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October 12, 2019

2019年冬ダイヤ WestBahnは列車半減

20191012004日本では、巨大な台風19号の襲来で社会生活が大きく混乱しているようですが、大きな被害が出ないことを祈るばかりです。Feriの実家も台風15号の際には、長時間の停電がありましたが、今回も心配です。

さて、今日はWien-Salzburg間を結ぶ「WestBahnの話題」をお届けしましょう。以前、「同社が所有するダブルデッカー電車がドイツ鉄道(DB)に譲渡され、中国製の新型電車が導入される計画が進んでいる」という話題をお伝えしましたが、新しい情報が入ってきました。

まず、中国製電車導入は、キャンセルされました。しかし、現行のダブルデッカー電車をドイツ鉄道に譲渡する話は継続しており、2019年12月15日の冬ダイヤからWestBahnは運行本数が大幅に削減されることが決まりました。

具体的にはÖBBに対抗して運行が始まったWestblue(Salzburg-St.Pölten-Wien Hbf-Wien Praterstern)が運休となります。そして、現在、WestgreenとなっているSalzburg-St.Pölten-Wien WestBahnhof間だけで運転が継続されます。

20191012002ただ、編成数が減るため、運転間隔もかつての1時間ヘッドになります(ラッシュ時は例外的に30分ヘッドで運転されます)。現在は、WestBahnとWestgreenが相互に30分ヘッドで運転されていますから、利便性は大幅に低下します。

München-Salzburg間については、同社の列車による運行ではなく、Meridianの接続列車を利用します(Salzburgで乗り換えが必要)。

今回の決断に至った背景はÖBBの強力なWestBahn対策(特定条件下での露骨な運賃の値下げ)により、WestBahnの経営が厳しくなったことも背景にあるようです。

さらに現在の4010型・4110型は乗客には好評であるが、メンテナンスコストが高いという問題がありました。更に、ÖBBに対抗するため、低運賃を設定しているため、同社の発表によるとWien-Salzburg間でチケット1枚当たり5Euroの損失が発生しています。

20191012003そのため赤字体質が脱却できず、2019年末までに累積8300万Euroになると言われています。
WestBahnは、国のÖBBに対する優遇策(補助金の交付)が不公正な競争を誘発しているという意見を持っているようです。実際、WestBahnが参入してから、補助金の10%が広告に使われていたそうです。

また、2011年には旅客列車の路線使用料が30%も引き上げられた上に、プラットホームの使用料も追加されました。ただ、プラットホーム使用料については、欧州裁判所で違法という判決が下りましたが、事既に遅し‥ 

公正な競争を促進するためには、EUの監視が必要ですが、思うように進んでいないことにWestBahnの幹部はいらだちを感じているようです。

20191012001ÖBBは日本の国鉄と異なり、民営化されたとは言え、株式は政府が保有している特殊会社ですから、優遇策の全廃は難しいのでしょう。最も、日本でも上下分割方式で民営化されていたら、同じ経緯をたどっていた可能性はあります(いわゆる既得権益)。

ところで、現在、同社は6両編成(4010型、4110型)と4両編成(4110型)の2タイプが存在しますが、2019年12月には先行して4両編成の4110型9編成が戦列を離脱します。

最終的には、全編成がドイツ鉄道に売却されますが、残りは代替え車が導入されてから行われる予定です。

現在の車両に変わる新型車両もStadler社製の2階建て電車が導入されることが決まりましたが、同社が中国の車両メーカーに比べて、かなり有利な条件を提示したことが要因であると言われています(いわゆる「大人の事情」ですね)。

20191012005現在の計画では、2021年末までに新しい6両編成の電車15編成が、Stadler社で製造されます。そして、新型車両が全て導入された時点で、再びWestblueを復活させ、30分ヘッドでの運転を始めることになっています。現時点では2012年12月12日からの実施がリリースされています。

ただ、平均運賃の低下が、収益を悪化させてきたという事実があるため、新型車両のメンテナンスコスト削減(Stadler社は、車両の納入だけでなく、定期メンテナンスも含んで受注しており、新契約では、かなり値段を下げてきたようです)だけでは、黒字化は難しいような気がします。

20191012006そうなると運賃体系の見直しも必要になるかも知れません。いずれにしてもWestBahnの再出発に期待しましょう。

ところで、今までWestBahnはインターネット経由および列車内でのチケット発売でコスト削減を図ってきましたが、どうしても利用者が限定されてしまいます。そこで、現在では、各駅に設けたWESTshop、市内のタバコ屋でもチケットを販売するようになりました。

このうち、WESTshopですが、Wien WestBahnhof、Wien Hauptbahnhof、Wien Meidling、Wien Mitte、Wien Praterstern、Linz Hauptbahnhof、Salzburg Hauptbahnhofの各駅に開設されています(営業時間は各駅によって異なります)。

健全な競争がサービス向上につながりますから。なお、2019年12月15日からのダイヤは、下記からダウンロードできます。

ダウンロード - WestBahn 2020ダイヤ

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