届けしましょう。日本でも深刻なゴミ問題ですが、ウィーンではユニークな取り組みを行っています。

先日、ウィーン市から、ゴミを原材料とした堆肥の生産が100万トンを越えたという報道がありました。

ゴミを原材料とした堆肥をコンポスト(Kompost)と言います。EUでは、コンポストは「制御された好気的条件で自己発生熱により生分解されたもので、害虫を誘引せず、不快臭を持たず、病原菌の再増殖をもたらさない有機物」と定義されているようです。

201908020010日本でも、個人的にゴミを堆肥にして再利用している方がいらっしゃるようですが、オーストリアでは首都ウィーンで、行政が大々的にコンポストの製造を行っているのです。

ウィーンでは、1991年に、コンポストに適したゴミの分別収集が開始されました。コンポストに適した廃棄物は、家庭から出る野菜や果物の屑、落下などにより傷んでしまった農産物、後援や緑地の剪定で発生した枝や葉などだそうです。

ウィーン市では、分別収集したコンポスト用廃棄物をLobauの専用プラント(Kompostwerk Lobau)で、堆肥にしています。

現在、年間10万トン廃棄物が、約8〜10週間で処理され、堆肥化されています。生産量は毎年45000〜50000トン。その品質は高く、オーストリアが推進している有機農法にも使用できるレベルです。MA48が発表している資料を見ると、右肩上がりで生産量が増えていることがわかります。

201908020013コンポストは自然堆肥なので、農産物を生産する土地にも良い影響を与えると言われています。
そして、このような話で、必ず出てくるのがCO2の排出量削減。ウィーン市によると堆肥化により9000トンのCO2削減に寄与しているとか‥

専用プラントで生産された堆肥は、ウィーン市当局が、自身が管理している公園や緑地で使用している他、住民にMistplätzで無料配布しています(最大2立方メートル)。無料配布なので、ピックアップする際には、利用者が自分で運搬用資材を持ち込む必要がありますが、肥料がタダというのは、ある意味、魅力的です。

また、農林業などで大量に使用する場合は、有償となりますが、配達も行っています。

201908020011ところで、コンポストを効果的に推進するためには、材料となるゴミを正しく分別する必要があります。

異物が入っていると、良い堆肥を作ることは困難です。食べ残しなどを一括して捨ててしまっては、残念ながら有機栽培に使えるような良質な堆肥を生産することは不可能です。

そのため、今回、ご紹介したような「BIOMÜLL」と書かれた専用ゴミ箱が準備されています。そういう意味では、住民や関係者の協力が不可欠と言えるでしょう。

日本では、大都市がゴミ行政の一環として、大規模なコンポスト事業を展開しているという話を耳にしたことがありませんが、首都にワイン用ブドウ畑を持つ農業国であるオーストリアらしい取り組みだと思います。

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Comments

Kompostですが家庭や事業所から出るごみのたい肥化は随分以前からイタリア最北部のSuedtirol地方で行われています。InnsbruckからBrennerautobahnで南に向かい国境を
越えて2番目の出口になるAusfahrt Pustertalでアウトバーンをでて東の方に(Pustertal方面)に向かうと2分程で深い谷を跨ぐ橋を渡りますが橋の右側にKompostを製造している小さな作業場が見えます。Sudtirolは第一次欧州大戦の戦後処理としてオーストリアからイタリアに割譲された地方で住民の70%がドイツ語(と言うよりドイツ語を語根とする独特の地方語)を日常語とします。イタリア語ではAlto Adigeと呼ばれます。Adigeは川の名前で日本からの観光も多いVeronaの市街を貫流している川です。

Posted by: Shinji Fujiki | August 02, 2019 10:42

Shinji Fujiki様

興味深い情報、ありがとうございます。Suedtirolは、最近、Feriはご無沙汰です。

Posted by: Feri | August 02, 2019 12:10

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