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September 23, 2019

Club760 50周年(後編)

201909210012日本は「秋分の日」。最近、日本は移動休日が増えてしまって、どうもピンときませんが、「秋分の日」は固定されていますね。さて、今日は創立50周年を迎えた「Club 760の話題 後編」をお伝えしましょう。

TaurachbahnのあるLungauは、冬はスキーリゾートになる降雪地帯。そのため、作業ができるのは夏期に限定されます。しかも、費用とマンパワーの関係で、集中的に修復工事を行うことはできません。

そのため、路線を借り受けてから、実際に営業を開始するまでに7年間を要しています。

1988年7月9日、修復が完了した鉄道はTaurachbahnとして営業を開始します。ただ、観光鉄道の運転区間はMauterndorf-St.Andrä間となりました。もちろん、線路はTamswegまでつながっているため、その後、臨時列車のMurtalbahnへの乗り入れも実現しています。

201909210001実は、Feriが最初にTaurachbahnを訪問したのは、同鉄道が営業を開始して、数年後でした。当時、Murtalbahnの蒸気機関車保存運転は、日本でも有名でした。

撮影を終えて、Salzburg方面へ戻るため、99号線をレンタカーで走っていた時のことです。Mauterndorfの町を抜けたところで、突然、煙を上げている狭軌鉄道の蒸気機関車を発見。

直ちにUターンして、Mauterndorfの駅に車を寄せました。全く情報を持っていなかっただけに、正直、びっくり仰天したのをよく覚えています。

201909210006それ以来、夏にLungauを訪問した際には、必ずTaurachbahnを訪ね、日本でも色々な機会に紹介してきました。

さて、Club 760の活動に話を戻すと、自前の観光鉄道を運営するようになったことから、「歴史的な価値のある狭軌車両を後世に残す」という活動に力を入れるようになります。何しろ、それを運転できる鉄道を所有している訳ですから。

201909210009その後、オーストリアのみならず、他国からも狭軌鉄道の車両(主に機関車)を集め、時間をかけて動態復帰させています。

当初は、客車などもÖBBの狭軌線から譲渡されたものを、そのまま使っていましたが、機関車とのバランスがよくありません。

それはClub 760のメンバーも重々承知していること。客車の整備も時間をかけて行い、現在では、バランスのとれた編成になっています。

201909210003現在、Taurachbahnで動態保存されている蒸気機関車は6両。また3両の保有蒸気機関車が他の狭軌鉄道に貸し出されています。そして、FROJACHの博物館には4両の蒸気機関車が静態保存さえています。

もちろん、「高い理想を求めるメンバーのボランティア活動が中心」と言っても、鉄道の維持や車両の修復には莫大な資金は必要です。現在、Taurachbahnの運行時、Mauterndorf駅売店や車内で販売されている各種グッズの売り上げも、資金源の一つになっています。

201909210016そして、近年では知名度も上がり、オーストリア人のクラブから、ヨーロッパのクラブに発展するようになりました。何でもドイツの有名政治家もクラブメンバーに名を連ねているという話です。

201909210020現在の会長はJosef Steinacherさん(Bischofshofen在住)、副会長はEhrenfried Illitschさん(Murau在住)、会計担当役員はAugust Zopfさん(Mondsee在住)、総務担当役員Friedrich Haftelさん(Brand在住)です。

気になる会費ですが、一般的な会員(Mitgliedsbeitrag)は年間30Euro(40スイスフラン)で設定されています。この他、スポンサー会員制度もあり、こちらの会費は75Euroで設定されています。

Club 760では、50周年を記念して小冊子を発行しました。今年、FeriもTaurachbahnを訪問した際、購入。中を見ると楽しそうなメンバーの表情が印象的です。小冊子のお値段は、一冊7Euroと気軽に買えるお値段でした。

すでに鬼籍に入られたメンバーもいらっしゃるようですが、「地に足の付いた活動」が印象に残りました。

201909210014さて、堅い話が続きましたが、50周年を記念して「大人の倶楽部」らしく、記念のBier(0.3リトル、3.5Euro)とSchnaps(0.1リットル、12Euro)を作っています。Bierはもちろん「こだわりの瓶」。

そして、メーカーは地元Lungauに敬意を表してSalzburgの名門醸造所Stiegl。この「こだわり」がFeriにはたまりません。是非、手に入れたかったのですが、すでに完売のようでした。

201909210011訪問した日も、多くのお客さまで賑わっていたTaurachbahn。蒸気機関車を機関庫に格納した後、ふと見ると機関士がBierのパックをぶら下げて機関庫の方に向かっているではありませんか。

きっと、これから今日の「楽しい反省会」でしょうね。

「Club 760」を一言で表現すれば「高い理想に賛同した愛好家の団体」と言えるでしょう。

このような記事をまとめると「ヨーロッパ賛礼、日本はダメ」と捉えるのはどうも‥とお感じになる方がいらっしゃるかもしれません。

201909210013鉄道の限らず、日本は世界的に見ても趣味関係の雑誌が数多く発行されている希有な国です。また、各種イベントにも多くのファンが集まります。そういう意味では、土壌があると思います。

反面、休暇制度の違いなどから、日本では、ビジネスパーソンの場合、まとまった休みを取りにくいという社会的背景があり、このような活動に参加したいと思っていても、実行に移せないという方も多いと思います。

さらに、このような団体が鉄道運営に関与できるのは、各種法令の違いも大きいと思います。ある意味、「文化の違い」が背景にあるのかも知れません。

ただ、彼らの活動を見ていて、「人生の楽しみ方」も色々なアプローチがあると感じるのはFeriだけでしょうか。

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